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コラム【業績】

BtoB企業が営業生産性(問い合わせ率、商談効率向上)を高める方法

オンラインの時代が到来し、競合企業が全国になってきた今、営業活動の難易度が増しています。
一方で、ワークライフバランスや働き方の多様化など、生産性を高め効率よく成果につなげていく必要は高まり続けています。

御社は、どのような取り組みをしていますか?


1.こんなことが起きていませんか?


 

①ホームページのPV数は多いのに、直帰率や離脱率が高く、ほとんど問い合わせにつながっていない。

②問い合わせが入り、一度製品やサービスの案内を行ったが、「思っていたのと違う」ということで終了し、次につながらない

問い合わせもファーストコンタクトも営業活動において入口となる重要な要素ですが、そこでつまずいてしまうと営業効率は落ちてしまいます。
 


2.1.の問題が起こる要因



 なぜ、①②は起こるのでしょうか。

 今やほとんどの企業がしっかりしたホームページを作り、製品・サービスの紹介も充実しています。しかし、ネットで楽に検索できるようになった分、比較対象も多くなりました。また、どの業界も比較サイトがあり、一つのサイトで多数の企業が確認できるようになっています。

 その中で、選ばれ、問い合わせをしてもらう必要があります。
 その手段の一つ、HPには会社概要、製品・サービス紹介が掲載されていますが、リサーチを行っている企業(潜在顧客)が本当に知りたいのは、製品やサービスそのものではなく、

■その製品やサービスを活用すると自社の困りごとや課題がどう解決できるのか
■実施に進めるとなった場合はどういうフロー、どのくらいの期間、どのくらいの工数がかかるのか

の2点です。

 特にIT業界などは、社内にIT担当やSEがおらず総務や人事などシステムやネットに詳しくない人が担当する場合、サービス内容を見ても自社の困りごとや課題が解決できるのか、さっぱり分からないため、問い合わせ自体を躊躇するということになります。

 無形サービスを行うコンサルティングや広告業も同様ですし、製造業においても、顧客の要望を受けて開発から請け負うところであれば、どこまで対応してもらえるのか?ということは気になる点です。

 その結果、ホームページを見ていたとしても、「良さそうだけど、わからないからやめておこう」となり、問い合わせにつながらず離脱するということになります。

 仮に、問い合わせの壁を突破して、商談となったとしても、よく理解できていなかった段階での問い合わせであったため、結局「思っていたことと違う」「希望と違う」「解決できない」「自社では人員の問題で対応できない」となり、一度の商談で終わってしまうことになるのです。断る理由がタイミングや費用、社内調整でなく、思っていたことと違う場合は、後追いもできないため、お互いに無駄な時間と工数を使っただけになってしまいます。
 


3.打開策「課題解決事例紹介動画」



 それを打開するためには、リサーチを行っている企業が必要なイメージを持つことができる課題解決事例の紹介が有効です。困りごとや悩みをみれば、あてはめることができるので、具体的な詳細は分からなくても、「うちの会社の課題も解決してくれそうだ」と問い合わせにつながりやすくなります。

 まだまだ少ないですが、Before、Afterの事例やお悩み解決、課題解決事例を掲載しているホームページも出てきています。しかし、先に述べた、リサーチを行っている企業が気にしている2点が掲載されていないものがほとんどで、その場合は、無いのと同じです。

 また、課題解決事例は、詳しく説明しようとすると、どうしてもボリュームが多くなるため、文字ばかりで分かりづらい、読みづらいとなり、結局読まれなくなります。

 そこで、スペースを取らず、短時間で視覚と聴覚に分かりやすく訴えることができる動画の出番です。3分から長くて5分程度で、お客様の困りごとや課題を自社製品やサービスで解決した事例紹介動画を作るのです。  

 弊社では、問い合わせ率向上、商談効率、商談確度向上を目的とし、通常のBefore、Afterの事例や課題解決事例ではなく、Before(悩み、課題)、After(結果、成果)に3つの視点(ssf)を加えたオリジナルの「BssfAシナリオ」を用いた「課題解決事例紹介動画」を制作しています。

 この動画をホームページに埋め込むもしくはリンクを貼ることで、リサーチを行っている企業が事前に抱く不安やミスマッチを取り除くことができるようになり、問い合わせ率の向上や商談確度の向上を図ることにつながります。

<その他メリット>

①営業効率化、生産性向上

 商談冒頭や商談会などのイベントで活用することで、製品・サービスに興味をもってもらったり、分かりやすく説明できるため、営業活動、商談そのものを効率化することができます。また、商談前に見て頂くことで、具体的な内容から商談をスタートすることができるようになります。

②HPや通常営業では届かない先に知ってもらえる

 通信速度の改善、コロナ禍による視聴率の増加により、現在、YouTubeで検索する人が増え続けています。また、Googleで検索をかけると動画も紹介されます。ユーザーが興味をひくタイトルをつけてYouTubeにアップすることで、HPや通常営業では届かない層に知ってもらうことができます。

③24時間365日稼働し続ける永続的資産

 人が行う営業や説明と異なり、形に残るため、一度制作することで、24時間365日稼働し続ける永続的な資産となります。人による営業と異なり、説明する人によって質が落ちるということがないため安心です。

