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コラム【ヒト】

【コラム】部下を常に育て続ける上司、部下を辞めさせ続ける上司。誰につくかによって部下の成長の仕方が変わる理由

モチベーションが下がっている人材が辞める問題とは別に、モチベーション高く、パフォーマンスも高い優秀で辞めてもらっては困る人材が辞める問題があります。

そのどちらにも影響するのが「成長」というキーワードです。

ここ数年、人材サービス各社の調べでは、新入社員はもちろん中堅含め、会社を選ぶ基準、残る基準が、自身の「成長」となっています。
ということは、成長できなければ、成長意欲の高い、すなわち現在活躍している、もしくはいずれ活躍するであろう残ってほしい人材から辞めていくということです。

更に、問題があります。

育成に関わる人間が、自分の基準で育成を行っていると、相手のために良かれと思って行っているサポートが実は逆効果で、モチベーションを下げている要因、成長を遅らせている要因になっていることも。


そこで、「成長」というキーワードを意識してもらうだけでもと思い、動画にまとめてみました。





成長ステージは育成の原理原則です。

※ここでいう育成は、「環境を整えました」、「相談にのりました」、「部下が抱えている悩みや問題、トラブルを解決しました」ではなく、成長させる支援(現在から目指す姿・ありたい状態への到達、早期独り立ち、更なるレベルアップ支援)を行うことを指します。

なぜなら、部下を常に育て続ける上司、部下を辞めさせ続ける上司となる理由を「性格や人柄」においてしまうと、部下それぞれ個性や人柄が異なる中で、常に育て続ける、常に辞めさせ続けるとはならないからです。

※もちろん、「ハラスメント体質で辞めさせ続ける」は含みません。


従って、「成長」というキーワードをふまえた上で仕事の与え方、サポートの仕方を意識することが大切です。


きづくネットワークでは、2011年から成長ステージ別育成法を習得する研修実施や研修動画販売、定着の仕組みづくりを行っています。
お気軽にご相談ください。


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コラム【ヒト】

良かれと思って行う指導育成が効果につながらない、下手すると逆効果になるケースの理由と考え方とは?

良かれと思って行う指導育成やサポ―トが効果につながらない、更に部下や後輩のモチベーションを下げたり、失敗させて自信を失わせる、ということが発生するケースがあります。そういくケースが続くと、部下・後輩からの信頼を失い、何も受け入れてもらえなくなってしまいます。

 上司、先輩が行う対応と部下、後輩の受け止め方にズレが発生する理由と対策の考え方について、わかりやすくアニメーション動画にまとめました。






→ 成長ステージ別育成法を研修で学ぶ こちら

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コラム【ヒト】

【コラム】業績向上につながる人材育成を行うなら、まず「育成力」を高めよう

こんにちは。
きづくネットワーク代表の武田です。

弊社が一番力を入れている研修は教える力や育てる力、すなわち『育成力』の強化やメンター制度の構築、運営支援、すなわち『育成文化の醸成支援』です。

その理由は、経営や業績に与えるインパクトの大きさにあります。


1.人材の成長が経営、業績に貢献する理由



 経営資源として挙げられる要素に「ヒト・モノ・カネ・情報」があります。その中で、モノ・カネ・情報を引っ張ってくるのも活用するのもヒトです。

 つまり、優秀な人材がいれば、モノ・カネ・情報を引っ張ってきて、有効に活用できる反面、人材が育っていなければ、どれだけモノ・カネ・情報があってもムダになりかねません。だから、人材育成は大事とされ、経営課題の1位、2位に挙げる経営者が多いのです。

 また、はたらく個人の自己の成長に対する意識が2019年以降高まっています。例えば、2019年卒学生の「就職先を確定する際に決め手となった項目」で「自らの成長が期待できる」が47.1%と、約半数が回答する結果となりました。(株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所調べ)新入社員が「働いていく上で大切にしたいこと』においても、2019年初めて「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が1位となり、それ以降も「自己の成長」が常に上位に入っています。

 副業解禁、フリーランスとしての働き方、転職が当たり前になった社会環境の中で、これらが意味することは、「今の会社で成長できない」と感じたら、即退職につながるということです。特に、自立していて、高いアウトプットやパフォーマンスを出している優秀な人間こそ、自分の可能性や成長を追い求めて辞めていくでしょう。

 就「社」ではなく就「職」という意識、転職に対する抵抗がほぼ無くなった現在において、この会社で成長できるという意識を持ってもらう必要があり、そのために成長できる環境、機会があるということが重要な要素となっています。


2.「育成」するという考え方を浸透させることの大切さ



 人材育成というワードで、真っ先に浮かぶのは階層別やテーマ別の研修でしょう。オンライン実施が容易となった現在、実に様々な研修が世の中で行われています。

 研修の対象者が成長し、高いパフォーマンスを上げるようになる、高い価値発揮を行うようになることは大切です。しかし、もっと大切なことがあります。それは、「育成」するという考え方を浸透させ、実際にできる組織にすることです。

 研修の有無にかかわらず、どの組織にもハイパフォーマーはいます。ハイパフォーマーが、自分で成果を上げることも大切ですが、同じくらい成果を上げることをできる人材を育ててくれれば、アウトプットや成果は育てた人数の分だけ増加していきます。

