NEWS

コラム【業績】

知らないと損、すぐ取り組めるコスト削減方法

コスト削減は、景気がいい時や経営が順調に推移している時に話題に上がることはありませんが、削減することで、経営や業績に中長期的にインパクトを与え続けます。



 実際、コロナ禍でテレワークが可能な業種や職種においてオンラインが主流になったことで、移動に伴う交通費が大幅に削減できたことで実感した経営者も多いのではないでしょうか。 

 コスト削減となると分かりやすい部分(家賃、人件費など)に目がいきがちですが、できれば従業員の給与には手を付けたくないとお考えの経営者も多いでしょう。それ以外の物件費や手数料などを、見直すことでコスト削減法についてお伝えします。


1.コスト削減に取り組む前の準備



STEP1:過去と訣別するという経営者の意志

 コスト削減において、一番足を引っ張るのは、過去の経緯や取引先とのつながり、慣習といったしがらみです。
今まで、この企業でずっとお世話になっている、バーター取引になっているのでやめることができない等の経緯が挙げられます。この点を、認識した上で、それでも取り組むという過去との決別と意志が必要です。
 バーター取引の場合、取引停止で売上減少につながることもあり得るため、それをふまえてコスト削減を実施するという点については、経営者しか判断ができません。実施すると明確に決めて取り組む必要があります。

STEP2:プロジェクト化

 やるべきことが明確になった上で、実施するように部門や担当に指示を出したのに、なかなか進まないことが多々あります。理由は、当たり前のことです。例えば、誰がやるにしても、通常業務にプラスアルファされる取り組みになるため、物理的に取り組む時間がないということ。例えば、取引先に変更を含め見直しを行うと伝える際に、今までお世話になっているから言い出しづらいといったことや新しい取引先になると、契約手続きや新しく導入浸透させるにあたりゼロから説明しないといけない、手間がかかる、慣れるのが大変そう、面倒臭いといった心理的抵抗があります。
 心理的抵抗が起きたとしても進めるように、社長直轄プロジェクトとして取り組むか、数名をプロジェクトメンバーに設置して、組織の力で明確に遂行してもらうといった取り組みが必要です。

STEP3.現担当者を責めない

 実際に成果が出たとしても、担当を責めないことです。担当者は、意図的にさぼっていたわけではありません。先に述べたいくつかの理由から、実施したくてもできないという状況の中で、行われてこなかったケースがほとんどでしょう。
 これから先、おさえられたコストが標準になるという未来に視点をおいて、取り組んだ担当をほめましょう。


2.最新化する

 設備や機器を最新のものに変えることで、瞬間的なコストは膨らみますがランニングコスト及び工数削減、効率アップ、生産性向上と間接コストも下げることが可能です。

 家庭用エアコンがいい例ですが、最新のものはパワフルでより早く冷暖房ができ、清潔で、しかも低電力です。同じように、パソコンや複合機、携帯なども、新しい機種の方が、より使い勝手がよく、ランニングコストも安くなっています。特にパソコンはハード、ソフトが新しくなるにつれて、生産性が格段にアップします。

 目の前のコスト増を気にするより、先を見据えて最新化を検討することがお勧めです。


3.手法① まとめる



 数社に依頼しているサービスを一社にまとめる手法です。

 複合機、パソコン、ネットワーク、固定電話、携帯電話など、今や各サービスがつながっている状態。それを一本化することで、直接的なコスト削減はもちろん、問合せや相談先が集約され間接的なコスト削減にもつながります。

 例えば、うまく印刷ができないとなった時の問題は、複合機かもしれませんし、パソコンそのものかもしれませんし、ネットワークかもしれません。その時に、業者が分かれているとどこに問い合わせればいいかも迷いますし、一社一社に不具合の状況を説明する手間がかかりますが、一本化できていれば、スムーズに相談・解決が行われます。

 弊社も、オフィス周りは全て一社に任せていますが、コスト削減はもちろんのこと、請求書も1枚で済むので事務工数も圧倒的に減り、間接コストの削減にもつながっています。



4.手法② ネット銀行の利用を開始する



 ネット銀行は振込手数料が安いためコスト削減にダイレクトにつながりますし、ネットで入出金、振込が完結できるため経理担当の手間が削減できるという間接的なコスト削減にもつながります。