④心理的抵抗が発生しない

 事例紹介であっても、営業が直、紹介をする場合、受ける側は無意識に身構えてしまい、素直に受け止められないことも発生しますが、映像であれば、バイアスなく客観的に見てもらうことができるため、製品やサービスの魅力をダイレクトに伝えることができます。特に、課題解決事例紹介動画は、受ける側も興味関心が高い内容のため、営業効率を高めます。

 
4. 「課題解決事例紹介動画」制作事例紹介

制作させて頂いた動画の事例をご紹介します。

■株式会社アーツネットウェーブ様
 一般企業向けネットワーク・システム(VPN/WAN/LAN)の構築・運用を行っている企業 

<制作動画>会社のパソコンリモート操作設定による課題解決事例



営業生産性、効率を 高めるために、「課題解決紹介事例動画」を有効に活用しましょう。

 

詳細の資料請求、お問い合わせは こちら

その他動画制作サービスは こちら
コラム【業績】

コロナ禍において有効な営業スタイルは、セミナー、メール、FAXよりも、まず〇〇

1.ニューノーマル時代の営業の在り方



 コロナ禍での2年以上の期間を経て、営業の在り方は大きく変わってきました。

例えば、

・セミナー実施による案内
・メールやFAXによる案内
・ZOOMなどWEB会議システムを活用した案内 

などです。

 大手、中小関わらず、全国の企業が、このようなアプローチを開始した結果、セミナー案内やサービス案内、アポイントの依頼など日々膨大な量のメールが、様々なところから届くようになりました。
 しかし、セキュリティの観点から、見知らぬ企業からのメールは即削除されるケースがほとんどです。


2.今後、必須になってくる〇〇



 現在、「DX」「クラウドサービス」「サブスク型〇〇」「マーケティングツール」「コンサルティングサービス」など、様々なことがワンストップ、低価格で実施できますといった無形サービスがあふれており、強みや差別化ポイントが分かりづらい状況となっています。

 セミナーやZOOMで説明をしたとしても、それだけで終わってしまうということが起きていないでしょうか?その要因は、オンラインで手軽に話を聞くことができるため、「今後のためにとりあえず聞くだけ聞いてみるか」と、興味関心が低い中で聞くことにあります。顔が見えないオンラインセミナーの場合、他の仕事をしながらの「ながら聞き」で、最初の数分だけ話を聞いて離脱する場合も多くあります。

 セミナーやWEB商談が悪いと言っているわけではなく、話をしっかり聴いてもらうためには、最初の90秒程度で、強く興味を持ってもらう必要がある、ということです。 

 それを実現するために有効なのが、サービス、強み、他社と異なる点を盛り込んだ短時間動画になります。


3.検索はGoogleではなくYouTubeで行われる時代



 以前から言われていたことですが、3/25の日本経済新聞には、「ユーチューブブランド首位」というタイトルで消費者が選ぶ強いブランドで「ユーチューブ」が3年連続首位となりグーグルが2位、21年5月時点のユーチューブ月間利用者数は6900万人を超えたという記事が掲載されていました。

 ノウハウ、ドゥハウ系の動画が無料で多くアップされていることもあり、何かを行う調べる、学ぶ際にYouTubeで済ませるという人も、増える一方です。

  過去に、「御社、ホームページ無いの?}と、採用や営業においてしっかりとしたホームページが無い企業の信頼性が低くなったように、今後はYouTubeや動画がないと信頼性も営業力も低くなる時代が訪れると言われています。


4.動画のメリット



 では、動画にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

<動画メリット>

①短時間で伝えられる
 視覚で確認することができるため、文字や言葉にすると膨大な量になる場合も、簡潔に案内できる

②持ち運びできる、興味のつかみに
 名刺やチラシにQRコードを掲載することで、持ち運びが可能になる。また、セミナー冒頭に動画を流したり、オンライン商談時に共有することで、短時間でサービス概要と強みが紹介できる

③ホームページではできない広報

 YouTubeに掲載すると、YouTubeが持つ「おすすめ」「検索結果」「関連動画」の3つの流入経路で拡散されるため、ホームページではできない広報につながる

例えば、弊社がYouTubeチャンネルに2021年11月18日にアップしたメンター研修は、下記のデータとなっています。

赤囲みの流入経路では、YouTubeでの検索、関連動画、チャンネルページ、その他YouTubeと、ホームページからは到達できないPVを獲得できていることが確認できます。





また、30日毎のPVを追ってみると、同じ期間のPV数が倍々で増えていってます。

2021/11/18~2022/01/17: 30PV(60日)
2022/01/18~2022/02/16: 32PV(30日)
2022/02/17~2022/03/18: 73PV(30日)
2022/03/19~2022/04/17:143PV(30日)

検索されてPVが増えるほど、YouTubeのアルゴリズムにより、表示される可能性が増えるため、どんどん広がっていきます。

YouTubeには、リンクを貼ることができるので、そこからホームページに誘導することも可能になります。
実際、この期間、YouTube経由でホームページへの流入がどんどん増えています。

それは、もっと詳しく知りたいと商品やサービスに興味関心を持ったユーザーをHPに誘致することができているということです。


5.動画にしづらい場合は?