「管理職だから部下を育成する」、「OJT担当だから新人を育成する」、「トレーナーだからトレーニーを育成する」といった役割によるものではなく、誰もが育成を当たり前に行う組織となれば、パフォーマンスやアウトプット、業績の成長スピ―ドは一気に上がっていきます。

 余談ですが、私の前職は、役職、チーム関係なく、個々が持っている知識やノウハウ、お客様への提案でうまくいった事例を個々やチームで自然に教えあう、共有し合う組織でした。
 提案資料の作り方やプレゼンテーションの進め方、コツ、営業トークなど、定期的に定められた勉強会といったものではなく、自然発生的にそこかしこで行われていたことを覚えています。そのような環境で育ったため、私自身は、教える、共有することが当たり前という感覚を持っており、加えて、それがどれほど個人、組織の成長に有用かということも実感として持っています。

 育成というと、「年次が上の人間が下の人間に」という流れが思い浮かぶかもしれませんが、私は、「自身の育成(=成長)」「仲間の育成(=相互育成)」「組織の育成(組織貢献)」という考え方ができると考えています。イメージを確認してみます。

<イメージ>

【自己の育成(=成長)】 
・全従業員が理念、ビジョン、行動指針、価値観、体現する人材像を理解し、行動している
・全従業員が成長したいという思いを持ち、自ら機会を作ることで自己成長を実現している
・全従業員が高い当事者意識を持ち、自主的、主体的に行動している

【仲間の育成(=相互育成)】
・全従業員が育成を喜びとし、知識、スキル、ノウハウの共有や相互育成を行っている
・全従業員が「ロールモデル」であることを意識し、相互の手本となるべく、仕事に対して高い意識や姿勢で行動している
・相手のために言いたいことを率直に言うことができる

【組織の育成(=組織貢献)】
・全従業員が、組織の成長に自分がどう寄与できるかという視座を持ち行動している
・組織の成長のために、失敗の開示を行っている
・組織成長のために、慣習や前例を疑い、見直しを図っている 

 ここまでいくと、理想論じゃないかと思えるかもしれませんが、少なくとも「成長」「相互育成」「組織貢献」という考え方は持つことができますし、程度の差はあれ、その観点で、小さなことであれば実践できるでしょう。

 これらが浸透した組織は、育成文化のある組織と言えます。日常で必要なことが共有され、引き継がれていくために、新たに出現した知識やスキル(AI、DXなど)を学ぶ以外、会社から研修を提供する必要性は低く、現場から必要という声が挙がったものを実施する形で進めることができます。

 そちらの方が、やらされ感もなく、本当に意味ある研修になることでしょう。

 これら育成文化を促進するために、OJT制度やメンター制度、知識ノウハウ共有会、失敗共有会など、様々な取り組みを継続していくこと、その効果を共有していくことが有効です。


3.忘れてはいけない「育成力」のトレーニング



 忘れてはならないのが、「育成力」の原理原則をおさえておくことです。なぜならば、指導育成のし方は引き継がれていくからです。

 組織に所属するメンバーは、上司や先輩の発言のし方や立ち居振る舞いをまねることはもちろん、経験を積んで自分なりのスタイルを形作るまでは、教え方・育て方も上司・先輩のやり方を受け継ぎます。

 それは、何を意味するでしょうか。

 今、指導育成を受けている人は、いずれ指導育成を行う側に回ります。ということは、今、指導育成を行う立場の人が適切な指導育成を行っていれば、将来、適切な指導育成を行う人を育てているという事につながりますが、仮に不適切な指導育成を行っていれば、不適切な指導育成を行う人を育てているということです。

 適切な人材を育成することができれば、その人自身が成果出すことのみならず、後に成果を出せる人材を育ててもらえるという観点で、「成長の連鎖」となり、効果は計り知れないものになると言えるでしょう。

 だからこそ、日常の中で適切な育成ができるように「育成力」を磨く必要があるのです。そして、それはティーチング、コーチング、タイプ別コミュニケーションといった育成のパーツを抜き出したものではなく、全体的な原理原則をおさえる必要があります。
 

4.指導育成の原理原則「状況対応アプロ―チ」



 弊社では、指導育成の原理原則である成長ステージ別育成法「状況対応アプローチ」の研修を行っています。アメリカのケンブランチャードカンパニーが開発したSLⅡ(シチュエーショナル・リーダーシップⅡ)を軸に、私の経験、コンサル先、研修先での実際の事例を元に10年以上ブラッシュアップを続けたコンテンツです。

 SLⅡを軸にしている理由は、私が過去、育成がうまくいかなかった際、「こっちは相手のことを思って、一生懸命やっているのに、なぜうまくいかないんだ」と感じていたいくつかの悩み事例に対して、全て要因を明らかにしてくれたという感動体験があるからです。「これでいいのか?」と指導育成に不安を感じながら取り組む人に自信をもって取り組んでもらいたい、良かれと思ってやっていることが実は逆効果につながっている、といったことを防ぐために、全ての人に知ってもらいたいと考えています。