 例えば、住信SBI銀行は他行への振込手数料が3万円未満だと160円、3万円以上だと250円とお得です。本当にわずかな金額かもしれませんが、毎月、毎年のこと、塵もつもれば、ということです。不要なお金を使う必要はありません。

 弊社も2020年、コロナ禍真っただ中で、初めてネット銀行の活用を始めましたが、直接的にも間接的にも、もっと早く実施しておけば良かったと後悔しています。



5.手法③ 競争を行う



 一番インパクトが大きいのは、この手法でしょう。毎回、同じ業者を使っていると契約更改の際に、値上げこそあれど値下げされることはほぼありません。形式で相見積もりを取るケースもあるでしょうが、そうではなく、改めてゼロから検討するという前提を伝え、現取引先含め、本気で見積もりを取ることで比較検討し、今までと同レベルもしくは今まで以上のサービスで更に安いサービスを受けることができるようになります。
 この手法は、取引業者を変えることなくコストを削減することにもつなげることが可能です。



 その他にも、活用しているシステムやパソコンを変えるだけでも、作業効率が飛躍的にあがり、従業員の生産性があがり残業が減る、もしくはその分、営業などの生産活動に時間を振り向けて売上が上がるなどといったこともあります。オンライン営業も然りです。


一度実施すると、いい影響を与え続けるコスト削減。
ニューノーマル社会で勝ち残るために、ぜひ検討を。




【コスト削減施策をお考えならお問合せください】

 経営、業績、ヒト、組織の課題をワンストップで解決 
 中小企業コンサルティング「おしえる」
コラム【組織】

自社に合わせた失敗しないメンター制度

1.メンター制度が注目されてきた背景

メンター制度を導入する組織が増えてきた背景として、社会環境の変化があります。

 以前は、組織の中で自然に成長していく環境がありました。しかし、世の中の変化スピードの速さ、人材が不足する中での生産性・効率・業績追及によるプレイングマネジャーの増加といった状況から、部下や後輩にじっくり目配りをして育成をする、という環境ではなくなってきました。




 また、仕事で使う機器の発達や環境の変化に目を向けると、個人の仕事が外からは分かりづらくなったということも一因としてあります。(携帯、メールでのやり取りなどによるブラックボックス化)ひと昔前のように、先輩社員が電話で話している内容を聞いて真似をする、覚える、といったことや文章の書き方を真似をする、といったことがしづらくなっており、見て盗む、仕事ぶりを見て自然に学ぶ、ということも難しくなっています。

 更には、ハラスメントという言葉の定着により上司、先輩が部下、後輩に対するコミュニケーションに対して不安を抱いていること、自ら積極的にコミュニケーションを図る若い世代がいないこと、更には、女性活躍推進やワークライフバランスといった国策の関係で、今まで育成対象となってこなかった人材に光をあて、成長してもらう、といった様々な状況が相まって、注目されてきたのがメンター制度です。

 意図的に「支援」「育成」という関係性をつくることで、個人、組織の成長につなげようという機運が高まっていると言えます。



2.メンターとは




■メンターとは:

 仕事や生活、人生において個人の“手本”となり、 指導・支援を行う人のことをいいます。知識やスキル、経験の豊かな人(メンター)が、まだ未熟な人(メンティ)に対して、目標達成や成果向上、成長のために仕事のやり方や人間関係の築き方、課題解決、意欲促進、モチベーション向上など様々な場面で、キャリア形成や心理・社会的な側面など総合的な支援を継続的に行います。
 単なる話を聴く相談役ではなく、業務・実務ではないもっと大きなところでの目指す姿を明確にし、サポートを行うことでメンティに自律性や自信を持たせ、メンティ自身が前向きに仕事生活、社会生活を送る支援を行う役割を担います。


■メンターの語源:

 ギリシア神話の登場人物『メントール』の名前に由来します。オデュッセウス王がトロイア戦争に出陣する際、自分の息子テレマコスの育成をメントール(Mentor)という人物に託しました。 託されたメントールは帝王学や学問のみならず、人としての成長も含め全人格的な育成・指導を行いテレマコスを王の期待以上に大きく成長させたことから、全方位的に指導支援を行う人のことをメンターと呼ぶことになりました。



3.メンター制度とは



■企業制度としてのメンター制度:

 企業や組織が制度として導入する場合は、離職防止、モチベーション向上、女性活躍推進、新規事業促進、管理職登用トレーニングなど様々な目的で実施されています。
 また、「斜めの関係」と言われ、同じ社内であっても異なる部門の上司や先輩が設定されるのが通常です。それは、評価や日常の仕事に直接的な影響がない分、本音で相談しやすくメンター側も固定概念やバイアスを持たず客観的かつ適切なアドバイス、支援が可能となるためです。


■メンター制度の期待効果:

【組織】  
 メンター、メンティがともに成長すること、社内のコミュニケーションが活発になり現状把握が常に行われるため組織が活性化されます。  

→職場定着率の向上、職場の満足度向上、知識・ノウハウの継承、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、組織風土の改善、社員の能力向上、逸材発掘 

【メンティ】
 働く上でのビジョン明確化、無用な躊躇や不安の払拭、成長スピードアップ、仕事に対するモチベーション向上

→知識・ノウハウの吸収速度向上 、自立・自律、対人能力向上、社内コミュニケーションやネットワークの活発化、問題解決・能力向上、職場満足度向上、キャリアプラン、将来のビジョンの明確化

【メンター】
 メンティを支援することで、自分自身の仕事や生き方の振り返り、対人コミュニケーションへの気付きや学び、更なる成長

→対人能力向上、指導・育成能力向上、社内コミュニケーション・ネットワークの活発化、知識・ノウハウの洗い出し、責任感の向上


■メンター制度の「表面的な」マイナス面:

・直属の先輩や上司との関係性
→斜めの関係で実施した場合に、第三者が関わることで直属の先輩や上司が得てない情報があることから、事前にメンター制度に対する社内周知、理解浸透を行っていなければ、組織内の関係性がギクシャクする可能性があります。
  
・メンター、メンティの工数増加
→時間的な拘束、レポートや振り返りの時間など時間的な工数が発生します。

・メンター、メンティのストレス増加の可能性
→メンター、メンティのマッチングを行っただけで、目的や運用方法の設定、ツール活用などを行わず、ペアの二人に自由に任せていると、メンタリング実施の意味や効果を感じられず、実施自体が双方のストレスになることがあります。

※表面的なマイナス面と記載してあるのは、きちんとした導入・運用を行っていないために発生するものです。経営が制度にコミットメントし、導入時にしっかりと準備・説明を行うこと、運用をサポートすることで、上記のマイナス面はカバーできます。



4. メンター制度がうまくいかない場合ってどんな時?



 メンター制度を導入したものの、うまく機能させることができず、形骸化して一年で終了というケースが多々あります。

 メンター制度は、メンターとメンティを組み合わせて面談を行う機会を提供するというシンプルな形なので、とりあえずやってみようとスタートしてしまいがちですが、斜めの関係だからこそ、準備と運用を丁寧に行わなければ、機能しないどころか逆効果になることもあります。
 実際、導入したものの、実施されず形骸化した、期待する成果が出なかった、ということでメンター研修の実施や運用の相談を受けることが多々あります。

 それは、目的であったり、組織のバックアップ体制であったり、メンターの接し方であったり、と必要な要素の何かが欠けているが故です。また、一年程度の短期間での明確なアウトプットや結果を求められうことで、一年やってみたけど費用対効果が分からないので、効果が出ないので中止、という判断になることもあります。

 しかしながら、必要な要素を満たした上で、丁寧に運用継続することでメンティがいずれメンターとなり、育成文化が醸成され、組織の風土が変わり、といった具合に成果につなげている企業や団体も実際にあります。

 実施する前の準備及び実施中のフォロー、実施後の振り返りを丁寧に回し、次年度につなげていくことが大事です。

■メンター制度の効果が出ないケース:

・進行の問題  
・取組み姿勢の問題  
・目的・テーマ・目標  設定の問題  
・問題が発生しているにも関わらず、惰性で継続している  
・関係性(遠慮、相性)
 ほか

         
■メンター制度で起こりがちな失敗例:

・メンターが相手視点に立てない
・安心できる場であるはずが、プレッシャーの機会となっている
・直属の上司・先輩との関係性
 ほか



メンター制度導入運用コンサルティングを確認

メンター制度導入運用ツールセットを確認


5.ピアメンタリング



 ピア(peer)は仲間という意味で、言葉が指すとおり、1:1ではなく、共通のテーマを持つ複数人が定期的に集まり、互いの関心事や相談事を共有し、一緒に考えることで相互成長を図る仕組みです。

 対等な関係の中で話し合う中で、定期的に振り返りを行うだけでなく、様々な価値観や考え方に触れることができることで、有益な話し合い、成長につながっていきます。

 全員が、気負うことなくコミュニケーションを取れるという点で、4名前後が適正人数と言えます。
1名の振り返り・共有に対する各人からの感想共有やアドバイスを行う時間を15分~20分とし、通常各回が60分~80分となります。

 特に決め事はありませんが、話す準備をせずその場で共有事項を考えるとなると、時間が無駄になるため、振り返りの共有準備を各人が事前に行っていることが必要です。また、そのグループで効果を最大化するために、「遠慮しない」「率直に言いたいことを言う」「承認する」など、グループ内でルールを設定しておくのも有効です。

<実施者の声>
・回を追うごとに、次の回が楽しみになっていくのを実感できた。
・自分にはない考え方や価値観に触れることができて勉強になる。自分の思考パターンに気付いた。
・毎週進捗、成長が自分で認識できることに加え、周囲から自分が想像していなかったコメントや意見をもらえることが励みであり役にたっている。モチベーションにつながる。
・参加者が回を追うごとに元気になっていっている。振り返りの内容と1週間毎のシートの密度が毎回成長していっている。
・振り返りシート作成にあたり、ダメだった点やできていない点を発見し、嫌々でも自分に向き合う一方で、気づきや学びをある意味強制的に探すため、ダメな一週間、何もない一週間の中にも前向きになれる点が発見でき、自己効力感や元気につながる。
・上司の言っていることに納得できず、行動に本気で取り組めなかったが、前回の会でメンバーからから色々意見をもらって考えてみた。すると、自分に悪い点もあるのでは?と思い至り、上司がそういうことを言う理由を自分なりに考えてみたところ、自分にも修正すべき点があった。(同じ失敗を繰り返していた)その後、「同じミスを繰り返さないように意識しています」と上司に共有したところ、関係性が改善した。


ピアメンタリング用シートを確認


6.リバースメンター制度



 メンター、メンティの関係は、メンターが年長者、メンティが年下というイメージが強いですが、必ずしもそうである必要はありません。

 本来のメンター制度は、若手社員やターゲット社員が抱える課題や悩みを、経験豊かなメンターがサポートするものですが、最近では、その立場を逆転させたリバースメンター制度を導入する企業が出てきています。

 例えば、若手社員が役員のメンターとなり、モバイル機やSNSの活用法などITスキルを学ぶサポートを行う、といった事例が取り上げられています。パソコンが登場した時が、そうであったように、年々新しいものが世の中にアウトプットされますが、若者は、それらに自然になじんでおり、年配の社員よりも長けていることが多いため、それを、教わるというのは、自然な流れでしょう。目的はITスキルを学ぶことですが、実際に導入した企業では、役員から「新たな考え方や常識に触れ、刺激につながった」といった評価の声も高かったようです。

 最新の機器や技術に関わりません。自分にない知識やスキル、経験を持った人であれば、メンターと成り得ます。
当然、通常のメンタリングと同様に、双方の成長につながります。

 唯一懸念があるとすれば、自分よりも若い人がメンターとなることをメンティとなる本人が受け入れられるかどうか、という点でしょう。それが無ければ、リバースメンターも形だけで全く意味も効果もでません。