 お客様先の受託製造のため映像を出せないというケースや商材の特性上、実写ではない方がいいというケースや無形商材、サービスなど、実写では伝えづらい場合は、アニメーション動画が有効です。

<アニメーション動画メリット>

①最後まで見てもらいやすい
 親しみやすく、惹きつけやすいことから、最後まで見てもらいやすい

②無形商材に強い
 キャラクターの表情や動きが多彩なため、無形商材の魅力を伝えることや効果を直感的に伝えることができる

③好き嫌いが少ない
 タレントを活用すると、好みの問題で見てもらえないといったことを防げる

④低価格で制作、修正可能
 タレントや制作スタッフや取材、機材が不要なことから低価格で、工数をかけることなく制作が可能、修正も簡単


「メールやFAX案内で、強い興味関心を持ってもらうために」
「セミナーやオンライン商談で、強い興味関心をもってもらうために」
「YouTubeを活用して、新たな流入経路を作るために」

動画はもはや必須となっているのです。

5.きづくネットワークで支援できること



 動画制作、納品、YouTubeチャンネル開設支援など、ご要望に応じて支援しています。



動画事例やお問い合わせは こちら



コラム【業績】

次世代リーダー育成と組織や業績の課題解決を同時に実現する方法「PBL」とは?

時間とともに薄れていく研修の問題を解決するだけでなく、自社、自組織の問題・課題解決を図りながら、同時にリーダー育成を実現できる取り組みがあることをご存知でしょうか。

それは、PBL(Project Based Learning):課題解決型学習と呼ばれるメソッドです。

1.PBLとは



 PBLはProblem-based Learningとも呼ばれ、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育メソッドで、文部科学省が進める「アクティブラーニング」の教育方法の一つとして、注目を集めました。

 アクティブラーニングは、教師が生徒に正解を教えるというスタイルではなく、生徒が協力しながら自ら考え学ぶことで、正解のない議論(課題)を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけること、主体的・協働的に問題を発見し、解決する能力を身に付けることを目的としています。

 企業での人材育成に転用すると、座学でのInput型ではなく、働く環境でのリアルな問題を題材として取り組むことで、課題発見・解決力や情報収集力、巻き込み力などの向上を目指すもので、「課題発見」、「解決策検討」、「計画」、「実践」、「定例確認」、「振り返り」のプロセスを経ることで、深い学びと結果につながります。


2.深い学びにつながる理由

 平均学習定着率を示すラーニングピラミッドと呼ばれる図があります。

【ラーニングピラミッド】


 
 様々な学習が、学んだことの習得・定着に貢献する率を表したもので、能動的な学習であればあるほど学習内容の理解深化・定着化が進むとされています。

 PBLでは、理解深化、定着化につながる比率の高い「グループ討議」、「体験」、「他の人に教える」という経験がプログラムの中で、常に発揮されている状態となるため、深い学びにつながります。また、取り組んでいる課題が、自社自組織のリアルなものであるが故に、組織や業績に関する課題解決にも直結します。


3.期待効果



 PBLを行うことで、どのような効果が見込めるでしょうか。

 以下のように、点で行われるInput型の研修では成しえることができない効果を得ることができます。まさに、経営者が求めている内容と言え、次世代リーダーの育成に有効です。

①コンセプチュアルスキルの向上
 ロジカルシンキングやクリティカルシンキング、多面的視野、柔軟性、チャレンジ精神、俯瞰力などのコンセプチュアルスキルが、知識としてのInputに留まらず、体感の中で磨かれていきます。

②ヒューマンスキルの向上
 リーダーシップ、巻き込み力、ヒアリング力、交渉力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力などが、知識としてのInputに留まらず、実践の中で磨かれていきます。

③実践力、徹底力の強化
 課題を見つけるところから、解決策検討、計画、情報収集、定例確認、振り返りのフローを経ることで、決めたことを実践する、徹底することの意味や効果を認識し、徹底力の強化につながります。

④自律人材の育成
 Input中心の座学による学びと異なり、現実の問題・課題に対して、自ら考え、行動し、検証するという自律的に学ぶ経験を積むことで、自律人材の育成につながります。

⑤当事者意識、参画意識向上
 自組織や自社の課題及び解決策を検討し、計画を立て、情報収集、巻き込み、実践を行う中で、組織や経営のミッションやビジョン、課題が自分事となり、当事者意識や参画意識が向上します。

⑥課題解決による成長
 設定課題の解決により、組織成長や業績向上に直結します。仮に、うまくいかなかったとしても、結果を次の取り組みにつなげることで、成長のPDCAにつながります。


4.実施方法



PBLは、以下のステップで進めるとされています。

STEP1:問題に出会う
STEP2:どうしたら解決できるのか実践的・論理的手法によって考える
STEP3:相互に話し合い、何を調べるのか明確にする
STEP4:自主的に学習する
STEP5:新たに獲得した知識を問題に適用する
STEP6:学習したことを要約する


企業における人材育成目的で実施する場合は、育成効果と現場における変化の拡大を目的に、問題発見・課題解決、プロジェクトマネジメントの知識を入れた上で、取り組むことで、次世代リーダーの育成につなげることができます。

コラム【業績】

優秀社員の退職を、会社を成長させるチャンスに変えるには?