各社の管理職登用研修として、OJT担当者研修として、例年ご依頼を頂いております。
ご興味があれば、お問い合わせください。 


→ 成長ステージ別育成法研修プログラム例は こちら

→ アニメーション動画で学ぶ成長ステージ別育成法研修動画は こちら
コラム【ヒト】

自ら考え、動く部下を育成するには?まずは〇〇を明確にすることが大事

自ら考え、動く部下を育成する、ということは管理職や組織の重要課題と言えます。



 この課題に対して、どうしますか?と問うと、どうやって解決すればいいのか、何をやればいいのか、どのようにやるのかということが頭に浮かびます。WHAT(アクション)やHOW(手法、方法)が頭に思い浮かんでしまうんですね。

 しかし、その前に、そもそも要因はなんなのかということを明確にしておかなければ、そのアクションや手法が正しいかどうかは分かりません。

 要因にマッチしていなければ、アクションや手法は、全く意味のないムダなことにしかならないからです。



 そこで、「自ら考え動かない要因」を確認してみましょう。

 もしかすると、管理職や組織が問題と考えている「自ら考え動かない」のではなく、「考えられない」もしくは「考えているが、動けない」状態なのかもしれません。


要因1.基準・方針が明確でない

 世の中に基準やルールがあるように、会社や組織には、基準やルールがあります。 

 基準やルールがないと何が起こるか。



 部下が行動を起こせなかったり、人によって対応が異なるということが発生し、社内が混乱したり、お客様に迷惑がかかります。
 そうならないように、クレームに限らず、こういう場合はこう対応するという基準やルールがあり、マニュアルで決められています。


 同様に、方針が決まっていないと、部下は動くことができません。

 研修会社を事例に考えてみます。

 野外での体験型研修が得意な研修会社Aがあるとします。コロナ禍で、顧客の集合型研修に対する意欲が、一気に低くなり、売りであったはずの野外体験研修が、厳しい環境に追い込まれました。

 しかし、研修会社Aの経営陣は、野外での研修だから、密は防げるから大丈夫なんじゃないかと迷っています。結局、明確に方針を定めず、「企業ごとに個別に対応を検討」といった感じで、時間だけが過ぎていきました。


 
 お客様から、営業に対して「研修を考えているんだけど、コロナだから体験型はちょっと・・・」と相談があったします。しかし、個別対応という話しか伝わっていないため、営業は、自分で考えて動くことができず、都度、上の方針を仰ぐという状況になり、お客様を待たせ、その間に競合に負けるということが起きます。

 明確な方針が出ていないので、考えて動くことができないわけです。

 例えば、「オンラインでの体験型を開発」という方針が出ていれば、「今開発中なので待ってください」なり「要望をふまえたコンテンツをつくるので、打ち合わせしましょう」と進めることができます。
 方針は、真逆のものでも構いません。「オンライン研修は一切やらない」という方針であれば、営業は、どのようにオンラインでない研修を提案すればいいか、全力で考えて、動くことができます。


 明確な基準や方針があれば、考えて動くのに、それが無いが故に、考えることも動くこともできない、ということです。

 思い当たる節はありませんか?

 

要因2.統制しすぎ(本人が自由に動く仕事の幅や権限が無さすぎ)

 
マイクロマネジメントを行う管理職や自由に動く裁量や権限がない組織風土が要因です。
 

 
 自分で動きたいと思っていても、提案の内容や資料作成など、ちょっとしたことでも、上司の確認を求められる環境であれば、それは許されません。そんな環境で、「自ら考えて動け」というのは酷というものです。

 思い当たる節はありませんか?


要因3.失敗を厳しくとがめる



 自分で考えて動いた結果、うまくいかなかった、上長や組織の期待通りのアウトプットがだせなかった、失敗した。その結果に対して、厳しくとがめられる、叱られる、評価が下がるといったことが何度も続くと、どれだけメンタルが強い人間でも、動く気を失います。

 思い当たる節はありませんか?

 前向きに取り組んだ結果、チャレンジした結果、自ら考えて動いた結果、うまくいかなかったことについては、その失敗を活かすために、振りかえりは行う必要がありますが、とがめないことが大切です。

  

要因4.指示の出し過ぎ、答えの与えすぎ

 マイクロマネジメントを行う管理職や部下の成長ステージに合わせた指導育成法を知らない管理職のもとで発生する要因です。



 細かい指示がどんどん降ってくるので、その通りにやっていくことに慣れてしまい、自分で考えて動くことができなくなっているということです。
「自ら考える、行動する」機会を、管理職が奪っているということです。

 もちろん、入社したてや仕事に取り組み始めたばかりの知識やスキル、経験がない場合は、具体的に細かく指示を出し教える必要がありますが、一人前になったにも関わらず、指示、答えの出し過ぎを行っていると、それに慣れてしまい、自ら考え行動するということにはなりません。

 思い当たる節はありませんか?


要因5.管理職のコミュニケーションがモチベーションのあがらないコミュニケーションになっている

 伝え方はとても大切です。
 同じメッセージでも、伝え方次第で、行動を促進する場合と反対に行動を阻害する場合があります。


 
 事実は、部下は、「しっかり考えていて、動こうと思っていた」ということであったとしても、管理職の出すメッセージが、部下のモチベーションを下げるメッセージになっている場合、やる気を失わせ、行動を阻害する、ということが発生します。

  思い当たる節はありませんか?




