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コラム【教育体系構築】

研修会社の選び方 #4 迷った時のディシジョンマトリクス

研修会社を選ぶ判断材料の一つとして、迷った時に有効なディシジョンマトリクスについて確認していきましょう。

 明確に機能やできることが決まっている設備や器具、サービスと異なり、研修会社の選定は検討項目が多くあること、更に、各検討項目も抽象度が高いところから、意思決定がしづらいという特長があります。



 検討項目をざっと確認すると、どんなプログラム、カリキュラムなのか、どんな講師が登壇するのか、依頼した場合の総費用はいくらかかるのか、当該研修を実施することで、どのような結果、アウトプットが出てくるのか、実施後の対応、フォローアップはどうなのか、といったことが挙げられます。

 各企業ごとに特長が出てくるので、各項目も判断がしづらく、複数名が決断に関わる場合は、なかなか結論が出ない、全員が納得しづらいという事態がおきます。


 そこで、納得度を高めるために、ディシジョンマトリクスを活用します。

 ディシジョンマトリクスとは、意思決定要因に対して選択肢毎に点数をつけ、各意思決定要因の重要度に合わせて点数に重みをかけることで、判断を数値化し、決定につなげる手法です。



 数値であらわされるため、迷うことなく客観的に判断が可能になります。なんとなく、でもなく、好みや感情でもないため、周囲の納得感も高まります。

 試しに、確認してみましょう。

 まず、意思決定要因を明確にします。



 その上で、選択肢毎に意思決定要因に対する評価を行い、点数をつけます。
 点数は、1~3、1~5、1~10など設定は自由です。選択肢毎の評価にあまり差がない場合は、点数の幅を広げた方がいいでしょう。

 ここでは、選択肢となる研修会社を3社、A大手、B中堅、C小企業と設定し、それぞれを比較しながら点数をつけます。
例えば、料金はCの小企業が一番安いので、3点、大手が一番高いのでA大手は1点、プログラム内容はB中堅が最も良かったので、Bが3点、といったようなイメージです。

 重要度を設定しない場合、素点の結果だと大手企業が最もいいという結果になりました。



 
 ここに、自社が考える選定における重要度を検討し、合計が100%になるように重みをつけます。
 例えば、最も重要なのはプログラムで、次が料金と講師、その他はさほど重要ではないという感じです。

 すると、今度は中堅企業が最もいいという結果になりました。



 重要度を変えてみましょう。
 今年度は予算がないので、最も重要なのは料金で、次にプログラムといった感じです。

 すると、今度は小企業がいいという結果になりました。




 
 素点は変わりませんが、自社が重要視する重みによって、どの企業を選択するべきかが決まるということです。

 もちろん、ディシジョンマトリクスのみで決定しなければならない、ということはありませんし、他の要因も関わってくるでしょうが、判断に迷った時や、経営者を納得させる必要がある場合には、有効です。



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研修会社の選び方 #3 登壇動画確認時のチェックポイント

研修会社を選ぶ判断材料の一つとして、登壇動画を確認する際のチェックポイントについて確認していきましょう。

 研修会社決定に際して、どんな講師なのか事前に確認したいというニーズは多くあります。公開講座に参加できる場合は分かりやすいですが、参加できない場合、登壇動画を共有してもらうことがあるでしょう。

 その際、どんなところを意識して確認すればいいでしょうか。
 

1.話し方にしばられ過ぎない、引きずられない



 どんな話し方をする講師なのか、立ち居振る舞いや表情、声の出し方、講師らしいかといった存在感が気になるところでしょう。しかし、話し方に引きずられ過ぎないようにする必要があります。

 大事なことは、受講するのは人事でなくて、受講対象者であるということ、そして目的はミュージカルやコンサートではなく研修であるということです。

 人間なので、好みや相性の問題で、話し方や立ち居振る舞いを見て、ちょっと違うなと感じることもあると思いますが、それで判断してしまうと、本当はすごくいい研修を行える講師なのに、選考から排除してしまうリスクがあります。公平に判断するために、3人以上で動画を確認して判断することがお勧めです。

 また、何もみずにスラスラ話す講師もいれば、都度資料やメモを見ながら話す講師もいます。この場合、どちらがいい講師なのかは一概に言えません。
 資料やメモを見ながら話すのはどうなんだろうと思うかもしれませんが、伝えたい内容をもらさないようにメモをしていて、都度確認をしながら伝えているケースもあるからです。反対に、スラスラ話しているからといって、中身のある話を行っている、いい研修ができるとは限りません。

 ただ、資料を読んでいるだけというのは論外ですが、都度資料を見ているから、頭に入っていないとか慣れていないと決めつけて判断するのは避けましょう。


2.登壇動画のチェックポイント3点



 登壇動画でチェックするポイントを確認しましょう。

 まず、スピードが速すぎないか、ということです。

 口調としての話すスピードはもちろん、ワーク時間、考える時間から次のステップへ移るまでの時間も含みます。聞き取れなかった、ワークや考える時間が短すぎて消化不良、いまいち理解できていないとなると、そのことが気になって次の内容が頭に入ってこなくなります。

 次に、遣う言葉です。

 専門用語や略語を多様していないか、について確認しましょう。仮にあったとしても、その後、言葉の説明や補足を入れていれば問題ありませんが、説明、補足無しに、共通言語でない言葉を多用する講師は避けた方がいいでしょう。言葉自体が分からないと、そのことが気になって、次の内容が入ってこなくなります。人によっては、スマホで調べたりもします。調べているうちに、次の内容も分からなくなり、そのうち研修自体に興味を失います。

 最後に、内容についてのチェックポイントです。

 確認用の動画なので、5分~10分程度の短いものになると思いますが、共有用として提供している以上、数ある中でもイメージがわきやすいものとなっているはずです。その内容に「なるほど」「わかりやすい」と思えることが含まれているかどうかを確認しておきましょう。



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研修会社の選び方 #2 研修料金はどうやって決まる?