メンバーが退職する際に、ヒアリングを行う企業は多いでしょう。
 
 在職中は、人間関係や評価などの利害関係から、言いたくても言えなかったことについて、本音の部分を聞き出せるチャンスだからです。

 対ヒト、対組織に対する課題や提言などを上級管理職や人事がヒアリングを行っていることと思います。
 しかし、それだけで終わるのはもったいない。

 特に、優秀な社員と評価されている人材が辞める場合は、会社を成長させる大きなチャンスです。優秀人材の退職は会社にとって大きな痛手となりますが、やむを得ず退職が決定してしまった場合は、嘆くばかりではなく、価値あるものに変えてしまいましょう。
 

1.退職する優秀社員にとっても会社にとっても、もてあます退職決定後の時間を有効活用するには?

 

 私も会社を立ち上げる前、2度退職を経験しています。どちらも円満退社だったので、気まずさはなかったものの、一通りお客様や業務の引継ぎを終えてしまうと、後は誰にでもできる手伝いをする程度で、明らかにアウトプットを出せていない時間が少なからず存在していました。

「できることがあれば貢献したいのに、役に立てることがあまりない」と身の置き場がない感、手持無沙汰感が満載だったのです。

 多くの人がそうでしょう。

 従業員にとっては、身の置き場がない、早く時間よ過ぎろと願いつつ、やることを探す時間。
 会社にとっては、状況はわかっているものの、新たに業務を頼むわけにもいかず、どうしようもないという時間。

 お互いにとって、ただ時間が過ぎていくだけの退職決定、業務引継ぎ完了後の日程、時間を、以下の方法で会社の成長につなげるには、どうすればいいでしょうか。


2.優秀社員が優秀たるポイントを引き出し、組織全体の底上げにつなげる


 
 優秀社員には、優秀たる理由があります。

 こういうシチュエーションでは、こういうことを大切にして、この行動を行うと成果が出る、パフォーマンスにつながるという自分なりの法則を持っているのです。

 そう、コンピテンシーと呼ばれるもの。

 法則があるということは、いつでも再現できるという再現性があるということであり、結果として、常に高いパフォーマンス、アウトプットにつなげることができるのです。

 営業職であれば、受注確度を上げるための宿題のもらい方、初回電話でのアプロ―チ方法、プレゼンテーションにおける資料の見せ方、クロージング時の態度や委ね方など、他の人が行っていない行動をしています。

 業務スピードが恐ろしく速い人は、定型フォームをたくさん持っているとか、思いついた段階でメールの下書きに保存し、ちょっとした空き時間にメール処理をたくさん行うとか、キーボードのショートカット機能をたくさん知っているとか。

 しかし、上記のようなちょっとしたポイントから、明らかにそれはすごい、という必殺技的なものも含め、その法則は、優秀人材本人に眠ってます。

 実践すると、パフォーマンスやアウトプットの向上につながることが分かっているのに、本人しか実施していないというのは、損失だと思いませんか?

 そこで、やむを得ず退職という事実を機に、コンピテンシーを資産化し、会社の成長につなげるのです。

※コンピテンシーとは

 「優秀者の行動特性」と提示されることが多いが、それだと人に紐づく印象(〇〇だからできた)と逃れらないので、「高い成果、パフォーマンス、価値発揮につながる行動特性」と捉えると分かりやすい。


3.退職するからこそ、会社の資産作りに貢献してもらいやすい


 

 退職時に行うヒアリング。それは、課題の洗い出しや提案が中心になるが、聞いたところで、それを活かしきることはなかなか難しいのが実態ではないでしょうか。

 そこで、目線を変えて、「実務に関するコンピテンシーの落とし込み」をメインに置きます。

 営業職であれば、同僚は競争相手ともいえるので、現職中は、自分のノウハウを出しづらかったというメンバーもいるでしょう。しかし、そのしがらみは退職するため無くなります。

 更に、先程も書いた、退職決定後の身の置き場がないという立ち位置が「明確に貢献できる時間」に変わることも後押しをします。

 退職時に、特定の後輩社員に、有効な資料を渡したり、ちょっとしたポイントを教えると言った、小さな単位で行われている行為は、そこら中であるでしょうが、それを仕組みとして、本格的に実施し、組織全体に落とし込むことで、成長する貴重な資産に変えるのです。

  コンピテンシー落とし込みのポイントは、

①コンピテンシーのみならず、コンピテンシーを体現するレベルの行動として、誰もが真似できる具体的行動にまで落とし込むこと

②落とし込んだ後は、組織にて共有し、各自のセルフチェックで構わないので、定期的に振り返る機会を設けること


  コンセプトやポイント(コンピテンシー)が分かったところで、それを意識することが大事という認識を持つだけで、行動は変わらりません。

  「意識が変われば、行動が変わる」という言葉がありますが、そんなにたやすくはありません。行動を変える、結果を変えるには、それをできるだけの材料と仕掛けが必要です。
  

4.コンピテンシー、具体的行動の取り組み効果


 
 洗い出されたコンピテンシー及び具体的行動を展開して、全員が真似をすることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。