もちろん、部下自身に問題があるケースもあります。
しかし、そうなっている要因が、どこなのかをしっかりと把握した上で、必要なアクションを取りましょう。
 

→ 新入社員や若手社員の育成法を学ぶ「ティーチング研修」は こちら

→ OJT、部下育成の原理原則を学ぶ「成長ステージ別育成法動画(MP4形式、買い切り型)」は こちら
 
→ 要因解決するための研修は こちら

その他お問い合わせは こちら
コラム【ヒト】

社会人基礎力をお題目ではなく、確実に育成に結び付ける方法

育成には、指標が有効です。
育成には、実務スキル、テクニカルスキルのみならず、ヒューマンスキルを成長させることも大切です。



新入社員や若手のヒューマンスキル育成の指標の一つに、社会人基礎力があります。

御社は、活用されていますか?


1.社会人基礎力とは 



「社会人基礎力」とは、経済産業省が2006年に提唱した職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として、大きく3つ、細かく12の能力要素で構成されています。

「前に踏み出す力」

 主体性、働きかけ力、実行力
 
「考え抜く力」

 課題発見力、計画力、創造力
 
「チームで働く力」

 発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力

 弊社が創業した2011年当時は、まだ社会人基礎力自体の認知度が低く、研修依頼を受けることは、ほとんどありませんでしたが、ここ数年、新入社員、2年目や3年目のフォローアップ研修の依頼を受ける際、社会人基礎力にからめた研修コンテンツにして欲しいという相談が、年を追うごとに増えています。

 提唱されて15年が経過し、新入社員の実務スキル以外の成長指標として言語化を考えた際に、丁度いいということで活用する企業が増えてきたのでしょう。

 ただ、活用度は、企業によって様々です。新入社員研修の際に、「社会人基礎力というものがある、それぞれ意識するように」と紹介だけして終わっている企業もあれば、それぞれの要素を自社で要求される具体的行動に落とし込んだ上で、定期的に自己評価とOJT担当、上司評価を実施し、すり合わせまで行っている企業もあります。

 

2.社会人基礎力のWorst5は、企業問わずほぼ同じ



 弊社が2年目、3年目のフォローアップ研修を承る際は、研修に対する動機づけもかねて、事前に自己評価と上司評価を実施します。

 研修冒頭で、個々に自己評価と上司評価、平均評価を見比べ、ギャップが大きい要素をチェック。ギャップが発生している要因を考えた後に、会社の中で、自己評価も上司評価も低い要素(=伸ばす必要がある要素)を引き上げるためのアクションについて、研修を行います。

 その中で、面白いことに、業種職種問わず、企業問わず、例年、ほぼ同じ傾向が見られます。

①上司評価の方が自己評価よりも高い

 意外に思うかもしれませんが、自己評価平均と上司評価平均を見比べた際に、自己評価平均の方が高かったというケースは、過去1回だけでした。研修を実施する側としては、自己評価が高い方が、その後の進め方としてはやりやすい面もあるのですが、開始した2014年以降、続く傾向です。

 自己認知ができてなくて困る、というのは上司側の勝手な思い込みかもしれませんね。


②Worst5に選ばれる要素は業界、職種問わず同じ

 新人や若手の課題として、管理職からよく聞く声は「主体性がない」ですが、実は社会人基礎力の評価平均でWorst5の中に「主体性」が入ってくることは、自己評価ではたまに挙がることもありますが、上司評価平均でWorst5に挙がることは、ほぼありません。

 多少、順番の前後はありますが、Worst5は「働きかけ力」、「課題発見力」、「計画力」、「創造力」、「発信力」の5つです。大項目「考え抜く力」は3つとも入っており、ここが課題と言えます。もっとも、新人、若手に限らず、難易度の高い要素なので、企業問わず同じ傾向ができるのも納得できます。

 これらはヒントを得たり方法を確認することはできますが、そもそも1,2日の研修で身に着くものではないため、いかに現場で磨いていくかということが大切です。

 

3.社会人基礎力をからめた研修の実施ポイント



  研修では社会人基礎力はヒントを得ることはできても習得はできません。従って、研修の目的は、「行動変容につなげるための自覚、気付きの場にする」が、適切でしょう。

 それには、客観的に自身の力を把握することが欠かせません。
 
 そこで、自他ともに巻き込んで行動を伴うワークを実施し、その後、社会人基礎力チェックシートで自己評価と合わせて、研修を受講したメンバーからの他己評価を実施し、確認を行うことが必須と言えます。

 「やってみてできた、できなかった」が無ければ、自覚できないからです。しかも、自分一人だけだと比較対象がないため、適切な評価はしづらいですが、同じワークを行っているメンバーがいれば、比較することで自己評価は適切なものに近づきます。

 その後、各要素を磨いていくためにどうすればいいのか、一度自分達で考えるというステップをふんだ上で、講師からヒントなり手法をもらうという流れで進めることで、ただ聞くよりも、圧倒的に意識が高まります。

 

4.社会人基礎力をメッセージや研修だけで終わらせないために



 言葉で伝える、研修で学ぶだけだと、行動変容や成長にはつながりにくいものです。

 大切なことは、周囲の協力、特に、育成に関わる人が、社会人基礎力の要素を理解し、日常業務の中で、それらを引用しながら指導育成を行うことが大切です。

 そのために、欠かせないことが2点あります。

①定義づけ
 自社における12の要素は、行動レベルに落とし込むとどういうことなのか

②レベル・基準設定
 何がどこまでできたら、一人前とみなされるのか、

上記2点を、育成に関わる人材と新人や若手が共通認識として確認していることが必要です。

 

