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コラム【業績】

次世代リーダー育成と組織や業績の課題解決を同時に実現する方法「PBL」とは?

時間とともに薄れていく研修の問題を解決するだけでなく、自社、自組織の問題・課題解決を図りながら、同時にリーダー育成を実現できる取り組みがあることをご存知でしょうか。

それは、PBL(Project Based Learning):課題解決型学習と呼ばれるメソッドです。

1.PBLとは



 PBLはProblem-based Learningとも呼ばれ、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育メソッドで、文部科学省が進める「アクティブラーニング」の教育方法の一つとして、注目を集めました。

 アクティブラーニングは、教師が生徒に正解を教えるというスタイルではなく、生徒が協力しながら自ら考え学ぶことで、正解のない議論(課題)を通して問題解決へのアプローチ方法を身につけること、主体的・協働的に問題を発見し、解決する能力を身に付けることを目的としています。

 企業での人材育成に転用すると、座学でのInput型ではなく、働く環境でのリアルな問題を題材として取り組むことで、課題発見・解決力や情報収集力、巻き込み力などの向上を目指すもので、「課題発見」、「解決策検討」、「計画」、「実践」、「定例確認」、「振り返り」のプロセスを経ることで、深い学びと結果につながります。


2.深い学びにつながる理由

 平均学習定着率を示すラーニングピラミッドと呼ばれる図があります。

【ラーニングピラミッド】


 
 様々な学習が、学んだことの習得・定着に貢献する率を表したもので、能動的な学習であればあるほど学習内容の理解深化・定着化が進むとされています。

 PBLでは、理解深化、定着化につながる比率の高い「グループ討議」、「体験」、「他の人に教える」という経験がプログラムの中で、常に発揮されている状態となるため、深い学びにつながります。また、取り組んでいる課題が、自社自組織のリアルなものであるが故に、組織や業績に関する課題解決にも直結します。


3.期待効果



 PBLを行うことで、どのような効果が見込めるでしょうか。

 以下のように、点で行われるInput型の研修では成しえることができない効果を得ることができます。まさに、経営者が求めている内容と言え、次世代リーダーの育成に有効です。

①コンセプチュアルスキルの向上
 ロジカルシンキングやクリティカルシンキング、多面的視野、柔軟性、チャレンジ精神、俯瞰力などのコンセプチュアルスキルが、知識としてのInputに留まらず、体感の中で磨かれていきます。

②ヒューマンスキルの向上
 リーダーシップ、巻き込み力、ヒアリング力、交渉力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力などが、知識としてのInputに留まらず、実践の中で磨かれていきます。

③実践力、徹底力の強化
 課題を見つけるところから、解決策検討、計画、情報収集、定例確認、振り返りのフローを経ることで、決めたことを実践する、徹底することの意味や効果を認識し、徹底力の強化につながります。

④自律人材の育成
 Input中心の座学による学びと異なり、現実の問題・課題に対して、自ら考え、行動し、検証するという自律的に学ぶ経験を積むことで、自律人材の育成につながります。

⑤当事者意識、参画意識向上
 自組織や自社の課題及び解決策を検討し、計画を立て、情報収集、巻き込み、実践を行う中で、組織や経営のミッションやビジョン、課題が自分事となり、当事者意識や参画意識が向上します。

⑥課題解決による成長
 設定課題の解決により、組織成長や業績向上に直結します。仮に、うまくいかなかったとしても、結果を次の取り組みにつなげることで、成長のPDCAにつながります。


4.実施方法



PBLは、以下のステップで進めるとされています。

STEP1:問題に出会う
STEP2:どうしたら解決できるのか実践的・論理的手法によって考える
STEP3:相互に話し合い、何を調べるのか明確にする
STEP4:自主的に学習する
STEP5:新たに獲得した知識を問題に適用する
STEP6:学習したことを要約する


企業における人材育成目的で実施する場合は、育成効果と現場における変化の拡大を目的に、問題発見・課題解決、プロジェクトマネジメントの知識を入れた上で、取り組むことで、次世代リーダーの育成につなげることができます。

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