 反対に、双方が受け入れ、実際に運用し効果につなげることができる組織であれば、色んな人、様々な環境から学ぶことが出来る組織ということであり、成長の機会も増え、成長し続ける事が可能になります。

 敢えて制度にする必要があるのか、とも言われそうですが、相互育成という文化を醸成するメッセージとしても有効です。



7.外部メンター



 メンターは、会社や組織で実施する必要はありません。自分の人生やキャリアにおいて、悩んだ時は課題を抱えた時に、アドバイス、サポートしてくれる方、自分が信頼できる方がメンターと言えます。

 例えば、ベンチャー企業の経営者の成長のために、経験豊富な経営者がメンターとなることもありますし、転職した人が、前職の上司や先輩にメンターとなってもらって相談することもあります。

 会社や団体のメンター制度が斜めの関係で組まれる目的の一つに、利害関係のないところで、評価に関わらないので相談しやすい、素直に意見を受け止める、といったことがありますが、その観点からすれば外部メンターには、利害関係が全くないので、100%そのメリットを享受できます。

 同じ組織でないので、本音で相談しやすいことはもちろん、メンターとしても組織の事情を酌量する必要がない分、本当に適切な意見を出せると言えるでしょう。

 外部メンターを選ぶ際は、「信頼できること」「社会経験を積んでいること」「主観でなく客観で物事を捉えられること」を最低限の規準にし、後は、自分が話しやすいかどうかといった観点で判断するとよいでしょう。



【自社にあったメンター制度導入をお考えならお問合せください】

 経営、業績、ヒト、組織の課題をワンストップで解決 
 中小企業コンサルティング「おしえる」
コラム【経営】

質へのこだわりか費用対効果か、基準を明示せよ

1.「人によって違う」は経営問題

 個性の話ではありません。個性、価値観、そういったものは、違って当然、それぞれを尊重するものです。

 ここで伝えたいのは、仕事におけるアウトプットに関することです。同じ作業をする、同じアウトプットを出すにしても、人によって結果の質やかかる時間が異なります。何を当たり前のことをと思うなかれ、経営視点で見ると大きな問題です。

「生産性に関わる」「質にかかわる」のみならず、「従業員のモチベ―ション」「人間関係」など経営全般に影響を及ぼすからです。



2.3DCGアーティストTELYUKAを見て思ったこと



 2020年5月24日(日)の情熱大陸は、3DCGアーティストTELYUKAに関する取材でした。TELYUKAは夫TELさんと妻YUKAさんからなるアーティストで、永遠の17歳 3DCG女子高生のSAYAを展開しています。

 SAYAは、見た目はほぼ人間で、CGと気付かないぐらいの精度でした。番組では、AIと音声を導入し、コミュニケーションを取れるようになったSAYAが高校生とコミュニケーションを取る機会に関して取材されていたのですが、その中で興味深かったのは、そのための準備におけるTELさんとYUKAさんの会話です。それは、経営や育成における意識ポイントと同じ点があったからです。

 その会話は、高校生にSAYAとコミュニケーションを取ってもらうにあたり、奥さんがSAYAの微笑みをより可愛くと時間をかけて作り込みをしている場面でした。

夫「ある程度のところで止めとかないと。正直一回しか使わない素材だから」
妻「ああ、まあね」
夫「あーっていう前に過ぎ去っちゃうよ。何回もループして見るものじゃ ないので。
そこは割り切って考えないと。間に合わせないと どっかで。
逆にやったはいいけどタイムオーバーで入れられませんでしたのほうが辛いと思うので」

 作り込むYUKAさんの気持ちはとても分かります。少しでもいいものを見てもらいたい、という思いでしょう。
 しかし、経営目線からすると、TELさんの視点も非常に分かります。どこかで歯止めをかけないと永遠に作り込みは可能です。このバランスが難しいところ。

 番組では、先程の会話の後も妻は結局作り込みを続け、それが高校生とのやり取りの中で、クラス全員から驚嘆の声があがり、とてもいい反応になっていました。結果オーライです。高校生に喜んでもらえて、とても良かったというところではありますが、これを経営視点でどう評価するべきでしょうか。

 「よりいいものを」は作り手やサービスの提供者として、当然のこと。しかし、趣味や創作ではなく、ビジネスとして捉えるなら、費用対効果を考えることも大切です。また、人(質の高いアウトプットを出す人とそうでない人)、コンテンツ(興味があるものなので作りこんだ)や期間(時間に余裕があったので質のいいものができた)によってバラつきが出ないことも。そのあたりをしっかりと考えておく必要があります。



3.こだわり過ぎる人、全くこだわらない人は悪いのか?