 お題目や研修だけで終わるのであれば、余計な知識を入れるだけにしかならないので、実施しない方がましです。せっかく導入するのであれば、できることから進めて、ヒューマンスキルの成長・育成指標として有効かしていきましょう。

  

→ 社会人基礎力チェックシート こちら

→ 買い切り型 MP4形式動画とケーススタディ「スタンスビルディングセット」 こちら

→ 社会人基礎力をふまえた研修事例 こちら

→ 社会人基礎力をふまえた研修を自社で行う 

【オンライン実施】社会人基礎力を起点に考える 2,3年目フォローアップ研修企画書

【ガイド付き版】【オンライン実施】2、3年目若手向けフォローアップ研修

【ガイド付き版】フィールドワーク型新入社員フォローアップ研修

その他お問い合わせは こちら
コラム【ヒト】

配属後に、研修で何を教えてんだ!と現場から言われない新入社員研修

 ここ数年、「主体性がない」「話が通じない」「指導したら反抗的な態度に」と新人、若手の育成に苦労する管理職が多いという相談が増え続けています。

 その要因の一つに、新人や若手にビジネススタンスが確立していないことがあります。

「知識・スキルよりも、まずスタンス」 
プロの研修講師が育成にあたり、常に基本としていることです。

受け入れる素地、適切に行動するための素地をつくらなければ、どんなにいい教育も効果がないからです。


1.ビジネススタンスが確立していないことによって起こる悩み・問題



 例えば、仕事に取り組む基本的なスタンスができていないことによって、現場の育成担当は、下記のような悩み、問題にさらされることになり、最も重要な実務に関する指導育成以外のことに時間を割かれ、ストレスもたまります。

・自ら動くことができない、言われたことしかしない
・他責や言い訳が多い
・相談もしてこないので仕事を任せることができない
・指示した通りに動かない。よって結果が出ない
・同じようなことを何度も聞いてくる
・知識、スキル、経験がない中で、自己判断で動いてしまう
・相手の立場に立った行動ができていない
・質問をしても、こたえが返ってこない 

 これらの悩みや問題は、新入社員に「主体性」「素直さ」「疑問を持ち、解決する」「本質まで掘り下げる」といったビジネススタンスが確立していないことが要因です。スタンスを身に着けない限り、どれだけ指摘、叱ったとしても、本質的に理解していないため、なかなか改善してきません。 

 逆にビジネスマインドやビジネススタンスが確立していれば、知識やスキルは自ら学び、実務の中で自然に身に着いていきます。

 したがって、敬語や立ち居振る舞い、電話応対、報連相を学ぶことも大切ですが、新入社員研修の必須コンテンツとして、ビジネススタンスの確立を盛り込むことが欠かせません。



2.スタンスの特徴と浸透のさせ方



 しかし、スタンスは、「主体性が大事だ」、「素直になれ」と言葉で伝えてもピンとこないどころか、人から指摘されると、素直に受け入れづらいという特徴があります。 

 そこで、気付いた時に、そう感じた具体的事例と何故そのスタンスが必要なのかという背景や理由を添えて、都度、指摘やアドバイスを行うことが大切です。

 例えば、主体性については、「できるアクションがあるのに、自ら考えて動かなかった」という現場での事例があった際に、すぐに指摘・アドバイスを行います。時間がたつと、何のことを言われているのか分からないからです。

 
<実施の流れ>

1.状況(事実)確認:自分の認識違い、やむを得ない事情が無かったかなど、事実・経緯確認。頭ごなしに伝えると、受け入れ拒否の度合いが増すだけとなる。

2.育成者の思いを伝える:状況確認の上で、スタンスが至らないことが分かった場合、「こう考えてこう動いて欲しかった」という身に着けて欲しいスタンスと背景や理由を伝える

3.今後について:今後どうするかを一緒に考える


 その際、状況(事実)確認を行うと、実はやろうと思っていたけどできなかった、という回答が返ってくることもあるでしょう。

 その場合は、『言い訳すんじゃないよ』と思うのではなく、ビジネススタンスを落とし込むチャンスと捉えましょう。実際、そうだったかもしれないからです。
 
 そこで、「経験がないことに対する行動は、想像以上に難しい」ということ、「思っているだけではダメで、行動に現わさないと意味がない」ということ、「主体性の有無は、成長の差に直結する」といったようなことを事例を交えながら伝え、今後について、一緒に考えていきましょう。

 スタンスは、スキルではなく価値観や考え方に踏み込むため、面と向かって伝えづらいことですが、新入社員の時に、ビジネススタンスの確立を怠ると、成長しないため、育成に関わる人間の責任として覚悟して伝えていく必要があります。


3.配属前のケーススタディがお勧め




 配属先で育成に関わるOJT担当者や上司の負担を減らすために、内定者や新入社員研修で、ビジネススタンスについて触れておくだけでも、現場でそれを引き合いに出して指導しやすくなります。

 特に、ケーススタディは、自ら考えることで自然に理解ができるという点でお勧めです。OJT担当者や上司から、新人の育成において困ったことや悩んだ事例を集めて、自社版ケーススタディを作り、実施してみましょう。