 例えば、洗い出された行動を真似することで、20分業務時間を短縮できる方法があるとして、それを5人のチームで展開する。そうすると、チーム全体で100分の時間短縮につながります。

 アポイントで話す流れと最後の一言で、確実に次のアポイントがもらえるフローがあるとします。そのやり方をチームメンバーに共有することで、今まで次のアポイント獲得がなかなかできなかった数名が次回アポイントをもらえる数は上がるでしょう。それを繰り返すことで、各メンバー、チームの業績は上がり、会社の成長につながります。

 私も、数多くのコンサルティングや研修に入る中で、お客様に伝えるメッセージを「たった数文字変えるだけ」で飛躍的に受注率が高まったという事例がありました。具体的な文言は明かせないが、クロージングの際に肯定表現を活用することで、顧客の不安を払拭し、前向きに捉えてもらう伝え方です。

  この内容は、同じチームのとある後輩にだけ共有されていた内容で、研修の中で、全体に展開された際に、みな一様に感心していました。言葉を変えるだけなので、すぐに全員が真似できることであり、非常にもったないと感じたものです。

  以上のように、ちょっとしたことで、すぐに高いパフォーマンスが生まれるような事例であっても、共有されていないことがほとんどで、優秀人材からコンピテンシーと具体的行動を引き出して展開することの価値と効果は、どれだけ時間をかけたとしても、その何倍も引きあがります。

 実際、コンピテンシーの洗い出しと具体的行動の実践によって、多くの企業で、売上や顧客獲得率上昇、顧客単価上昇など、定量的な結果はもちろん、業績数値の向上、チームの雰囲気向上、お客様からの評価向上と、見える形で成果につながっています。

 参考までに、定性面の変化について、コメントを共有しておきます。

<実践後の定性的な変化>
・同じ部門の部下より「(いい方向に)変わった」と言われた
・お店にくるお客様から「お店の雰囲気が良くなった」と言われた
・自分はできていると思っていたことが、毎月のチェックシートをつけているとできていないことが分かった

※上記は、コンピテンシー研修実施後、数カ月の実践期間を経てのフォローアップ時のコメントの一部

※肯定表現とは、語尾を否定から肯定に変える表現方法を指す。「できません」を「できます」に変える、「悪い」を「いい」に変えるだけで、相手に与える印象が良くなります。

 例えば、
「お手伝いしないと遊びにいってはいけません」→「お手伝いしたら遊びにいっていいよ」
「それは、弊社では対応できません」→「こういう対応であれば対応できます」
「その提案じゃ、承認できないよ」→「このポイントさえ変えたら、承認できるよ」
 

5.キャリアコンサルタントの出番


 

 さて、退職する優秀社員に対するヒアリングを誰が行うのか?という問題があります。

 仮に、キャリアコンサルタントが社内にいる、もしくは外注している場合は、キャリアコンサルタントに依頼するのが適切でしょう。直接の利害関係もなく、ヒアリングのプロだからです。

 通常のキャリアコンサルティングは、対象者本人のキャリアに関する棚卸から未来の設定など様々な相談を行うことであり、モチベーションの維持など、それ自体はとても価値のあることです。 

 ただ、その結果は長い目で見なければ良し悪しが判断しづらいという側面があるし、パフォーマンス向上や業績アップへの貢献など直接的な成果を、体感できることは少ないのが実態です。

 しかし、コンピテンシー及び具体的行動の洗い出しは、他の従業員のアウトプットやパフォーマンス向上、業績向上に直接貢献できるということであり、本来の仕事とは別のやりがい、価値発揮につながります。

 何事にも成果を求める経営者にとっても、分かりやすい取り組みと言えるのではないでしょうか。

 業務のことに触れながら、うまく洗い出すという点においては、キャリアコンサルタントの力を発揮するポイントです。

 注意点として、キャリアンコンサルタントに、退職者の実務に関する知見がない場合は、コンピテンシーやコンピテンシーたり得る行動なのかの判断がつきづらいところがあるため、同じ仕事をしているメンバーに同席してもらい、異なる立場からの視点で実施することがお勧めです。(できれば、退職する人材が話しやすいということを加味して、後輩メンバーもしくは経験が浅いメンバーが良い)

  キャリアコンサルタントがいない場合は、話すことではなく、聞き出すことが得意な人材であり、考えるヒントの提示もできる人材を担当としてアサインしましょう。


6.退職する優秀社員からのコンピテンシー洗い出し実施フロー



 退職する優秀人材からのコンピテンシー洗い出しのフローについて確認します。一度の面談で終わるのではなく、複数回に分けて実施します。

 所要時間と退職まで(最終出社日)の時間をふまえて、スケジュールを組みましょう。

STEP1:一次ヒアリング(1~2時間)
 業務を行う中で、高いパフォーマンスにつながったコンピテンシーと思われることのヒアリングを実施。
 ①材料無しでヒアリング、自ら言語化してもらう。
 ②予め言語化されているコンピテンシー要素を共有し、①のフリー要素と合わせて絞り込みを実施。