 では、同じ業務を行っているのに、メンバーによって早く終わる人と時間がかかり過ぎる人がいます。こだわり過ぎる人、全くこだわらない人、どちらも問題視されることが多いですが、いかがでしょうか。この点に対して、意欲や常識を引き合いに出して個別指導を行っても、納得感を持たれないケースが非常に多いです。

 こだわるメンバーの「自分は一生懸命やっている」、「お客様のために」という価値観は頭ごなしに否定できません。また、こだわらないメンバーの「効率を」「費用対効果を」という価値観も否定できません。そして、この二つは相反する関係にあるため、「何であの人は…」となり、冒頭に述べた経営問題の「従業員のモチベ―ション」「人間関係」にも悪影響を及ぼすことにもなります。経営者と従業員、管理職と部下がこのような相反する考え方の元に働いていると、お互いに悪気はないにも関わらず関係性が悪化したり、モチべーションが下がったりします。

 問題は、「それを行っているヒト」ではなく「根拠となる基準がない、もしくは明示していないこと」にあります。その場合、捉え方によって、どちらも正しいとなるからです。基準がなければ、根拠がないため互いの主観のやり取りにしかなりません。



4.軸や基準は経営に大きな効果をもたらす



 業務やタスク、判断に対して軸や基準をつくるということは、経営に大きなメリットをもたらします。

1.各業務の規準(適正時間、適正レベル)を決める
 
 規準を設定しづらい職務(クリエイティブ、企画関連業務)の場合は、いつまでという期限を最初に決めた上で、その時間の中で最大限やりきるということでもいいでしょう。業務の適正時間やレベルが決められることで、パフォーマンス、生産性の向上が見込まれます。

2.  各業務、行動の判断軸を決める

 会社としてこういう場合はどうするんだ?という判断軸が決まると、決断のスピードが上がるだけでなく、一人ひとりが上司や先輩に確認することなく動けるため、スピードの向上や主体性の向上につながります。

 一つ事例を紹介しましょう。新入社員研修を年間通じて請け負った企業でのことです。 

 入社して半年経過した段階での研修で提案ロールプレイングを含む様々なワークを見ている中で、大げさに話を展開したり、不確実なことをその場で安易に回答してしまう傾向が見受けられるメンバーがいました。このままの状態で営業活動を続けると、「言ってたことと違う!」とクレームやトラブルが起こる可能性があると感じました。

 そこで、教育責任者に確認すると、「それは、OKです。クレームを恐れて積極的に動けないようであれば弊社が目指す営業としては、物足りない。多少話が大げさになったり、食い違ってクレームになっても、それは上司がフォローします。新人なのに、全てを完璧になるまでと考えていたら、何もできないので。もちろん、法律、倫理的にアウトなことらやお客様に迷惑がかかるケースは除きます」という回答が返ってきました。そして、それを新入社員にも伝えているとのこと。「クレーム恐れず行動しよう!」と。

 これが会社方針として設定されているので、新人も気にせず動くことができます。もし、何かあっても上司は、不満に思ったり怒ることなく、役割として、すぐに動くことができます。その基準が全社に共有されているおかげで、スピードも主体性も失われることなく動けることになります。

  若手社員が上司に対して不満に思うことでよく挙がってくる内容の一つに「一貫性がない」ということがあります。それは、人によって、事案によって、時によって、判断や対応が変わるということです。この場合、なにかある度に、都度確認をとる必要があり、スピーディかつ主体的に行動することができません。

 うちの従業員は主体性がないと相談を受けるケースが多々ありますが、動きたくても動けない、という実態もあるかもしれません。そのようなことを防ぐためにも、判断軸や判断基準を決めておく、ということが有効です。