【自社でビジネススタンスビルディングを実施するために】

 スタンスを、自然に理解するためのケーススタディセットを販売しています。

 集合型、テレワークでのグループワーク、事前学習など、様々な形式で活用頂くために 

 ・買い切り型、MP4形式動画 
 ・ケーススタディワークシート
 ・人事向け解説シート

 の3点セットでです。
 また、何度でも利用できるようにデータでの提供です。

「スタンスビルディング ケーススタディセット」詳細は こちら

コラム【ヒト】

人材育成の成功事例、悩みあれこれ

弊社主催の指導育成研究会で共有された人材育成の取り組みでうまくいったことや困ったこと、悩み、解決案の抜粋をまとめました。




【うまくいった、いっていること】

VISION MTG

「将来どうなりたいか」をグループで面談。事前に準備をしてきもらって当日は共有のみ。想定した以上に、皆しっかりと考えており前向きな時間となって意味があった。

「聞く」ことだけを目的とした面談

「今日は聞くだけの面談だから」といって時間を開放する。原則として自分は一切話をせず、聞くことだけに徹すると相手は想定した以上にたくさん話をしてくれる。中には涙を流す人も。自分が知らないことをたくさん知る機会にもなり、信頼関係が構築される。

一日の良かったこと、うまくいったことを毎日共有

成果が出ない、自信のないメンバーであっても毎日良かったこと、うまくいったことを洗い出して確認することで、わずかでも成長を感じることにつながる。少しずつ表情が明るくなっていった。指導側も「相手ががんばっているんだな」ということに気付く機会となり、相手に対する印象も変わっていく。

ツールの活用

持ち味カードを活用して、自己認知の機会を設けてキャリアプランを考え実行してもらう。
業種や職種、階層に必要なコンピテンシー(パフォーマンスが上がる行動)を全員で洗い出し、具体的行動に落とし込みを実施、チェックシートにして毎月意識して取り組む

仕組みで育成

定期的な社内テスト:理念や規範の解釈等のテストを実施→評価に連動
毎月の課題図書に対するレポート提出→評価に連動
毎月1回、30分、評価シートを元にした定期面談の実施で課題の可視化、自己目標の設定、承認を行う→評価に連動   

新人向けの一般常識勉強会

中途新人向け(入社直後~1年前後)の一般常識勉強会を月2回実施。一般常識テスト+その事象が私たちのビジネスにどう影響するのか等をゲーム感覚で実施。 従来、先輩社員とのMTGだとなかなか若手が発言が出来ない状況だったが、若手中心での勉強会を実施することで、参画意識や積極性は出てきている。

Be(あって欲しい)とDo(具体的指示)を分けて共有

一方的な指導ではなく、考えて行動ができるような人材に育ってもらうために、どうあってほしいのかを伝えるようにしている。 ただし、人によってアプローチを変えた方が良い。 (Beだけだと動けない方もいるため、Beからの具体的指示等)

社内に教育委員会という組織を作ったこと

教育に関心の高い人が自ら手を挙げて、教育委員会の運営を行っている。(4年間継続中) 年間計画から講師コーディネート等も委員会で実施。 教え合う風土が醸成されてきている。育成マインドを持ったプレイングスタッフが育成できてきた。

業績MTGのみ→個別MTG実施

業績MTGだけだと、本音が見えない状況であったため、個別のMTGを月に1回2時間程度実施。業績とは別にこれをやりたい、という目標を定め、その進捗状況の確認やモチベーションの確認等。見えたくない部分も見えてきたが、本音を把握することが出来つつある。

まず考えを受け止め、そう思った理由を聞く

相手の話すことを否定はせず、まず受け止めて、その後に、どうしてそう思ったのか自分で考えてもらうことを徹底させる。 例)2チームある中で、一つのチームは徹底的に指示をさせていたが、自分がみていたチームは、常に考えてもらうことを実施していた。徹底的に指示を行っていたチームは早い段階で成果を出し始め、ずっと成績は負けていたが、一年で逆転し、その後は考えてもらうチームの方がずっと成績が良かった。

考えてもらい、突き合わせ、議論・修正を定例実施

対象:知識・スキル・経験豊富、更に成長させたい、一段ステージをあげたいメンバーもしくはマンネリに陥りモチベーション下がり気味のメンバーに対して。
例えば、チームの運営の仕方や月初や月末のキックオフ・報告会の内容、あるメンバーの育成方法などを考えてきてもらう。(発表が必要な場合は、発表資料まで、きっちりと)その後、自分(育成側)が考えている内容や資料と付け合せを行い、一緒に議論したり、足りないところを指摘・修正・アドバイスを行う。内容がよければ、メンバーの内容を取り入れることもあり。これを繰り返すことによって、チーム運営や育成に興味をもってもらえたり、視点が一段引き上がる。※不足している点を見極め、しっかり指摘やアドバイスをできることが大事。



【育成で困っていること、悩み】

マネジメントをやりたがらない

期待が重すぎるのではないか。
最初は少ない人数からでないと難しい。
管理職になるとどんなことを行うのか、やることが見えないため、不安ばかり大きくなっているのではないか。引き上げる前に、どんな仕事を行うのか同行、同席、一緒に考えるなどイメージ付けを行う。

担当しているメンバーの成長をたすけられているのかわからない

考えすぎ?
成長していないとすれば、指示・指導をし過ぎている、面倒を見過ぎている可能性あり。

「なぜ」というワードは指導育成にはよくない?