研修会社を選ぶ判断材料の一つ、研修料金について確認していきましょう。


1.条件が同じでも、研修会社によって料金は異なる



 研修料金について見積りを取った際に戸惑ったことはないでしょうか。

 同じ目的、同じ対象者、人数と条件が同じでも、1日10万円という研修会社もあれば、1日100万円を超える研修会社もあります。これだと、判断しようがないですよね。

 会社の規模によるかというと、一概にそうではありません。企画料と講師登壇料が別々になっている企業もあれば、全て含むという企業もあります。研修中のアウトプットをまとめて提出してくれる企業もあれば、それは自社でやってください、対応には別途費用がかかります、という企業もあります。


2.研修料金の内訳



 提示された料金に何が含まれるのかを理解しておくことで、確認できるようになります。確認して、費用の根拠が明確であれば、予算に合わせて発注ができます。

 大菊分けると、プログラム・コンテンツにかかる費用、講師に関わる費用、各種資料にかかる費用の3種類となります。

①プログラム・コンテンツにかかる費用
 依頼された内容に対する企画料やプログラムをカスタマイズする場合の費用

②講師にかかわる費用
 登壇料、人数やワークの関係でアシスタントが必要になる場合はアシスタントの人件費、講師の移動交通費・宿泊費

③各種資料にかかる費用
 テキスト・ワークシート費用、研修カードなどを利用する場合はその料金やアセスメントや事前テストなどを実施する場合は、その費用、研修中のアウトプットをまとめた資料、報告資料、アンケート結果など


 更に、社内で準備する必要があるものもあります。

 集合研修の場合は、会場費用、プロジェクターやホワイトボードなどのファシリティ、付箋やペン、模造紙などワークに使う文房具、ツール関連。それから、研修会社によっては、テキストやワークシートは、データ渡しで実施企業にて印刷というケースもありますので、その場合は印刷が必要です。

 研修会社によって、費用が大きく異なる項目はコンテンツ料金と講師費用ですが、コンテンツについては、カスタマイズの度合いによって金額が高くなります。自社に向けてカスタマイズしてもらうことは大切ですが、予算に合わせてどこまでお願いするのかを判断するのも一つです。

また、大手企業をターゲットにした研修会社なのか中小企業をターゲットにした研修会社なのかによっても費用は変わってきます。

 企業規模の大小で質が決まらないのが研修業界なので、検討するときは、大手、中堅、小規模(フリーランス含む)企業に見積りを取ることがお勧めです。



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研修会社の選び方 #1 会社規模での違い

研修会社を選ぶ際に迷うことは多いと思います。
判断材料の一つになるであろう、会社規模の違いについてどう考えるべきかについてお伝えします。

1.規模が大きな会社がいいとは限らない



 研修業界は特殊な業界で、規模が大きい方がいい研修ができるとは限りません。研修の良し悪しを決めるのは、コンテンツと講師が大きなポイントになりますが、その二つとも、所属が明確ではないからです。

 まず、講師は3つに分類されます。

①研修会社の従業員として雇用されている社員講師
②雇用関係はないが、固定の研修会社でしか実施しない専属講師
③自分自身でも研修を開催しつつ、依頼があれば依頼された研修会社の講師として登壇する登録講師

の3つです。

 コンテンツについても、3つに分類されます。

①研修会社が開発して講師に実施してもらうパターン
②研修会社の営業と講師が一緒に考えるパターン
③目的や対象のみ研修会社が確認して、後はコンテンツ開発自体も講師に任せるパターン

があります。

 したがって、実態が分からないため、大手や中堅の研修会社だから講師がいい、コンテンツがいいということは言えず、登録講師に多い一人会社やフリーランス講師だからダメという規模のみでの判断は控えた方がいいということです。


2.規模別の強みと弱み



 それぞれの強み、弱みを確認しましょう。

 大手や中堅会社の強みは、安心感です。集合研修はもちろんオンライン研修やハイブリッド研修など、ノウハウが確立しているため、運営面から全て任せられるという安心があります。また組織で動いているため、担当者が休みでも対応を進められるというメリットもあります。

 弱みとしては料金面や対応面で柔軟な対応が難しいというところがあります。また、営業担当と講師が別々に動いているため、営業担当の経験が浅いと要望がうまく伝わらなかったり、講師から確認依頼が何度も入ることで、ムダなやり取りが何度も発生します。あまり無いでしょうが、講師も一緒に話を聞いてくれる会社があって、予算的に合うのであれば、それが理想です。

 一人会社やフリーランスの強みは、講師自身がヒアリングを行うことにあります。自分でやるにしろ、定型講師に依頼するにしろ、研修のポイントやどういうコンテンツを組めばいい研修になるかを熟知しているので、無駄なやり取りが発生することなく、要望に沿った研修になる可能性が高いです。

 弱みとしては、オンライン研修やハイブリッド研修に慣れていない講師の場合、対応が制限される可能性があります。また、一人で動いているため、体調面だとか突発的に何かあった際に対応ができないリスクがあります。とはいえ、長年の経験でそれを自覚している講師が大半なので、体調不良で登壇できなかったというケースはほぼ聞きませんが、リスクとしてゼロではありません。


3.研修会社の判断ポイント



 これらをふまえて、研修会社をどうやって判断するか?