 もちろん、ルールでがんじがらめにすることが目的ではありません。また、言葉で認識できないケースも多いでしょう。それらをふまえて、日常の中でよくコミュニケーションを取りながら、設定していく姿勢が必要です。

 軸や基準が決まったら、朝礼やミーティングを通じて、定期的に共有・浸透させていきましょう。設定した軸や基準に触れる案件や事例が出た時は、チャンスです。それぞれどう思うか確認をし、浸透を図ることで、上司の判断をあおぐことなく行動できるようになります。 

 結論として、軸や規準が明確になることで、育成や評価もしやすくなり、適正に標準化されることで生産性向上、業績向上にもつながります。働き方改革、テレワークでの評価など、パーツパーツで議論される問題・課題が一貫性をもった中で解決に向かっていきます。不必要なストレスがかからなくなるため、モチベーションや人間関係も良くなっていくでしょう。経営に大きな効果をもたらします。



5.未来を見据えた軸の設定




 どこまで工数をかけるのかは、費用対効果以外に、未来軸でもみておく必要があります。

 研修業を事例に出すと、今、テレワークの行い方やツール紹介のセミナーが全国で頻繁に行われているが、これは一過性のもので、一年も経って浸透すれば当たり前になり、セミナーのニーズはぐっと下がります。今ニーズがあるからと飛びついても、人員やお金に余裕のある大手には勝てない中、瞬間的なビジネスに投資をするのが果たして是か非か、と考える必要があります。

 一方、オンライン研修、オンラインワークは、これから当然になります。しかし、一般的な管理職研修や新入社員研修がオンラインでできるとしたら、全国の大手企業や著名な講師のコンテンツが優先される可能性も高いはず。とするとコンテンツなのかフォロー体制なのか、何がしかの差別化が必要になりまう。どこに投資をするかを決めてから動かなければ、ムダになりかねません。

 同様のことは、景気がいい悪いあれど、どの業界にもあてはまることです。経営者、管理職は、自分の考えや方針に従業員やメンバーを巻き込むわけですから、真剣に考える必要があります。

 バブル崩壊、リーマンショック、震災による景気悪化、そして新型コロナ。大きな変革を伴う中で、ビジネスモデルをどうするか、業務フローをどうするか、各業務への工数・投資の仕方はどうするかを経営、マネジメント層は考える。その上で、適切な業務遂行で従業員や関わる人材がストレスなく最大のパフォーマンスを発揮できるように、軸を決めていきましょう。



【基準、方針、軸の決定をお考えならお問合せください】

 経営、業績、ヒト、組織の課題をワンストップで解決 
 中小企業コンサルティング「おしえる」
コラム【組織】

成長を確実に進めるために必要なもの

1.意識が変われば行動が変わる?



研修やセミナーで、こういう言い回しを聞いたことがないでしょうか。

「意識が変われば、行動が変わる
 行動が変われば、習慣が変わる
 習慣が変われば、人格が変わる
 人格が変われば、運命が変わる」

この言い回しは、正しくありません。正しくない、というと語弊がありますが、簡略化され過ぎているのです。

 意識が変わっただけで、行動が変わり、習慣が変わるのであれば、研修や人材育成はいりません。
研修は、意識系のものから知識・スキルのインプット系のものまで含め、 あくまで意識を変える「きっかけ」でしかありません。


2.意識に働きかける前と後が大事



 研修や指導育成を受けたとして、意識が変わったとしても、何もしなければ、ヘルマン・エビングハウス氏によって提唱された「エビングハウスの忘却曲線」に従って、習慣となっていない短期記憶は時間とともに忘れられていきます。

「研修は時間とともに効果が薄れていくから…」と言われる大きな要因です。

 ロバート・ブリンカーホフ博士が、人材育成カンファレンスにおいて報告 をした研修の効果に関する数字、40:20:40の法則があります。
 研修の効果を最大化するには、研修前(準備、事前課題、上司や周囲によ る研修に対する動機付けなど)の重要度が40%、研修後(アンケート、 報告書、事後課題、研修内容の部内シェア、定例確認など)の重要度が 40%、研修そのものの重要度が20%とされています。

  研修の実施前、実施後の準備、フォローアップを必須にすれば、「研修は時間とともに…」もだいぶ変わります。 しかし、実施前はおろか、実施後のフォローアップすら行っていないことも多いのではないでしょうか。
 さらに、育成は研修のみではなく、日常で上司や先輩からOJTや実務の中で行われるアドバイスやヒント提供も含まれます。(むしろ、こちらの方が大事)研修や日常において何が必要でしょうか?