「なぜ?」は聞いている側にその意図はなくても、相手からすると責められていると感じることがある。また、知識やスキル、経験が浅いと答えられないことも。回答しやすい質問に切り替える。

キャリアプランがなかなか描けない方の育成

キャリアプラン作成は、そもそも難易度が高いものであり、毎年実施することで精度があがっていくもの。初めての時は、難しく考えすぎずに毎年ブラッシュアップしていくことを前提に、まず作ってみること、作成したプランを一緒に確認していく中でアドバイスを行う。

年上の部下・メンバーに対する対応(特に指摘や叱る必要のある時)

皆がいる前で行うのではなく、個別対応を行う。
立場を変えて考えてもらう。(自分が逆の立場だったらどう感じるか、など)
普段からの関係性が大事。立場・役職は自分が上でも、経験やスキルは豊富なケースが多いので、頼る、相談にのってもらう、アドバイスをもらうようにする。
オンとオフを切り分けて、オンの時は言うべきことはしっかり言う。オフは先輩として接する。頼りにしているからこそ、ということで事前にしっかり話し込んでおくことが大事。

アメとムチの次

従来は、インセンティブ要素を強くしたり、勢いで事業運営を行ってきたが、年齢等から生活の安定性も重要になり固定給で保証をしている。そのような中、アメとムチの次に必要なものを模索中
→モチベーション(内発的動機を高める事)が重要である。 そのためには、個々のメンバーのモチベーションを理解する為、コミュニケーションを図る事が大前提として必要。 また、内発的動機を高めるための目標設定も重要な要素の一つであり、メンバーに目標を立ててもらう事を前提にしつつ、コミットメントライン(絶対的に到達すべきライン)とチャレンジライン(伸長を評価)の2軸で設定するとよいのでは。
内発的動機がなかなか見いだせないメンバーには気づきの場を作るのも一つの方法。360度評価(上司・同僚・部下からの評価)等も方法ではあるが、注意も必要(モチベーションを押し下げるリスクあり)

属人化した指導
 人によって教え方が異なる。誰につくかによって育ち方が異なる。

教える人が、相手の成長ステージに応じて対応を変化させるということをできるようになる。 知らない場合(知識・スキル・経験無し)は、マニュアル等も活用しながら、丁寧に教える。知識・スキル・経験があがってきたら、考えさせる度合を増やしたり、チャレンジしてもらうことを増やす。(失敗することが分かっていても、チャレンジさせることもあり)指導育成に関わる人全員が、その概念を持つ。
T社の取組み :新入社員の成長に応じて、指導員を変えている。    
「教える」から「考えさせる・自分でさせる」に変更するタイミングをどう見極めるのか? 
→ある程度の期間を設定した上で、検定や試験を実施して判断する。



部下後輩の指導育成の原理原則を学ぶ「成長ステージ別育成法研修動画」は こちら

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コラム【ヒト】

定例面談を行う効果とは

メンター制度におけるメンタリング、1on1面談、ミーティングなど、1対1のコミュニケーションが注目されています。

 対象となるメンティや部下、後輩の定量面、定性面の成長につながるだけでなく、実施するメンター、上司、先輩も気付きを得ることができ、傾聴力、受容する力、伝える力、提案する力などスキル向上にもつながるからです。

 弊社もメンター制度運用支援や1on1面談制度を育成文化醸成のコンテンツとして強く推奨していますが、これらは定期的かつ継続して実施することで効果を発揮するものとなります。


 定例で実施することの効果について、実際の事例から確認してみます。
下記は、ある組織での定例面談の結果です。この一枚の中にも、面談の効果が多く表れています。




①メンバーが自分で気付く

 メンバーがリーダーを目指すという中での面談ですが、当初は「リーダーにはどうすればなれるのか」と上司に質問があった状態から、メンバー自身が、「メンバーをフォローすることがリーダーの仕事だと気付いた、リーダーの役割は人から教えてもらうばかりでなく現場で気付くことだと思った」と変化しています。
 定例で振り返ることが分かっているからこそ、自分で一生懸命考え、自分なりの結論にたどり着くことになります。


②意識変化のきっかけのヒントがみつかる

 そもそも対象メンバーが「リーダーを目指そう」となったのは、メンバーの姉が仕事で主任になったことでした。意識の変化は、ふとしたことやささいなことがきっかけになることも多い、ということを認識し、事例を集めることでメンバーを動かすヒント探しにつながります。

 
③メンバーの変化に上司が気付くことができる
 
 対象メンバーの気持ちの変化に気付くことができます。定例面談を継続していくことで、信頼関係が強化され、様々なことを含めた本音のコミュニケーションができるようになるほか、何より、相手のちょっとした変化や違和感に気付くことができるようになります。


④意識の変化で主体性につなげることができる

 上司の学びとして、「相手のこうなりたいという意識の変化をキャッチすることで、相手をその気にさせることができる」とありますが、人は自分で考えたことこそが、最大の動機につながります。それを促すには、定例で確認することが有効です。


