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コラム【組織】

成長を確実に進めるために必要なもの

1.意識が変われば行動が変わる?



研修やセミナーで、こういう言い回しを聞いたことがないでしょうか。

「意識が変われば、行動が変わる
 行動が変われば、習慣が変わる
 習慣が変われば、人格が変わる
 人格が変われば、運命が変わる」

この言い回しは、正しくありません。正しくない、というと語弊がありますが、簡略化され過ぎているのです。

 意識が変わっただけで、行動が変わり、習慣が変わるのであれば、研修や人材育成はいりません。
研修は、意識系のものから知識・スキルのインプット系のものまで含め、 あくまで意識を変える「きっかけ」でしかありません。


2.意識に働きかける前と後が大事



 研修や指導育成を受けたとして、意識が変わったとしても、何もしなければ、ヘルマン・エビングハウス氏によって提唱された「エビングハウスの忘却曲線」に従って、習慣となっていない短期記憶は時間とともに忘れられていきます。

「研修は時間とともに効果が薄れていくから…」と言われる大きな要因です。

 ロバート・ブリンカーホフ博士が、人材育成カンファレンスにおいて報告 をした研修の効果に関する数字、40:20:40の法則があります。
 研修の効果を最大化するには、研修前(準備、事前課題、上司や周囲によ る研修に対する動機付けなど)の重要度が40%、研修後(アンケート、 報告書、事後課題、研修内容の部内シェア、定例確認など)の重要度が 40%、研修そのものの重要度が20%とされています。

  研修の実施前、実施後の準備、フォローアップを必須にすれば、「研修は時間とともに…」もだいぶ変わります。 しかし、実施前はおろか、実施後のフォローアップすら行っていないことも多いのではないでしょうか。
 さらに、育成は研修のみではなく、日常で上司や先輩からOJTや実務の中で行われるアドバイスやヒント提供も含まれます。(むしろ、こちらの方が大事)研修や日常において何が必要でしょうか?


3.意識が変わる ⇒ 行動が変わる にするには



意識が変われば行動が変わる、を実現するには

①「本人の強烈な意志」
②「具体的なやり方」
③「行動のための仕組み・仕掛け」
 
が必要です。

 本人の意志がなければ、周囲が何をどうしても変えようがありません。そもそもの大前提です。そして、当たり前のことですが、誰しも知識・スキル・経験がないことは、できないので、意識が変わっても、行動につながりません。育成に関わるに人間は、知識・スキル・経験の有無を確認して、無いなら具体的にどうすればいいのかを教える必要があります。最後に、行動のための仕組み・仕掛けが重要です。経営者、管理職が意識して取り組むべきは研修やセミナーの実施ではなく、日常で自然に動くための仕組み・仕掛けです。人間には「現状維持バイアス」が備わっており、変化を嫌うのが基本です。①②をクリアしても、なかなか行動につながらない場合は、意志がくじけても、知識・スキル・経験の不足があったとしても、行動につながるような仕組みや仕掛けを提供する必要があります。


4.行動が変わる ⇒ 習慣が変わる にするには



行動が変われば習慣が変わる、を実現するには

①「本人の強烈な意志」
②「行動の継続」
③「継続のための仕組み・仕掛け」

が必要です。
 
 行動が変わったら習慣になるか、というとそんな簡単はわけはありません。3日坊主と いう言葉があるように、習慣化が一番難しいのです。
 先に述べたように、本人の意志がなければ、周囲が何をどうしても変えようがありません。そもそもの大前提です。
 そして、やったりやらなかったりでは、当然習慣になりません。21日間、同じことを継続すると習慣化されると言われています。最低でも、21日間の継続をすることが必要です。しかし、余程、意思が強い人間でない限り、一人で継続するのは、難易度が高いでしょう。実践・継続をマネジメントするアプリやツールも多く出ているが、個人に担保するのも心もとない点もあります。
 確実な人と組織の成長を実現するのであれば、会社として仕組み・仕掛けを用意したいところです。