 一番重要なのは、予算です。意外と思われるかもしれませんが、大手・中堅の研修会社と中小、一人会社、フリーランス講師の間には料金に大きな開きがあります。外部講師や登録講師を活用する場合には、講師や開発費用に加えて研修会社のマージンが上乗せされるからです。

 打ち合わせを重ねて、折角、いいコンテンツを作ったものの、最終的に予算が合わず稟議がおりなかったとなると、依頼する側もされる側もお互いに大きな工数、時間のロスになります。コンテンツありきで予算はいくらかかっても構わないという企業でない限り、まずは想定費用を確認して、予算内で収まる会社の中でベストな会社を探しましょう。

 次に重要なのは、もちろんコンテンツです。目的や研修効果、アウトプットなど要望に沿った研修を実施してくれるかどうかがポイントです。
 よく、提案されたコンテンツ自体の実施実績を確認されますが、実施実績(時間)はコンテンツの質とは関係ありません。実績があっても効果が高いとは限りませんし、どんなにいいコンテンツも、初めて実施する場合は、実績ゼロだからです。ましてや、カスタマイズを依頼するのであれば、当然ながら実績はゼロになります。
 
 実績について確認するポイントは、登壇講師の経験についてです。同じコンテンツでも、講師によって効果は変わりますし、何かあった時の対処も経験によって変わってくるからです。したがって、講師の登壇実績(総登壇時間数、一回の最大人数、少人数でのセッション形式の経験など)に関する確認を、自社の目的や実施内容のイメージに沿って行っておきましょう。



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教育体系をスタートした後に欠かせない「社内広報」の定例実施

教育体系をスタートさせた後に、大切なことはなんでしょうか。

 ほとんど意識されることはありませんが、無事、教育体系をスタートした後、様々な取り組みの成功に欠かせないのが、社内広報です。

 広報する内容は、教育に関する取り組みの進捗状況や成果についてです。しかも、単発ではなく、一度や二度でもなく、定期的に実施することが必要です。


1.定期的な社内広報が必要な理由



 なぜ、定期的な社内広報が必要なのでしょうか。人間には成功体験が必要だからです。

 号令をかけることで、最初の一歩を踏み出し、取り組みを始めたとしても、先がみえない、効果が見えない、前に進んでいるのかどうか分からない、では継続できません。ほんのわずかでもいいので、前に進んでいるという証が必要なのです。

 例えば、生産性が低い、非効率な仕事の仕方をしている、モチベーションが低いメンバーがいたとして、タイムマネジメント研修や1on1面談の実施を行うことで、それらが改善されたという結果を、皆に共有します。

 例えば、チームとして機能しておらず生産性が低い、というチームがチームビルディング研修や小集団活動を行うことで、改善したという結果を、皆に共有します。

 例えば、ナレッジマネジメント研修を行ったことで、営業部の業績と生産性が右肩上がりになったという結果を皆に共有します。

 上記のような成果につながった結果や実績を共有することで、結果につなげた個人や組織は、承認欲求にもつながり更に頑張ろうと思えます。まだ、結果につながっていない個人や組織も、他者の成功体験を確認することで、ちゃんと取り組めば結果につながるんだと認識し、取り組みを継続します。


2.広報の仕方



 広報の仕方に、しばりはありません。社内SNS、メール共有、個別共有、朝礼といったすぐにできることから、取材を行った上で社内報にのせる、全従業員が集まる機会での事例紹介や表彰でもいいでしょう。

 取り組みの効果を最大化するために、様々な手段を使って、社内広報を定期的に実施していきましょう。



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教育体系構築を始める前に、経営者に必ず取っておく3つの合意

人数が増えてきた、業績が安定したきたので、次なる成長に向けて教育体系の構築を行うというステージがあります。せっかく構築する教育体系を失敗させないために、経営者に予め取っておく合意があります。


1.教育体系構築を始める前に必要なこと



 教育体系を始める前に、経営者に必ず取っておく3つの合意について確認しておきましょう。

 確認する3つを経営者が認識していなければ教育体系構築の行動は実りません。むしろ、時間とお金がムダになるから、やらない方がいいかもしれません。

 では、なぜ実らないのか?現場を制御できないからです。

 成長機会が与えられるのは、従業員にとってとてもいいことですが、何の取り組みを行うにせよ「新たな何かが増える」ということが確実です。

 人間には、現状維持バイアスと呼ばれる、未知のもの、新たなものは避けたいという心理的バイアスがあります。
また、業績やミッションをあずかる現場管理職からすると、新たに始める教育の取り組みによって業務時間が減り、業績やパフォーマンスが下がるのを避けたいという心理も働きます。