⑤意義、効果のあるサポートができる

 定例の振り返り、フィードバックを継続することで、相手が今何を考え、何を必要としているかが分かります。それをおさえた課題の提供やサポートを行うことで、確実に目的、目標に近付けることができ、成長を促すことができます。



以上、実際の事例を元に5つの効果を共有しました。

 多くの気付きや学び、変化、成長が、発生しています。
これらの成果は、継続的な実施により、「相手の変化や意図に気付く感度が高まる」「振り返り・内省・気付きや学びを得る力が高まる」結果と言えます。

 面談は、定例で行うこと、継続することによって得られる効果が高くなっていくのです。

 人材育成は難しい、とよく言われますが、日常業務の中に、育成、成長の種はいくらでも転がっています。これらの取り組みを、全社的に回すことで、育成文化の醸成、育成力の向上は実現します。



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コラム【ヒト】

“優秀な人材”=“自社での活躍人材”ではない

1.一般的に優秀と定義される人材は、御社でも活躍できるか?




 優秀な人材の採用は、どの企業においても最重要ミッションでしょう。

 それを受けて、人事や採用担当者は、優秀な人材の採用に動くわけですが、ここで、注意しておくべきことがあります。

 世間一般に優秀と言われる人材(考え方、姿勢、知識、スキルなど)を採用したとしても、力を発揮しきれず、採用した企業、採用された人材、双方が不幸になってしまうケースがあります。

 それは、自社で活躍できる人材像を設定しておらず、一般的な“優秀な人材”と“自社での活躍人材”を混同してしまっていることに要因があります。

 

2.活躍できるはずの人材が、期待外れとなる瞬間



 一つ事例を紹介しましょう。数年前、とある企業でこんな話を伺ったことがあります。営業手法及び営業に求められる要素についてです。

 自社のホームページでどのページがよく見られているのか、グーグルアナリティクスなどの分析ツールを活用してリサーチしている企業は多いと思います。

 しかし、今や技術の発達に伴いWEBサイトを活用したツールでできることが、格段に進化しており、サイトを訪れた企業及びどのページのどの商品やサービスに注目しているのかを割りだし、明確に興味をもっている商品やサービスに絞り込んで、提案を行うことができるようになっています。

 従って、営業は、自らどんな提案をしようかと考えることなく、興味のある商品やサービスの説明営業を行うという流れになります。

 このような営業活動の中で、「人材像」という視点で考えてみましょう。

 一般的な優秀な営業像は、世の中の動向を敏感に読み取り、情報を集め、お客様と密にコンタクトを取り、ニーズをくみ取って(もしくはニーズにもなっていないシーズを掘り起こして)提案できる人材ではないでしょうか。
 
 しかし、先に述べた仕組みが導入されている企業だと、お客様のサイト訪問による動向から次に行う提案内容が指定され、指定された内容を提案してくるだけです。

 そこに営業の自由度はありませんし、営業の面白みや自分で考えた工夫によって受注に至ったという達成感、やりがいもありません。

 従って、一般的に想起される優秀な人材を採用しても、その人材が自分で考えて動ける人材であればあるほど、日々ストレスがたまるということを意味します。

 結果、モチベーションが上がらず期待されるパフォーマンスを発揮することができません。すると、パフォーマンスを出していないため評価が低くなり、給与は上がらない、仕事の幅を広げることができない、昇進昇格もできないとなり、期待外れのレッテルを貼られて居場所がなくなります。

 悪循環の一途を辿ったあげく、本人を食い止める要素(仕事のやりがい、承認、評価、報酬など)は何もないため、退職に直結します。

 折角、高いコストと時間をかけて採用した優秀な人材が、企業にとっても本人にとってもマイナス要素しかなかったという最悪の結末を迎えることになります。

 当該企業の営業における活躍人材像は、極論を言えば、自ら考えることよりも、決められたことを黙々と地味に地道に行うことに喜びを感じるような人材となるわけです。


3.活躍人材像の設定ポイント



 “優秀な人材”=“自社での活躍人材”ではないということの意味とその影響についてお分かりでしょうか。
  
 わかりやすく、営業の事例を出しましたが、職種問わず同じことが言えます。

 また、仕事の進め方はもちろんですが、会社の文化(攻めなのか守りなのか、新規サービス開発重視か伝統重視か、など)や評価内容(チームプレー重視なのか個人プレー重視なのか、など)など様々な要素が活躍人材の設定には関わってきます。

 時間のかかる取り組みではありますが、先に述べた話からお分かりのように、会社にも採用した人材にも、既存従業員にも、大きな影響を与える要素です。時間をかけてでも、“自社で活躍できる人材”設定を行う価値はあります。

 
4.“自社での活躍人材”設定は、今からの世の中に欠かせない要素 

 ひと昔前の価値観や終身雇用・年功序列という制度の中であれば、とりあえず優秀な人材を採用して育てていく、個人も自分に合う仕事を見つけていくという手法で成り立っていましたが、今や、価値観も制度も含め、「就社」という考え方ではなく、個人は自身の価値をいかに高めていくかということに意識が向いています。

 中小企業の場合、採用した貴重な人材に最速で活躍してもらいたいという思いは特別強いでしょう。
 お互いに無駄だったという残念な結末にしないためにも、自社における活躍人材を明確にしておきましょう。



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