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コラム【ヒト】

【コラム】業績向上につながる人材育成を行うなら、まず「育成力」を高めよう

こんにちは。
きづくネットワーク代表の武田です。

弊社が一番力を入れている研修は教える力や育てる力、すなわち『育成力』の強化やメンター制度の構築、運営支援、すなわち『育成文化の醸成支援』です。

その理由は、経営や業績に与えるインパクトの大きさにあります。


1.人材の成長が経営、業績に貢献する理由



 経営資源として挙げられる要素に「ヒト・モノ・カネ・情報」があります。その中で、モノ・カネ・情報を引っ張ってくるのも活用するのもヒトです。

 つまり、優秀な人材がいれば、モノ・カネ・情報を引っ張ってきて、有効に活用できる反面、人材が育っていなければ、どれだけモノ・カネ・情報があってもムダになりかねません。だから、人材育成は大事とされ、経営課題の1位、2位に挙げる経営者が多いのです。

 また、はたらく個人の自己の成長に対する意識が2019年以降高まっています。例えば、2019年卒学生の「就職先を確定する際に決め手となった項目」で「自らの成長が期待できる」が47.1%と、約半数が回答する結果となりました。(株式会社リクルートキャリア就職みらい研究所調べ)新入社員が「働いていく上で大切にしたいこと』においても、2019年初めて「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」が1位となり、それ以降も「自己の成長」が常に上位に入っています。

 副業解禁、フリーランスとしての働き方、転職が当たり前になった社会環境の中で、これらが意味することは、「今の会社で成長できない」と感じたら、即退職につながるということです。特に、自立していて、高いアウトプットやパフォーマンスを出している優秀な人間こそ、自分の可能性や成長を追い求めて辞めていくでしょう。

 就「社」ではなく就「職」という意識、転職に対する抵抗がほぼ無くなった現在において、この会社で成長できるという意識を持ってもらう必要があり、そのために成長できる環境、機会があるということが重要な要素となっています。


2.「育成」するという考え方を浸透させることの大切さ



 人材育成というワードで、真っ先に浮かぶのは階層別やテーマ別の研修でしょう。オンライン実施が容易となった現在、実に様々な研修が世の中で行われています。

 研修の対象者が成長し、高いパフォーマンスを上げるようになる、高い価値発揮を行うようになることは大切です。しかし、もっと大切なことがあります。それは、「育成」するという考え方を浸透させ、実際にできる組織にすることです。

 研修の有無にかかわらず、どの組織にもハイパフォーマーはいます。ハイパフォーマーが、自分で成果を上げることも大切ですが、同じくらい成果を上げることをできる人材を育ててくれれば、アウトプットや成果は育てた人数の分だけ増加していきます。

「管理職だから部下を育成する」、「OJT担当だから新人を育成する」、「トレーナーだからトレーニーを育成する」といった役割によるものではなく、誰もが育成を当たり前に行う組織となれば、パフォーマンスやアウトプット、業績の成長スピ―ドは一気に上がっていきます。

 余談ですが、私の前職は、役職、チーム関係なく、個々が持っている知識やノウハウ、お客様への提案でうまくいった事例を個々やチームで自然に教えあう、共有し合う組織でした。
 提案資料の作り方やプレゼンテーションの進め方、コツ、営業トークなど、定期的に定められた勉強会といったものではなく、自然発生的にそこかしこで行われていたことを覚えています。そのような環境で育ったため、私自身は、教える、共有することが当たり前という感覚を持っており、加えて、それがどれほど個人、組織の成長に有用かということも実感として持っています。

 育成というと、「年次が上の人間が下の人間に」という流れが思い浮かぶかもしれませんが、私は、「自身の育成(=成長)」「仲間の育成(=相互育成)」「組織の育成(組織貢献)」という考え方ができると考えています。イメージを確認してみます。