5.自律的・持続的に成長する人材、組織をつくるには



 結論として、研修やセミナーはもちろん、本人任せにしているだけでは成長・変革にはつながっていきません。自社、組織の現状をふまえ、日常の環境、仕事の中でシンプルに回すことのできる仕組みや仕掛けが必要なのです。

 経営として、意識を変える、行動を変える、習慣を変える仕組みと仕掛けをつくりましょう。



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コラム【組織】

自社に合わせた失敗しないメンター制度

1.メンター制度が注目されてきた背景

メンター制度を導入する組織が増えてきた背景として、社会環境の変化があります。

 以前は、組織の中で自然に成長していく環境がありました。しかし、世の中の変化スピードの速さ、人材が不足する中での生産性・効率・業績追及によるプレイングマネジャーの増加といった状況から、部下や後輩にじっくり目配りをして育成をする、という環境ではなくなってきました。




 また、仕事で使う機器の発達や環境の変化に目を向けると、個人の仕事が外からは分かりづらくなったということも一因としてあります。(携帯、メールでのやり取りなどによるブラックボックス化)ひと昔前のように、先輩社員が電話で話している内容を聞いて真似をする、覚える、といったことや文章の書き方を真似をする、といったことがしづらくなっており、見て盗む、仕事ぶりを見て自然に学ぶ、ということも難しくなっています。

 更には、ハラスメントという言葉の定着により上司、先輩が部下、後輩に対するコミュニケーションに対して不安を抱いていること、自ら積極的にコミュニケーションを図る若い世代がいないこと、更には、女性活躍推進やワークライフバランスといった国策の関係で、今まで育成対象となってこなかった人材に光をあて、成長してもらう、といった様々な状況が相まって、注目されてきたのがメンター制度です。

 意図的に「支援」「育成」という関係性をつくることで、個人、組織の成長につなげようという機運が高まっていると言えます。



2.メンターとは




■メンターとは:

 仕事や生活、人生において個人の“手本”となり、 指導・支援を行う人のことをいいます。知識やスキル、経験の豊かな人(メンター)が、まだ未熟な人(メンティ)に対して、目標達成や成果向上、成長のために仕事のやり方や人間関係の築き方、課題解決、意欲促進、モチベーション向上など様々な場面で、キャリア形成や心理・社会的な側面など総合的な支援を継続的に行います。
 単なる話を聴く相談役ではなく、業務・実務ではないもっと大きなところでの目指す姿を明確にし、サポートを行うことでメンティに自律性や自信を持たせ、メンティ自身が前向きに仕事生活、社会生活を送る支援を行う役割を担います。


■メンターの語源:

 ギリシア神話の登場人物『メントール』の名前に由来します。オデュッセウス王がトロイア戦争に出陣する際、自分の息子テレマコスの育成をメントール(Mentor)という人物に託しました。 託されたメントールは帝王学や学問のみならず、人としての成長も含め全人格的な育成・指導を行いテレマコスを王の期待以上に大きく成長させたことから、全方位的に指導支援を行う人のことをメンターと呼ぶことになりました。



3.メンター制度とは



■企業制度としてのメンター制度:

 企業や組織が制度として導入する場合は、離職防止、モチベーション向上、女性活躍推進、新規事業促進、管理職登用トレーニングなど様々な目的で実施されています。
 また、「斜めの関係」と言われ、同じ社内であっても異なる部門の上司や先輩が設定されるのが通常です。それは、評価や日常の仕事に直接的な影響がない分、本音で相談しやすくメンター側も固定概念やバイアスを持たず客観的かつ適切なアドバイス、支援が可能となるためです。


■メンター制度の期待効果:

【組織】  
 メンター、メンティがともに成長すること、社内のコミュニケーションが活発になり現状把握が常に行われるため組織が活性化されます。  

→職場定着率の向上、職場の満足度向上、知識・ノウハウの継承、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、組織風土の改善、社員の能力向上、逸材発掘 

【メンティ】
 働く上でのビジョン明確化、無用な躊躇や不安の払拭、成長スピードアップ、仕事に対するモチベーション向上

→知識・ノウハウの吸収速度向上 、自立・自律、対人能力向上、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、問題解決・能力向上、職場満足度向上、キャリアプラン、将来のビジョンの明確化