 更に、教育体系構築のアウトプット、つまり、従業員の成長は効果測定がしづらいという特長があります。

 これらの課題を克服するために、経営者と3つのことについて、合意をしておく必要があります。


2.経営者との合意 ①



 経営者と合意を取っておくことの一つ目は、メッセージを出してもらうことです。

 人事よりも現場が強い企業が圧倒的に多いでしょう。何か取り組みを行う際に、現場の協力を得られず形骸化したというケースはたくさんあります。それを防ぐために、全従業員に対して、本気で育成に取り組むというメッセージを出してもらう必要があります。

 メッセージ、始める前はもちろん、節目節目で出してもらうことが必要です。

 どんなメッセージが必要でしょうか。本気で取り組むということが伝われば、多くを語る必要はありません。概要をシンプルにまとめると、「メンバーの成長が先々の会社成長につながる。ついては、来年度より、本気で人材育成に取り組んでいく。今後、人事から色んな協力要請が出てくるだろう。業務と並行しての実施で、大変なことも多いと思うが、全面的に協力して欲しい」といった内容を外さなければ大丈夫です。


3.経営者との合意 ②



 経営者と合意を取っておくことの二つ目は、使うべきところには、お金を使うということを了承してもらうことです。

 スポーツと同じです。ゴルフやテニスを始め、スポーツは我流で始めると、癖がついて後で修正がきかなくなります。本気でやるなら、最初から自分に合った道具をそろえ、プロに教わることが必要です。
 教育体系を作るなら、外部企業を使った方がいいところは使うということを確認しておきます。もちろん、自社でできる取り組みの方が多いので、見極めが必要ですが、本当に使うべきところにはお金を使った方が、より早くより確実に立ち上がります。


4.経営者との合意 ③



 経営者と合意を取っておくことの三つ目は、Doから始めるPDCAを3年回すので、最低でも3年は見た上で判断することへの合意です。

 Doから始めるというのは、一年回して初めて分かることが多々あるので、2年目からが本当のスタートと言えます。つまり、初回から完璧なものをと考えていると、分からない中で身動きがとれません。それよりも、まず動いてみて、振り返り、よりいいものに創り変えていくということで、まずスタートします、ということ。

 3年は見た上で、というのは、人の成長には時間がかかるということ。様々な取り組みが一年で目に見える結果につながることはまれです。しかし、どの経営者も、結果を早く求めるものです。一年の結果で判断をされてしまうと、ほとんどの取り組みがアウトプット、成果が見えずとなります。成果が見えなかったから中止、となると、まさに一年間の時間とお金がムダになっただけで終わります。
 業務で行う以上、一年で成果を出すという覚悟で取り組むものの、最終評価は3年後という合意を取っておきましょう。


 以上、3つの点について確認してきました。
 新しい物事を運用にのせ、定着させるためには、トップが本気であることが何より大切です。時間とコストをかけて構築する教育体系を成功させるためにも、合意を取り付けておきましょう。



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OJTの成否は、制度でもなく、研修でもなく、そもそも〇〇が有るかどうか。

 新卒採用、中途採用、パートアルバイト採用にいずれにしろ、新たに採用された人材で、担当業務をこなす知識・スキルがない場合には、OJTが有効です。


 OJTを成功させるために、一般的にOJT制度構築やOJT担当者向け研修が行われますが、成功するかどうかに影響するのは、制度や研修ではなく、その前段階である「職務における業務タスクと業務フロー」そして、「教え方」が明確になっているかにかかっています。


1.OJTの段階で求められる育成スキルは「教える」



 人材育成には、成長ステージに応じて様々なコミュニケーションが必要です。

 成長に寄与するコミュニケーションと言えば、「教える」「元気づける、勇気づける」「考えさせる」「引き出す」「任せる」といったことが挙げられますが、成長ステージが異なれば、良かれと思って行うコミュニケーションが逆効果につながることもあります。

 これらの中で、OJTで求められる中心スキルは、相手は知識・スキルがないという状況なので、「考える、引き出す、任せる」ではなく、「教える」が適切ということになります。


2.制度、研修のみでは、OJTは成功しない



 OJT担当者を決め、部門としての方法や運用を決めて、OJT計画シートに落とし込む、育成に対する考え方やスタンス、コミュニケーションスキルのトレーニングを行うことも大切です。

 しかし、OJT計画シートでは、「一人で営業ができるようになる」、「一人で広告対応ができるようになる」、「〇〇スキルを身に着けている、資格の取得」といった「ジョブ」「結果」単位での記載が中心になります。

 そのジョブや結果に到達するための、業務タスクや業務フロー及びそれらを身に着けさせるためにどういう指導が適切なのかが明確になっていなければ、育成として関わる内容も曖昧な結果論となり、結局OJTを受ける本人に任せるということにしかなりません。

 例えば、「一人で営業ができるようになる」というジョブを業務タスク、フローに分解してみましょう。

「自社のことを説明できる」「商品サービスを説明できる」「リストアップ」「電話アプローチ」「アポイント獲得」「アポ先企業リサーチ」「訪問(提案)準備」「訪問(提案)、次回訪問(提案)のための宿題獲得」「訪問(提案)後のフォローアップ」「次回までの準備」「先輩や上司への協力依頼」・・・「クロージング」

など、細かく分解されます。

 これらの業務タスク、業務フローを一人前にできるようになるために、「何を教える」「どのように教える」「どういうスケジュールで教える」という教え方を明確にしておく必要があります。