STEP2:個別ワーク(1~2時間)


 
 STEP1 で設定されたコンピテンシーについて、実際に行っていた具体的行動を洗い出してもらう。絞り込みを行うことを考え、一つのコンピテンシーにつき、最低5つを基準とし、思いつく限り洗い出してもらう。

 他メンバーも真似することができるということが重要なので、洗い出しの内容は概念や意識(頑張る、心がける、意識する)ではなく、具体的な行動として実施してもらう(〇〇する、〇〇できる、〇〇を行うなど)。「こういうシーンでこういう行動を行ったら、こうなった」といった形で具体的な事例を付け加えることも推奨する。

STEP3:二次ヒアリング(1~2時間)

 洗い出された具体的行動を元に、内容の確認を行いながら、他のメンバーが真似できるレベルにまで落とし込みを行う。

STEP4:体系化(1時間)

 一つのコンピテンシーにおいても、意識される要素がいくつか発生するので、グルーピングして体系化を行う。

STEP5:具体的行動例として組織に落とし込み(3~6か月)

 コンピテンシー及び具体的行動事例、毎月チェックができるシートに落とし込み、組織に展開。毎月の振り返りをセットにして、メンバーに実践してもらう。

 

7.最後に



 退職に限らず、異動時でも実施が可能です。

 優秀人材がいなくなるから、「パフォーマンスが落ちる」と嘆いて終わりにするのではなく、優秀人材がいなくなっても、全く同じとまではいかなくても、近しいパフォーマンスを挙げられる人材が増える、全体の行動レベルが多少なりともあがるためのアクションを取りましょう。

 言語化しておくことで、新たに加わるメンバーにとっても意識すべきポイントや具体的行動が明らかになるため、成長も早まります。

 最後に、当然かつ重要なことは、協力してもらえる関係性や待遇を普段から構築、提供しておくことです。

 退職するまでは、籍があるんだから業務命令としてやってもらう、という考え方もありますが、アウトプットの最大化を考えると、気持ちよく取り組んでもらった方がいいアウトプットがもたらされることは明白です。

 メンバーとは、いい関係を築きつつ、やむを得ず優秀な人材が退職する際は、メンバー、組織、会社が成長するチャンスと捉えて、資産作りの機会に変えましょう。


参考:コンピテンシーの洗い出しと落とし込みを研修で実施 「コンピテンシー研修

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コラム【業績】

組織変革、業績向上を進めるのは難しくない?メンバーを自然に巻き込み「着実に」実現する方法

 経営者、管理職にとって、従業員、メンバー、一人ひとりの力を引き出すことでアウトプット、パフォーマンスを最大化し、業績向上につなげることは、常日頃のテーマでしょう。

 今回は、3カ月に一度、わずか30分で組織変革、業績向上を「着実に」進める方法をお伝えします。


1.組織変革、業績向上の手段、選択肢



 組織変革、業績向上の実現には、手段、選択肢は無限にあります。

 例えば、提供する商品やサービスを、今まで以上に社会、ユーザーに受け入れられる、喜ばれるものに改善すること。
メンバー同士の関係性や組織の雰囲気がいいこと。
優秀な人材、高いパフォーマンスを上げる人材の取り組みを横展開するナレッジマネジメントを行うこと。

など、挙げようとすると、きりがありません。

 それらの実現を支援する商材やサービスも世の中にあふれているため、色々取り組んでみたものの、結果として活かしきれていないという方もいるかもしれません。



2.取り組みが結果につながらない最大の理由



 様々な取り組みを実施しようとしても、「そもそも実践につながらない」、「実践しても一過性のもので終わり継続しない」、「継続しているが形骸化しており効果は疑問」といったことが起こります。

 その理由として、実務がある中で、組織変革や仕組みに時間を費やすのは難しい、仮に何か取り組みを実施しようとしても、メンバーがなかなかついてこない、動いてくれないから、という声をよく伺います。

 それは、あなたの組織だけでなく、どの組織でも同様です。


 なぜなら、人間には、「現状維持バイアス」(動くことで発生する未知のリスクを負わないために)という新たな取り組みを自然に避けてしまう心理的要素が備わっているからです。

 また、「社会的手抜き」と呼ばれる集団思考があり、人数が数名を超えると「私一人ぐらい参加してなくていいだろう」という意識も発生します。


 つまり、問題は、ツールやサービス、仕組みではなく、メンバーのマインドにあるということです。

 組織変革や業績向上など、新たな取り組みの際に、「工数や負荷を極力かけない」という点に意識が向きがちですが、何より重要なことは、工数や負荷をかけないということよりも、上記のような心理的要因を極力防ぐということ。

 考えてみてください。

 メンバーがものすごく前向きで、自分達で絶対にやり遂げたいと強い思いを持っているのであれば、たとえ工数や負荷がかかる取り組み、難易度の高い取り組みであっても、進捗していくでしょう。