<イメージ>

【自己の育成(=成長)】 
・全従業員が理念、ビジョン、行動指針、価値観、体現する人材像を理解し、行動している
・全従業員が成長したいという思いを持ち、自ら機会を作ることで自己成長を実現している
・全従業員が高い当事者意識を持ち、自主的、主体的に行動している

【仲間の育成(=相互育成)】
・全従業員が育成を喜びとし、知識、スキル、ノウハウの共有や相互育成を行っている
・全従業員が「ロールモデル」であることを意識し、相互の手本となるべく、仕事に対して高い意識や姿勢で行動している
・相手のために言いたいことを率直に言うことができる

【組織の育成(=組織貢献)】
・全従業員が、組織の成長に自分がどう寄与できるかという視座を持ち行動している
・組織の成長のために、失敗の開示を行っている
・組織成長のために、慣習や前例を疑い、見直しを図っている 

 ここまでいくと、理想論じゃないかと思えるかもしれませんが、少なくとも「成長」「相互育成」「組織貢献」という考え方は持つことができますし、程度の差はあれ、その観点で、小さなことであれば実践できるでしょう。

 これらが浸透した組織は、育成文化のある組織と言えます。日常で必要なことが共有され、引き継がれていくために、新たに出現した知識やスキル(AI、DXなど)を学ぶ以外、会社から研修を提供する必要性は低く、現場から必要という声が挙がったものを実施する形で進めることができます。

 そちらの方が、やらされ感もなく、本当に意味ある研修になることでしょう。

 これら育成文化を促進するために、OJT制度やメンター制度、知識ノウハウ共有会、失敗共有会など、様々な取り組みを継続していくこと、その効果を共有していくことが有効です。


3.忘れてはいけない「育成力」のトレーニング



 忘れてはならないのが、「育成力」の原理原則をおさえておくことです。なぜならば、指導育成のし方は引き継がれていくからです。

 組織に所属するメンバーは、上司や先輩の発言のし方や立ち居振る舞いをまねることはもちろん、経験を積んで自分なりのスタイルを形作るまでは、教え方・育て方も上司・先輩のやり方を受け継ぎます。

 それは、何を意味するでしょうか。

 今、指導育成を受けている人は、いずれ指導育成を行う側に回ります。ということは、今、指導育成を行う立場の人が適切な指導育成を行っていれば、将来、適切な指導育成を行う人を育てているという事につながりますが、仮に不適切な指導育成を行っていれば、不適切な指導育成を行う人を育てているということです。

 適切な人材を育成することができれば、その人自身が成果出すことのみならず、後に成果を出せる人材を育ててもらえるという観点で、「成長の連鎖」となり、効果は計り知れないものになると言えるでしょう。

 だからこそ、日常の中で適切な育成ができるように「育成力」を磨く必要があるのです。そして、それはティーチング、コーチング、タイプ別コミュニケーションといった育成のパーツを抜き出したものではなく、全体的な原理原則をおさえる必要があります。
 

4.指導育成の原理原則「状況対応アプロ―チ」



 弊社では、指導育成の原理原則である成長ステージ別育成法「状況対応アプローチ」の研修を行っています。アメリカのケンブランチャードカンパニーが開発したSLⅡ(シチュエーショナル・リーダーシップⅡ)を軸に、私の経験、コンサル先、研修先での実際の事例を元に10年以上ブラッシュアップを続けたコンテンツです。

 SLⅡを軸にしている理由は、私が過去、育成がうまくいかなかった際、「こっちは相手のことを思って、一生懸命やっているのに、なぜうまくいかないんだ」と感じていたいくつかの悩み事例に対して、全て要因を明らかにしてくれたという感動体験があるからです。「これでいいのか?」と指導育成に不安を感じながら取り組む人に自信をもって取り組んでもらいたい、良かれと思ってやっていることが実は逆効果につながっている、といったことを防ぐために、全ての人に知ってもらいたいと考えています。

各社の管理職登用研修として、OJT担当者研修として、例年ご依頼を頂いております。
ご興味があれば、お問い合わせください。 


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