 つまり、制度や研修の前に、業務タスク、フロー及び教え方をまとめた『育成の型』を作っておくことが大切になります。


<育成の型イメージ>




3.「育成の型」のメリット



「育成の型」があることは、OJT制度の確立を実施していなくても、研修を実施していなくても、採用者にとっても受け入れ側にとっても有効です。

 例えば、下記のようなメリットがあります。

・入社/異動直後の「何をすればいいか分からない、することがない」と停滞する時間を排除
・「とりあえずこれやっといて」という思いつき、いきあたりばったりの非効率な育成を排除
・体系だった教える内容、手法、スケジュールで育成することで新人・中途社員の最速最短成長


 更に、組織においてよくある下記のような課題を根本から解決することができます。

・採用した後に短期間で辞める人が多い、一人前に成長するのが遅い
・その人しか知らない、できないという仕事が多くあり、対応に困る
・同じ仕事を行っているのに人によってパフォーマンスの差が激しい
・異動で担当者が変わったらパフォーマンスが落ちたまま回復しない


御社には、制度、研修の前段階、組織課題の根本解決につながる「育成の型」はありますか?



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流行りや名前で決めてはダメ!個別支援制度実施前に押さえる3つのポイント

コロナ禍でコミュニケーションが取りづらい環境にあって、メンバーのモチベーション維持や成長支援、実務推進のために個別支援制度の導入を検討される企業が増えています。



個別支援制度として広く認知されているものとしては、OJTを始め、メンター制度や1on1面談制度、キャリアデザイン制度があります。

当然ながら、運用の仕方や特長が異なるため、名前とイメージのみで決定して始めると、実態とあっていないがために形骸化したり効果が出ず立ち消えといった結末になります。

最低限押さえておきたいことは

①「目的」と「期待する効果」に合わせて取り組む制度を決定する
② 形骸化を防ぎ、効果を最大化するために活用ツールやシートを用意する
③ 最低でも3年間継続実施を決めた上でPDCAを回しながらブラッシュアップしていく

の3点です。
 

まずは、それぞれの制度の理解及びどんなツールが必要なのかを確認することから始めましょう。

→ 各制度の目的や特徴を1枚にまとめたPDF資料「4つの個別支援制度



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自社に合わせた失敗しないメンター制度

1.メンター制度が注目されてきた背景

メンター制度を導入する組織が増えてきた背景として、社会環境の変化があります。

 以前は、組織の中で自然に成長していく環境がありました。しかし、世の中の変化スピードの速さ、人材が不足する中での生産性・効率・業績追及によるプレイングマネジャーの増加といった状況から、部下や後輩にじっくり目配りをして育成をする、という環境ではなくなってきました。




 また、仕事で使う機器の発達や環境の変化に目を向けると、個人の仕事が外からは分かりづらくなったということも一因としてあります。(携帯、メールでのやり取りなどによるブラックボックス化)ひと昔前のように、先輩社員が電話で話している内容を聞いて真似をする、覚える、といったことや文章の書き方を真似をする、といったことがしづらくなっており、見て盗む、仕事ぶりを見て自然に学ぶ、ということも難しくなっています。

 更には、ハラスメントという言葉の定着により上司、先輩が部下、後輩に対するコミュニケーションに対して不安を抱いていること、自ら積極的にコミュニケーションを図る若い世代がいないこと、更には、女性活躍推進やワークライフバランスといった国策の関係で、今まで育成対象となってこなかった人材に光をあて、成長してもらう、といった様々な状況が相まって、注目されてきたのがメンター制度です。

 意図的に「支援」「育成」という関係性をつくることで、個人、組織の成長につなげようという機運が高まっていると言えます。



2.メンターとは




■メンターとは:

 仕事や生活、人生において個人の“手本”となり、 指導・支援を行う人のことをいいます。知識やスキル、経験の豊かな人(メンター)が、まだ未熟な人(メンティ)に対して、目標達成や成果向上、成長のために仕事のやり方や人間関係の築き方、課題解決、意欲促進、モチベーション向上など様々な場面で、キャリア形成や心理・社会的な側面など総合的な支援を継続的に行います。
 単なる話を聴く相談役ではなく、業務・実務ではないもっと大きなところでの目指す姿を明確にし、サポートを行うことでメンティに自律性や自信を持たせ、メンティ自身が前向きに仕事生活、社会生活を送る支援を行う役割を担います。


■メンターの語源:

 ギリシア神話の登場人物『メントール』の名前に由来します。オデュッセウス王がトロイア戦争に出陣する際、自分の息子テレマコスの育成をメントール(Mentor)という人物に託しました。 託されたメントールは帝王学や学問のみならず、人としての成長も含め全人格的な育成・指導を行いテレマコスを王の期待以上に大きく成長させたことから、全方位的に指導支援を行う人のことをメンターと呼ぶことになりました。



3.メンター制度とは



■企業制度としてのメンター制度:

 企業や組織が制度として導入する場合は、離職防止、モチベーション向上、女性活躍推進、新規事業促進、管理職登用トレーニングなど様々な目的で実施されています。
 また、「斜めの関係」と言われ、同じ社内であっても異なる部門の上司や先輩が設定されるのが通常です。それは、評価や日常の仕事に直接的な影響がない分、本音で相談しやすくメンター側も固定概念やバイアスを持たず客観的かつ適切なアドバイス、支援が可能となるためです。


■メンター制度の期待効果:

【組織】  
 メンター、メンティがともに成長すること、社内のコミュニケーションが活発になり現状把握が常に行われるため組織が活性化されます。  

→職場定着率の向上、職場の満足度向上、知識・ノウハウの継承、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、組織風土の改善、社員の能力向上、逸材発掘 

【メンティ】
 働く上でのビジョン明確化、無用な躊躇や不安の払拭、成長スピードアップ、仕事に対するモチベーション向上

→知識・ノウハウの吸収速度向上 、自立・自律、対人能力向上、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、問題解決・能力向上、職場満足度向上、キャリアプラン、将来のビジョンの明確化

【メンター】
 メンティを支援することで、自分自身の仕事や生き方の振り返り、対人コミュニケーションへの気付きや学び、更なる成長

→対人能力向上、指導・育成能力向上、社内コミュニケーション・ネットワークの活発化、知識・ノウハウの洗い出し、責任感の向上


■メンター制度の「表面的な」マイナス面:

・直属の先輩や上司との関係性
→斜めの関係で実施した場合に、第三者が関わることで直属の先輩や上司が得てない情報があることから、事前にメンター制度に対する社内周知、理解浸透を行っていなければ、組織内の関係性がギクシャクする可能性があります。
  
・メンター、メンティの工数増加
→時間的な拘束、レポートや振り返りの時間など時間的な工数が発生します。

・メンター、メンティのストレス増加の可能性
→メンター、メンティのマッチングを行っただけで、目的や運用方法の設定、ツール活用などを行わず、ペアの二人に自由に任せていると、メンタリング実施の意味や効果を感じられず、実施自体が双方のストレスになることがあります。

※表面的なマイナス面と記載してあるのは、きちんとした導入・運用を行っていないために発生するものです。経営が制度にコミットメントし、導入時にしっかりと準備・説明を行うこと、運用をサポートすることで、上記のマイナス面はカバーできます。



4. メンター制度がうまくいかない場合ってどんな時?



 メンター制度を導入したものの、うまく機能させることができず、形骸化して一年で終了というケースが多々あります。

 メンター制度は、メンターとメンティを組み合わせて面談を行う機会を提供するというシンプルな形なので、とりあえずやってみようとスタートしてしまいがちですが、斜めの関係だからこそ、準備と運用を丁寧に行わなければ、機能しないどころか逆効果になることもあります。
 実際、導入したものの、実施されず形骸化した、期待する成果が出なかった、ということでメンター研修の実施や運用の相談を受けることが多々あります。

 それは、目的であったり、組織のバックアップ体制であったり、メンターの接し方であったり、と必要な要素の何かが欠けているが故です。また、一年程度の短期間での明確なアウトプットや結果を求められうことで、一年やってみたけど費用対効果が分からないので、効果が出ないので中止、という判断になることもあります。

 しかしながら、必要な要素を満たした上で、丁寧に運用継続することでメンティがいずれメンターとなり、育成文化が醸成され、組織の風土が変わり、といった具合に成果につなげている企業や団体も実際にあります。

 実施する前の準備及び実施中のフォロー、実施後の振り返りを丁寧に回し、次年度につなげていくことが大事です。

■メンター制度の効果が出ないケース:

・進行の問題  
・取組み姿勢の問題  
・目的・テーマ・目標  設定の問題  
・問題が発生しているにも関わらず、惰性で継続している  
・関係性(遠慮、相性)
 ほか

         
■メンター制度で起こりがちな失敗例:

・メンターが相手視点に立てない
・安心できる場であるはずが、プレッシャーの機会となっている
・直属の上司・先輩との関係性
 ほか




5.ピアメンタリング



 ピア(peer)は仲間という意味で、言葉が指すとおり、1:1ではなく、共通のテーマを持つ複数人が定期的に集まり、互いの関心事や相談事を共有し、一緒に考えることで相互成長を図る仕組みです。

 対等な関係の中で話し合う中で、定期的に振り返りを行うだけでなく、様々な価値観や考え方に触れることができることで、有益な話し合い、成長につながっていきます。

 全員が、気負うことなくコミュニケーションを取れるという点で、4名前後が適正人数と言えます。
1名の振り返り・共有に対する各人からの感想共有やアドバイスを行う時間を15分~20分とし、通常各回が60分~80分となります。

 特に決め事はありませんが、話す準備をせずその場で共有事項を考えるとなると、時間が無駄になるため、振り返りの共有準備を各人が事前に行っていることが必要です。また、そのグループで効果を最大化するために、「遠慮しない」「率直に言いたいことを言う」「承認する」など、グループ内でルールを設定しておくのも有効です。

<実施者の声>
・回を追うごとに、次の回が楽しみになっていくのを実感できた。
・自分にはない考え方や価値観に触れることができて勉強になる。自分の思考パターンに気付いた。
・毎週進捗、成長が自分で認識できることに加え、周囲から自分が想像していなかったコメントや意見をもらえることが励みであり役にたっている。モチベーションにつながる。
・参加者が回を追うごとに元気になっていっている。振り返りの内容と1週間毎のシートの密度が毎回成長していっている。
・振り返りシート作成にあたり、ダメだった点やできていない点を発見し、嫌々でも自分に向き合う一方で、気づきや学びをある意味強制的に探すため、ダメな一週間、何もない一週間の中にも前向きになれる点が発見でき、自己効力感や元気につながる。
・上司の言っていることに納得できず、行動に本気で取り組めなかったが、前回の会でメンバーからから色々意見をもらって考えてみた。すると、自分に悪い点もあるのでは?と思い至り、上司がそういうことを言う理由を自分なりに考えてみたところ、自分にも修正すべき点があった。(同じ失敗を繰り返していた)その後、「同じミスを繰り返さないように意識しています」と上司に共有したところ、関係性が改善した。