3.当事者意識の醸成



 実践や継続に前向きになる要素の一つに、物事が自分事であること、つまり当事者意識を持つことがあります。

 それを引き出すために、あなたが行うことは、至ってシンプル。

「問いかけ」です。

 考えることによって、その事案は、自然に自分事になります。
口に出し、言葉として認識することで、更に自分事になるだけでなく、意思表明、コミットメントにもつながります。

 WHY(目的、ゴール)、WHAT(何を)、HOW(どのように)を中心に、本人に考えてもらい、考えたことを口に出してもらいましょう。

 結果、自分が関わったという意識が強まり、決まったことに対する実践や継続が高いレベルで実施されることになります。



4.組織変革、業績向上に着実につなげるために



 組織変革、業績向上のために、実施したいことがあなたの中にある場合。
 それについて、質問・相談という形を取ります。
「(このようなことを考えている)(今、これが課題なんだけど)あなたはどう思う?どうしたらいいと思う?」

 この投げかけによって、メンバーはその事案について考え始め、自然に自分事となり、当時者意識が醸成されていきます。


 しかし、本当に組織変革、業績向上につなげたいなら、あなたの考えではなく、メンバーから行うことや手法を拾い集めることをお勧めします。


 理由は3つ。

 一つ目は、大元が自分で考えたことのため、当事者意識も行動に対する意欲も非常に高いものとなること

 二つ目は、結果の最大化という観点で、現場で実際に働いている中で出てくる考えや意見なので、実務寄りで、高い効果につながるアウトプットが多いこと
 
 三つ目に、モチベーションの引き上げにつながります。人が仕事に対してやる気をもつ理由の一つに「存在感(自分が役に立っていると感じられる)」があります。メンバーから出てきたアウトプットを承認するだけでも、承認欲求を満たしますが、実施にまで至れば、組織に貢献できたという存在感につながり、モチベーションが引きあがること

 以上の理由から、あなたが考えているものをぶつけるだけではなく、メンバーに個別に確認をしていくことで、組織変革、業績向上は着実に進みます。



5.仕組み化



 これらの取り組みを、仕組み化し、PDCAを回すことで、組織変革、業績向上に関する取組みが常に回り続けている状態になります。

 そのための手軽にできるものの、効果の高い取り組みにメンバーとの個別面談があります。

 組織変革、業績向上を目的とした個別面談を定期的に実施することで、常に、組織の課題、業績向上の課題を全メンバーが意識し、その解決に向けて高い意欲を持って取り組めるようになります。

 各メンバーから挙げられた考えや意見を着実に実践、成果につなげるという期間が必要なため、実施頻度は、3カ月に一度が適切です。

 面談内容を工夫することで、「個人の視点・視座の引き上げ」「暗黙知の形式知化」「逸材発掘」といったメリットにもつながります。



6.面談実施者(経営者、管理職)の意識ポイント



 面談後が、あなたの腕の見せ所です。
注意点も含めて必ず押さえておくべき意識ポイントが4点あります。

①本当に必要かどうかを見極めること

 経営資源は限られています。「Better(した方がいい)」の事案はたくさん出てくると思いますが、全てを実施することは難しいでしょう。本当に実施した方がいいのか判断すること、優先順位をつけることが必須です。

②シンプルかつ分りやすいこと

 複雑なシステムや仕組みは、実践しても継続しません。期待効果にもよりますが、新たに実施する、改善することについては、できる限りシンプルで分かりやすいものにしましょう。

③組織全体で活用できること

 一部のメンバーにとっては、メリットや効果があるが、大半には影響がないという内容もあります。それを取り入れてしまうと、かえって組織が混乱し、業績が上がるどころか下がることも。判断を的確に行いましょう。

④フィードバック(事案の共有)は必須

 これが、一番重要です。考えや意見を吸い上げて、結局何も動かない、変わらないだと、次回からメンバーは本気で考えません。
 経営なので、できるできないはあって当然。メンバーが挙げた事案に対して、実施するのか、しないのか、するならどういう形で取り組むのか、しない理由を明確に全メンバーに対して伝えましょう。




変化、成果、成長度合いを振り返ることができるように、面談は定例フォームで実施することがお勧めです。

面談で質問することによって、メンバーの視点・視座の引き上げ、組織力強化、業績向上につながる意見吸い上げ、当事者意識醸成につなげる面談シート、記入サンプル、実施ガイドのセットを下記からお求めいただけます。

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コラム【業績】

今と未来の業績向上とチーム強化を同時に実現できる付箋ワークショップ

業績向上と組織強化はいずれも、経営における重要課題です。

 その二大課題を、付箋を活用したワークショップを行うことで同時に実現できる手法があります。一度、手法を覚えればいつでも実施できるので、PDCAを回すことで未来の継続的な成長につながります。

 また、ニューノーマル社会においてどう勝ち続けるのかという大きなテーマについて、今後の対策は万全でしょうか。戦略転換、戦術転換を始め、抜本的に考え直す必要があることも。

 その場合は、日常で考える延長戦上ではなく、時間を取ってじっくりと考える機会を持つ必要があります。付箋ワークショップを行うことで、組織全体で危機感を持ち、一丸となって取り組む意識醸成にも有効です。