【メンター】
 メンティを支援することで、自分自身の仕事や生き方の振り返り、対人コミュニケーションへの気付きや学び、更なる成長

→対人能力向上、指導・育成能力向上、社内コミュニケーション・ネットワークの活発化、知識・ノウハウの洗い出し、責任感の向上


■メンター制度の「表面的な」マイナス面:

・直属の先輩や上司との関係性
→斜めの関係で実施した場合に、第三者が関わることで直属の先輩や上司が得てない情報があることから、事前にメンター制度に対する社内周知、理解浸透を行っていなければ、組織内の関係性がギクシャクする可能性があります。
  
・メンター、メンティの工数増加
→時間的な拘束、レポートや振り返りの時間など時間的な工数が発生します。

・メンター、メンティのストレス増加の可能性
→メンター、メンティのマッチングを行っただけで、目的や運用方法の設定、ツール活用などを行わず、ペアの二人に自由に任せていると、メンタリング実施の意味や効果を感じられず、実施自体が双方のストレスになることがあります。

※表面的なマイナス面と記載してあるのは、きちんとした導入・運用を行っていないために発生するものです。経営が制度にコミットメントし、導入時にしっかりと準備・説明を行うこと、運用をサポートすることで、上記のマイナス面はカバーできます。



4. メンター制度がうまくいかない場合ってどんな時?



 メンター制度を導入したものの、うまく機能させることができず、形骸化して一年で終了というケースが多々あります。

 メンター制度は、メンターとメンティを組み合わせて面談を行う機会を提供するというシンプルな形なので、とりあえずやってみようとスタートしてしまいがちですが、斜めの関係だからこそ、準備と運用を丁寧に行わなければ、機能しないどころか逆効果になることもあります。
 実際、導入したものの、実施されず形骸化した、期待する成果が出なかった、ということでメンター研修の実施や運用の相談を受けることが多々あります。

 それは、目的であったり、組織のバックアップ体制であったり、メンターの接し方であったり、と必要な要素の何かが欠けているが故です。また、一年程度の短期間での明確なアウトプットや結果を求められうことで、一年やってみたけど費用対効果が分からないので、効果が出ないので中止、という判断になることもあります。

 しかしながら、必要な要素を満たした上で、丁寧に運用継続することでメンティがいずれメンターとなり、育成文化が醸成され、組織の風土が変わり、といった具合に成果につなげている企業や団体も実際にあります。

 実施する前の準備及び実施中のフォロー、実施後の振り返りを丁寧に回し、次年度につなげていくことが大事です。

■メンター制度の効果が出ないケース:

・進行の問題  
・取組み姿勢の問題  
・目的・テーマ・目標  設定の問題  
・問題が発生しているにも関わらず、惰性で継続している  
・関係性(遠慮、相性)
 ほか

         
■メンター制度で起こりがちな失敗例:

・メンターが相手視点に立てない
・安心できる場であるはずが、プレッシャーの機会となっている
・直属の上司・先輩との関係性
 ほか



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5.ピアメンタリング



 ピア(peer)は仲間という意味で、言葉が指すとおり、1:1ではなく、共通のテーマを持つ複数人が定期的に集まり、互いの関心事や相談事を共有し、一緒に考えることで相互成長を図る仕組みです。

 対等な関係の中で話し合う中で、定期的に振り返りを行うだけでなく、様々な価値観や考え方に触れることができることで、有益な話し合い、成長につながっていきます。

 全員が、気負うことなくコミュニケーションを取れるという点で、4名前後が適正人数と言えます。
1名の振り返り・共有に対する各人からの感想共有やアドバイスを行う時間を15分~20分とし、通常各回が60分~80分となります。

 特に決め事はありませんが、話す準備をせずその場で共有事項を考えるとなると、時間が無駄になるため、振り返りの共有準備を各人が事前に行っていることが必要です。また、そのグループで効果を最大化するために、「遠慮しない」「率直に言いたいことを言う」「承認する」など、グループ内でルールを設定しておくのも有効です。