3.意識が変わる ⇒ 行動が変わる にするには



意識が変われば行動が変わる、を実現するには

①「本人の強烈な意志」
②「具体的なやり方」
③「行動のための仕組み・仕掛け」
 
が必要です。

 本人の意志がなければ、周囲が何をどうしても変えようがありません。そもそもの大前提です。そして、当たり前のことですが、誰しも知識・スキル・経験がないことは、できないので、意識が変わっても、行動につながりません。育成に関わるに人間は、知識・スキル・経験の有無を確認して、無いなら具体的にどうすればいいのかを教える必要があります。最後に、行動のための仕組み・仕掛けが重要です。経営者、管理職が意識して取り組むべきは研修やセミナーの実施ではなく、日常で自然に動くための仕組み・仕掛けです。人間には「現状維持バイアス」が備わっており、変化を嫌うのが基本です。①②をクリアしても、なかなか行動につながらない場合は、意志がくじけても、知識・スキル・経験の不足があったとしても、行動につながるような仕組みや仕掛けを提供する必要があります。


4.行動が変わる ⇒ 習慣が変わる にするには



行動が変われば習慣が変わる、を実現するには

①「本人の強烈な意志」
②「行動の継続」
③「継続のための仕組み・仕掛け」

が必要です。
 
 行動が変わったら習慣になるか、というとそんな簡単はわけはありません。3日坊主と いう言葉があるように、習慣化が一番難しいのです。
 先に述べたように、本人の意志がなければ、周囲が何をどうしても変えようがありません。そもそもの大前提です。
 そして、やったりやらなかったりでは、当然習慣になりません。21日間、同じことを継続すると習慣化されると言われています。最低でも、21日間の継続をすることが必要です。しかし、余程、意思が強い人間でない限り、一人で継続するのは、難易度が高いでしょう。実践・継続をマネジメントするアプリやツールも多く出ているが、個人に担保するのも心もとない点もあります。
 確実な人と組織の成長を実現するのであれば、会社として仕組み・仕掛けを用意したいところです。


5.自律的・持続的に成長する人材、組織をつくるには



 結論として、研修やセミナーはもちろん、本人任せにしているだけでは成長・変革にはつながっていきません。自社、組織の現状をふまえ、日常の環境、仕事の中でシンプルに回すことのできる仕組みや仕掛けが必要なのです。

 経営として、意識を変える、行動を変える、習慣を変える仕組みと仕掛けをつくりましょう。



【上記のような仕組みと仕掛けづくりをお考えならお問合せください】

 経営、業績、ヒト、組織の課題をワンストップで解決 
 中小企業コンサルティング「おしえる」
お知らせ

【6月ウェビナー開催】経営者向け「失敗しない組織化ポイントまるわかりセミナー」

50名前後までの経営者、経営幹部様向けのウェビナーです。
組織成長を遂げる際の問題と組織化を行うために欠かせない要素、そして具体的な対応方法を講師の実体験や事例をふまえて、わかりやすくお伝えします。

日程は6月10(木)、22日(火)のどちらかで選択が可能です。

詳細は こちら
お知らせ

【7月ウェビナー開催】管理職、OJT担当者向け「成長ステージ別育成法」

シフト勤務やテレワークで部下、後輩の状況が見えづらい。
そんな中でも、最速、最適な育成を実現するために、職務能力、遂行意欲で相手の成長ステージを適切に判断し、ステージに沿った指導育成が行えるようになる「成長ステージ別指導育成法」をオンラインで学ぶセミナーです。

日程:7月7(水)14:30-17:00

詳細は こちら