1.付箋ワークショップとは


 
 テーマに基づき、付箋とホワイトボードを活用して実施するワークショップです。リアルに集まることができないという場合でも、オンライン面談ツールとグーグルのオンライン共有ソフトやマイクロソフトのOneDriveを活用することで、オンラインでの実施も可能です。

「①書き出す」→「②貼り付けて整理する」→「③掘り下げる」→「④施策、具体的アクションへの落とし込み」

を基本の流れとし、チーム全員の知識やノウハウを結集してテーマに対するアウトプットに結び付けます。

 シンプルですが、「見える」、「自由に動かせる」という強みを活かすことで、「スピーディに」「客観的に」進めながら、会議では成しえない最高のアウトプットにつなげることができます。

 

2.付箋ワークショップのメリット



 付箋ワークショップには様々なメリットがあります。代表的なものを紹介します。

・通常の会議で起こりがちな役職、経験、年齢、声の大きさといった誰が言ったかという「ヒト」に影響されることなく、貼り出された「コト」に対して議論を深めることができるため、本当に役に立つアウトプットに到達ができる

・自由に動かすことができるので、アイデアや考えの接続や飛躍が進む

・参加者が同時に「書き出す」ことで、口頭議論のように、誰かの発言が終わるのを待つ必要がなく、時間に対する生産性が圧倒的に高まる

・アウトプットを出すまでのプロセスに全員が参加していることで、自分事、当事者意識、納得感につながり、最終的な施策、アクションに対して行動が促進される

・ワークショップ及びアウトプットが「見える化」されることで、共通認識・共通言語となり、コミュニケーションが取りやすくなる、決定事項と異なった取り組みがあった場合に沿相互に指摘しやすくなる


 投資時間に対して、大きな効果を得ることができるワークショップです。
 


3.付箋ワークショップで取り組めるテーマ

【ナレッジマネジメント】



 優秀なパフォーマンスや結果を安定して出すメンバーは、コンピテンシー(高いパフォーマンスにつながる行動特性)や独自の取り組みを行っています。しかし、それらは、特別な機会を設けるか、余程意識の高いメンバーでない限り、共有・横展開されることはありません。

 付箋ワークショップにて、暗黙知として眠っているノウハウや行動を洗い出し、形式知として共有、他メンバーが真似をすることで、チーム全体のパフォーマンスの底上げにつながります。

 

【プロセスマネジメント】



 営業、販売、事務などすべての業務には、プロセスがあります。例えば、営業であれば「アプローチ先の選定」「アプローチ商材の選択」「ファーストコンタクト」「初訪問(初面談)」「ヒアリング」「提案書作成」「提案」「フォローアップ」という基本動作があります。

 各職種における業務フローの整理からスタートとし、その中で、ボトルネック(求める結果に対する円滑な進捗を阻害する問題)となっている点の発見、要因・真因の洗い出し、対策の落とし込みを行うことで、今までの結果から改善を図ります。

 業務フローの整理、明確化を行う過程においても、同じ仕事をしているはずなのに、メンバーによって認識が異なっていたり、抜けているプロセス、逆に余分なプロセスがあったりと多くの気づきが生まれ、高い効果を発揮します。

 自由に追加、削除が可能な付箋ワークショップだからこそ、短い時間で高い効果を発揮します。

 

【商品・サービス開発・改善】



 新たなアイデアの創出や改善は、机に向かって考えるだけでは生まれにくいものです。

 ブレインストーミングといった手法もありますが、書き出し、貼り付け、整理と手や体を動かしながら、自由に組み合わせを行える付箋ワークショップは、楽しみながら考えを飛躍させやすいため商品・サービス開発や改善にも有効です。

 新たな商品・サービス開発は企画部門や商品開発部門、改善は現場でお客様と接している営業や販売職が行うケースが多いと思いますが、全く関係ない部門の人に多数参加してもらって実施することで、新たな視点でのアイデアが生まれます。

 まずは、付箋に自由に書き出しを行い貼り付けて考えます。普段から考えている場合、すぐに停滞してしまうこともありますが、その場合は強制的にアイデアを飛躍させるフレームワークを活用します。アイデアを出し切った後は、その中から商品、サービスとして実現可能かどうか、どうすれば実現できるか、どう社会に伝えていくかといった具体的な施策、アクションまで落とし込みます。

 

4.未来に向けて



 付箋ワークショップは、実施状況をビデオ撮影、最低でもホワイトボードの付箋は、都度撮影してデータとして残しましょう。オンライン実施の場合は、オンライン実施の状況を録画もしくは同じように画像データを残しましょう。

 理由は、結論にたどり着いたプロセスを記録しておくことで、「ワークショップに参加していない人でも、プロセスを確認することで理解、納得、行動しやすい」「問題が発生した際に振り返ることができる」「次回実施する際に同じ問題で悩まなくて済むようになる」といったメリットがあるからです。

 何事もPDCAです。特にナレッジやプロセスマネジメントは、時代や環境の変化に伴って各業務も変わっていくので、定期的に実施して常に最新、最高のものに置き換えていくことがお勧めです。




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