<実施者の声>
・回を追うごとに、次の回が楽しみになっていくのを実感できた。
・自分にはない考え方や価値観に触れることができて勉強になる。自分の思考パターンに気付いた。
・毎週進捗、成長が自分で認識できることに加え、周囲から自分が想像していなかったコメントや意見をもらえることが励みであり役にたっている。モチベーションにつながる。
・参加者が回を追うごとに元気になっていっている。振り返りの内容と1週間毎のシートの密度が毎回成長していっている。
・振り返りシート作成にあたり、ダメだった点やできていない点を発見し、嫌々でも自分に向き合う一方で、気づきや学びをある意味強制的に探すため、ダメな一週間、何もない一週間の中にも前向きになれる点が発見でき、自己効力感や元気につながる。
・上司の言っていることに納得できず、行動に本気で取り組めなかったが、前回の会でメンバーからから色々意見をもらって考えてみた。すると、自分に悪い点もあるのでは?と思い至り、上司がそういうことを言う理由を自分なりに考えてみたところ、自分にも修正すべき点があった。(同じ失敗を繰り返していた)その後、「同じミスを繰り返さないように意識しています」と上司に共有したところ、関係性が改善した。


ピアメンタリング用シートを確認


6.リバースメンター制度



 メンター、メンティの関係は、メンターが年長者、メンティが年下というイメージが強いですが、必ずしもそうである必要はありません。

 本来のメンター制度は、若手社員やターゲット社員が抱える課題や悩みを、経験豊かなメンターがサポートするものですが、最近では、その立場を逆転させたリバースメンター制度を導入する企業が出てきています。

 例えば、若手社員が役員のメンターとなり、モバイル機やSNSの活用法などITスキルを学ぶサポートを行う、といった事例が取り上げられています。パソコンが登場した時が、そうであったように、年々新しいものが世の中にアウトプットされますが、若者は、それらに自然になじんでおり、年配の社員よりも長けていることが多いため、それを、教わるというのは、自然な流れでしょう。目的はITスキルを学ぶことですが、実際に導入した企業では、役員から「新たな考え方や常識に触れ、刺激につながった」といった評価の声も高かったようです。

 最新の機器や技術に関わりません。自分にない知識やスキル、経験を持った人であれば、メンターと成り得ます。
当然、通常のメンタリングと同様に、双方の成長につながります。

 唯一懸念があるとすれば、自分よりも若い人がメンターとなることをメンティとなる本人が受け入れられるかどうか、という点でしょう。それが無ければ、リバースメンターも形だけで全く意味も効果もでません。

 反対に、双方が受け入れ、実際に運用し効果につなげることができる組織であれば、色んな人、様々な環境から学ぶことが出来る組織ということであり、成長の機会も増え、成長し続ける事が可能になります。

 敢えて制度にする必要があるのか、とも言われそうですが、相互育成という文化を醸成するメッセージとしても有効です。



7.外部メンター



 メンターは、会社や組織で実施する必要はありません。自分の人生やキャリアにおいて、悩んだ時は課題を抱えた時に、アドバイス、サポートしてくれる方、自分が信頼できる方がメンターと言えます。

 例えば、ベンチャー企業の経営者の成長のために、経験豊富な経営者がメンターとなることもありますし、転職した人が、前職の上司や先輩にメンターとなってもらって相談することもあります。

 会社や団体のメンター制度が斜めの関係で組まれる目的の一つに、利害関係のないところで、評価に関わらないので相談しやすい、素直に意見を受け止める、といったことがありますが、その観点からすれば外部メンターには、利害関係が全くないので、100%そのメリットを享受できます。

 同じ組織でないので、本音で相談しやすいことはもちろん、メンターとしても組織の事情を酌量する必要がない分、本当に適切な意見を出せると言えるでしょう。

 外部メンターを選ぶ際は、「信頼できること」「社会経験を積んでいること」「主観でなく客観で物事を捉えられること」を最低限の規準にし、後は、自分が話しやすいかどうかといった観点で判断するとよいでしょう。



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