6.リバースメンター制度



 メンター、メンティの関係は、メンターが年長者、メンティが年下というイメージが強いですが、必ずしもそうである必要はありません。

 本来のメンター制度は、若手社員やターゲット社員が抱える課題や悩みを、経験豊かなメンターがサポートするものですが、最近では、その立場を逆転させたリバースメンター制度を導入する企業が出てきています。

 例えば、若手社員が役員のメンターとなり、モバイル機やSNSの活用法などITスキルを学ぶサポートを行う、といった事例が取り上げられています。パソコンが登場した時が、そうであったように、年々新しいものが世の中にアウトプットされますが、若者は、それらに自然になじんでおり、年配の社員よりも長けていることが多いため、それを、教わるというのは、自然な流れでしょう。目的はITスキルを学ぶことですが、実際に導入した企業では、役員から「新たな考え方や常識に触れ、刺激につながった」といった評価の声も高かったようです。

 最新の機器や技術に関わりません。自分にない知識やスキル、経験を持った人であれば、メンターと成り得ます。
当然、通常のメンタリングと同様に、双方の成長につながります。

 唯一懸念があるとすれば、自分よりも若い人がメンターとなることをメンティとなる本人が受け入れられるかどうか、という点でしょう。それが無ければ、リバースメンターも形だけで全く意味も効果もでません。

 反対に、双方が受け入れ、実際に運用し効果につなげることができる組織であれば、色んな人、様々な環境から学ぶことが出来る組織ということであり、成長の機会も増え、成長し続ける事が可能になります。

 敢えて制度にする必要があるのか、とも言われそうですが、相互育成という文化を醸成するメッセージとしても有効です。



7.外部メンター



 メンターは、会社や組織で実施する必要はありません。自分の人生やキャリアにおいて、悩んだ時は課題を抱えた時に、アドバイス、サポートしてくれる方、自分が信頼できる方がメンターと言えます。

 例えば、ベンチャー企業の経営者の成長のために、経験豊富な経営者がメンターとなることもありますし、転職した人が、前職の上司や先輩にメンターとなってもらって相談することもあります。

 会社や団体のメンター制度が斜めの関係で組まれる目的の一つに、利害関係のないところで、評価に関わらないので相談しやすい、素直に意見を受け止める、といったことがありますが、その観点からすれば外部メンターには、利害関係が全くないので、100%そのメリットを享受できます。

 同じ組織でないので、本音で相談しやすいことはもちろん、メンターとしても組織の事情を酌量する必要がない分、本当に適切な意見を出せると言えるでしょう。

 外部メンターを選ぶ際は、「信頼できること」「社会経験を積んでいること」「主観でなく客観で物事を捉えられること」を最低限の規準にし、後は、自分が話しやすいかどうかといった観点で判断するとよいでしょう。


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一律 1on1面談はもう古い!目的や成長ステージに合わせた面談制度とは

1on1制度を取り入れる企業は、業種、企業規模問わず増え続けています。
特に、テレワーク増加に伴い、オフィスで共に働く中で自然にコミュニケーションを取るということができなくなったことから、オンラインでの1on1面談を実施する企業も増えています。

 しかしながら、あまりうまく機能していないという声も聞こえるようになってきました。その理由と対応法はどういったものがあるでしょうか。

1.1on1面談制度とは



 まずは、1on1制度について確認しましょう。

【取り組み内容】

 上司と部下、先輩と後輩が1対1で30分から1時間程度、定期的に面談を行う制度
 目的に応じて期間を設定してもいいし、特に期間を定めなくても良い。企業によっては、同じ部門ではなく、全く関係ない人と実施しても良いとしているところもあり、目標に対する進捗管理や実務に対するアドバイス、支援から人間関係構築、悩み相談、業績アップなど実施目的も様々。

【効果】

・PDCAを回す仕組みで「経験学習」「パフォーマンス向上」に有効
・部下・後輩の気持ちやモチベーションの変化に気付きやすい。(いい面、悪い面)
・上司・部下、先輩・後輩間の信頼関係が強化される
・自分で考える癖づけができる
・上司や先輩の育成力向上
・個人の業績やパフォーマンスの向上
・離職率低下



2.更に効果的なものにするために、目的や相手の成長ステージで実施面談を変える



 1on1面談制度を実施する企業は増えましたが、一方で形骸化や実施者によって頻度や成果が異なるという属人化が課題として聞かれるようになってきました。

 その要因として、相手の知識やスキル、経験問わず一律で実施していることや目的が不明確なまま実施していることが挙げられます。

 例えば、隔週で30分~1時間程度、実施という形式で制度を定めているとします。

 しかし、知識・スキル・経験の浅い新人や若手と豊富な中堅社員では、頻度や内容に求めるものが異なります。新人や若手は、実務スキルがないため聞きたいことも多く、進捗管理、モチベーション維持のため、もっとやってほしいと思うことが多いですが、知識・スキル・経験豊富な中堅以上は、目的を明確にしておかなければ、単なる進捗管理やコミュニケーションでは特に必要ないと思い、形骸化しやすい、もしくは投資時間に対する効果は低くなります。

