NEWS

コラム【ヒト】

自ら考え、動く部下を育成するには?まずは〇〇を明確にすることが大事

自ら考え、動く部下を育成する、ということは管理職や組織の重要課題と言えます。



 この課題に対して、どうしますか?と問うと、どうやって解決すればいいのか、何をやればいいのか、どのようにやるのかということが頭に浮かびます。WHAT(アクション)やHOW(手法、方法)が頭に思い浮かんでしまうんですね。

 しかし、その前に、そもそも要因はなんなのかということを明確にしておかなければ、そのアクションや手法が正しいかどうかは分かりません。

 要因にマッチしていなければ、アクションや手法は、全く意味のないムダなことにしかならないからです。



 そこで、「自ら考え動かない要因」を確認してみましょう。

 もしかすると、管理職や組織が問題と考えている「自ら考え動かない」のではなく、「考えられない」もしくは「考えているが、動けない」状態なのかもしれません。


要因1.基準・方針が明確でない

 世の中に基準やルールがあるように、会社や組織には、基準やルールがあります。 

 基準やルールがないと何が起こるか。



 部下が行動を起こせなかったり、人によって対応が異なるということが発生し、社内が混乱したり、お客様に迷惑がかかります。
 そうならないように、クレームに限らず、こういう場合はこう対応するという基準やルールがあり、マニュアルで決められています。


 同様に、方針が決まっていないと、部下は動くことができません。

 研修会社を事例に考えてみます。

 野外での体験型研修が得意な研修会社Aがあるとします。コロナ禍で、顧客の集合型研修に対する意欲が、一気に低くなり、売りであったはずの野外体験研修が、厳しい環境に追い込まれました。

 しかし、研修会社Aの経営陣は、野外での研修だから、密は防げるから大丈夫なんじゃないかと迷っています。結局、明確に方針を定めず、「企業ごとに個別に対応を検討」といった感じで、時間だけが過ぎていきました。


 
 お客様から、営業に対して「研修を考えているんだけど、コロナだから体験型はちょっと・・・」と相談があったします。しかし、個別対応という話しか伝わっていないため、営業は、自分で考えて動くことができず、都度、上の方針を仰ぐという状況になり、お客様を待たせ、その間に競合に負けるということが起きます。

 明確な方針が出ていないので、考えて動くことができないわけです。

 例えば、「オンラインでの体験型を開発」という方針が出ていれば、「今開発中なので待ってください」なり「要望をふまえたコンテンツをつくるので、打ち合わせしましょう」と進めることができます。
 方針は、真逆のものでも構いません。「オンライン研修は一切やらない」という方針であれば、営業は、どのようにオンラインでない研修を提案すればいいか、全力で考えて、動くことができます。


 明確な基準や方針があれば、考えて動くのに、それが無いが故に、考えることも動くこともできない、ということです。

 思い当たる節はありませんか?

 

要因2.統制しすぎ(本人が自由に動く仕事の幅や権限が無さすぎ)

 
マイクロマネジメントを行う管理職や自由に動く裁量や権限がない組織風土が要因です。
 

 
 自分で動きたいと思っていても、提案の内容や資料作成など、ちょっとしたことでも、上司の確認を求められる環境であれば、それは許されません。そんな環境で、「自ら考えて動け」というのは酷というものです。

 思い当たる節はありませんか?


要因3.失敗を厳しくとがめる



 自分で考えて動いた結果、うまくいかなかった、上長や組織の期待通りのアウトプットがだせなかった、失敗した。その結果に対して、厳しくとがめられる、叱られる、評価が下がるといったことが何度も続くと、どれだけメンタルが強い人間でも、動く気を失います。

 思い当たる節はありませんか?

 前向きに取り組んだ結果、チャレンジした結果、自ら考えて動いた結果、うまくいかなかったことについては、その失敗を活かすために、振りかえりは行う必要がありますが、とがめないことが大切です。

  

要因4.指示の出し過ぎ、答えの与えすぎ

 マイクロマネジメントを行う管理職や部下の成長ステージに合わせた指導育成法を知らない管理職のもとで発生する要因です。



 細かい指示がどんどん降ってくるので、その通りにやっていくことに慣れてしまい、自分で考えて動くことができなくなっているということです。
「自ら考える、行動する」機会を、管理職が奪っているということです。

 もちろん、入社したてや仕事に取り組み始めたばかりの知識やスキル、経験がない場合は、具体的に細かく指示を出し教える必要がありますが、一人前になったにも関わらず、指示、答えの出し過ぎを行っていると、それに慣れてしまい、自ら考え行動するということにはなりません。

 思い当たる節はありませんか?


要因5.管理職のコミュニケーションがモチベーションのあがらないコミュニケーションになっている

 伝え方はとても大切です。
 同じメッセージでも、伝え方次第で、行動を促進する場合と反対に行動を阻害する場合があります。


 
 事実は、部下は、「しっかり考えていて、動こうと思っていた」ということであったとしても、管理職の出すメッセージが、部下のモチベーションを下げるメッセージになっている場合、やる気を失わせ、行動を阻害する、ということが発生します。

  思い当たる節はありませんか?




もちろん、部下自身に問題があるケースもあります。
しかし、そうなっている要因が、どこなのかをしっかりと把握した上で、必要なアクションを取りましょう。
 


→ OJT、部下育成の原理原則を学ぶ「成長ステージ別育成法動画(MP4形式、買い切り型)」は こちら
 
→ 要因解決するための研修は こちら



一歩一歩着実に、教育体系を整え、育成課題の解決を図りたい企業様に
毎月定額、定例の顧問型支援 「教育体系コンシェルジュサービス

その他お問い合わせは こちら

一覧へ戻る