 また、目的を定めていないがために、折角の1on1が目標に対する進捗確認や問題解決といった業務に関することのみになり、受ける側がむしろストレスを感じる機会にしかなっていないというケースもあります。


 うちは、不満が上がっていないという組織がほとんどでしょうが、単に、他のやり方と比較していないからということに過ぎないかもしれません。

 目的や相手の知識・スキル・経験といった成長ステージに応じた面談を取り入れることで、1on1面談を受ける側の納得度も高まり、会社側も要求する内容を変えることができるため、組織全体として効果的なものにつながります。

 では、具体的にどういう面談形式があるか確認していきましょう。



3.Daily 1on1面談制度 

 知識・スキル・経験の浅いメンバーの実務スキル向上を中心とした頻度優先の1on1面談です。知識・スキル・経験が浅く、個別に聞きたいことや進捗管理の優先度が高いため、1on1の面談を短時間でもいいので頻度高く実施します。



■目的:実務スキル強化、モチベーション維持

■対象:新入社員~実務に関する経験の浅いメンバー

■実施頻度:毎日もしくは2日に一回

■期待効果:

「互恵性」「返報性」(上司や先輩が自分のために時間を割いてくれているという事実に応えたいという思い)がメンバーの本気の努力につながります。頻度高く確認を行うことで、行動目標に対してできていたことへの承認機会が増えることになり、メンバーの自己効力感を高め、モチベーションを高い状態で維持できます。
 また、当日うまくいかなかったことを翌日改善して活かすといった短時間でのPDCAを繰り替えすことで、PDCAの効果を認識し癖付けにつながります。



4.Quarterly1on1面談

 個人の視点・視座拡大と組織成長に目的を絞って四半期に一度実施する1on1面談です。実務面、モチベーションから離れ、社外に対しての視点、組織に対しての視座を引き上げ、組織改善に結び付ける面談で、それぞれの階層毎に得られるものが異なるため、階層問わず実施します。



■目的:確実な行動変容、組織改革

■対象:不問

■実施頻度:四半期に一回

■期待効果:

 視点・視座を個人から社外や組織に向けさせることで、意識が高まります。個々に眠る暗黙知としての現場での気付きや知見を形式知とし、組織に活かすことに有効なため、時代や環境の変化に即応ができます。また、現場から吸い上げた意見のため、組織で取り組むとなった場合に、当事者意識が高まり、確実な成長や変革を実現することが可能です。
 面談を行う側も、普段、見ることができていない視点でコミュニケーションを行うことで、メンバー個々の視点や視座、普段どれだけ考えているかが明らかになり、逸材発掘にもつながります。
 

→ Quarterly1on1面談用ステップアップシート
 

 
5.相互育成を行うピア・メンタリング

主体的な成長、相互育成を目的として、同じような立場や職種で利害関係のない3,4名で定期的に実施する面談です。ふぃ
目的、目標・ゴール、取り組み内容、実施しての気づきや反省、今後について振り返るシートを用意し、面談前にそれぞれが記入。簡単に共有し、参加者からフィードバックを受けます。



■目的:従業員の自律成長、継続成長

■対象:中堅、自律人材

■実施頻度:週一回もしくは隔週一回

■期待効果:

 取組みに対するフィードバックや相互アドバイスを複数名から定期的に受けることが、取り組みへの強制力にもなり、モチベーションにもつながります。自身では気づくことができない様々なヒントや内省につながり、実践、ブラッシュアップの効果が高まります。
 上下関係や利害関係がないメンバーで実施することで、本音で率直なコミュニケーションを取ることができ、アドバイスも素直に受け止めることができます。
 

→ ピア・メンタリング用PDCAシート

 

6.書籍からのPDCAによるリアルケーススタディ

自走型組織の構築を目的として、4,5名で実施する面談です。自ら読んだ書籍から設定したテーマを実務や組織で実践し、結果と今後どうするかをまとめて共有します。



■目的:自ら学び、試し、改善する組織づくり

■対象:不問

■実施頻度:四半期に1回もしくは半年に一回

■期待効果:

 研修といった与えられた機会ではなく、自ら学んだことを実務に活かし、その結果をふまえてブラッシュアップ、PDCAサイクルを回していく自律成長のトレーニングとなります。
 また、同階層や同職種で同じ書籍を読み、取り組み結果と改善案を共有し合うことで、自社におけるリアルケーススタディとなり、研修実施と同等もしくはそれ以上の効果につなげることが可能です。 





7.ガス抜きから組織改善まで幅広く使えるオープンドア

 管理職や上司と自由に話せる機会を提供する面談です。
管理職、上司は、日程、時間、場所をメンバーに共有し、設定した時間は誰かが来る来ない関わらず会議室(もしくはオンラインで)で待ちます。メンバーは一人で行ってもいいし、複数で行っても構いません。メンバーは何を話してもいいし、管理職、上司は、原則として聞くのみ、求められればアドバイスなどを行うというルールで実施します。



■目的:ガス抜き、組織への提言、チーム力向上

■対象:不問

■実施頻度:隔週に一回もしくは月一回

■期待効果:

 管理職や上司が気づいていない様々なことを吸い上げることができます。挙がってくる内容に耳を傾け、必要に応じて解決していくことで、信頼関係強化、チーム力強化、組織改善につながります。 



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