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コラム【教育体系構築】

研修会社の選び方 #1 会社規模での違い

研修会社を選ぶ際に迷うことは多いと思います。
判断材料の一つになるであろう、会社規模の違いについてどう考えるべきかについてお伝えします。

1.規模が大きな会社がいいとは限らない



 研修業界は特殊な業界で、規模が大きい方がいい研修ができるとは限りません。研修の良し悪しを決めるのは、コンテンツと講師が大きなポイントになりますが、その二つとも、所属が明確ではないからです。

 まず、講師は3つに分類されます。

①研修会社の従業員として雇用されている社員講師
②雇用関係はないが、固定の研修会社でしか実施しない専属講師
③自分自身でも研修を開催しつつ、依頼があれば依頼された研修会社の講師として登壇する登録講師

の3つです。

 コンテンツについても、3つに分類されます。

①研修会社が開発して講師に実施してもらうパターン
②研修会社の営業と講師が一緒に考えるパターン
③目的や対象のみ研修会社が確認して、後はコンテンツ開発自体も講師に任せるパターン

があります。

 したがって、実態が分からないため、大手や中堅の研修会社だから講師がいい、コンテンツがいいということは言えず、登録講師に多い一人会社やフリーランス講師だからダメという規模のみでの判断は控えた方がいいということです。


2.規模別の強みと弱み



 それぞれの強み、弱みを確認しましょう。

 大手や中堅会社の強みは、安心感です。集合研修はもちろんオンライン研修やハイブリッド研修など、ノウハウが確立しているため、運営面から全て任せられるという安心があります。また組織で動いているため、担当者が休みでも対応を進められるというメリットもあります。

 弱みとしては料金面や対応面で柔軟な対応が難しいというところがあります。また、営業担当と講師が別々に動いているため、営業担当の経験が浅いと要望がうまく伝わらなかったり、講師から確認依頼が何度も入ることで、ムダなやり取りが何度も発生します。あまり無いでしょうが、講師も一緒に話を聞いてくれる会社があって、予算的に合うのであれば、それが理想です。

 一人会社やフリーランスの強みは、講師自身がヒアリングを行うことにあります。自分でやるにしろ、定型講師に依頼するにしろ、研修のポイントやどういうコンテンツを組めばいい研修になるかを熟知しているので、無駄なやり取りが発生することなく、要望に沿った研修になる可能性が高いです。

 弱みとしては、オンライン研修やハイブリッド研修に慣れていない講師の場合、対応が制限される可能性があります。また、一人で動いているため、体調面だとか突発的に何かあった際に対応ができないリスクがあります。とはいえ、長年の経験でそれを自覚している講師が大半なので、体調不良で登壇できなかったというケースはほぼ聞きませんが、リスクとしてゼロではありません。


3.研修会社の判断ポイント



 これらをふまえて、研修会社をどうやって判断するか?

 一番重要なのは、予算です。意外と思われるかもしれませんが、大手・中堅の研修会社と中小、一人会社、フリーランス講師の間には料金に大きな開きがあります。外部講師や登録講師を活用する場合には、講師や開発費用に加えて研修会社のマージンが上乗せされるからです。

 打ち合わせを重ねて、折角、いいコンテンツを作ったものの、最終的に予算が合わず稟議がおりなかったとなると、依頼する側もされる側もお互いに大きな工数、時間のロスになります。コンテンツありきで予算はいくらかかっても構わないという企業でない限り、まずは想定費用を確認して、予算内で収まる会社の中でベストな会社を探しましょう。

 次に重要なのは、もちろんコンテンツです。目的や研修効果、アウトプットなど要望に沿った研修を実施してくれるかどうかがポイントです。
 よく、提案されたコンテンツ自体の実施実績を確認されますが、実施実績(時間)はコンテンツの質とは関係ありません。実績があっても効果が高いとは限りませんし、どんなにいいコンテンツも、初めて実施する場合は、実績ゼロだからです。ましてや、カスタマイズを依頼するのであれば、当然ながら実績はゼロになります。
 
 実績について確認するポイントは、登壇講師の経験についてです。同じコンテンツでも、講師によって効果は変わりますし、何かあった時の対処も経験によって変わってくるからです。したがって、講師の登壇実績(総登壇時間数、一回の最大人数、少人数でのセッション形式の経験など)に関する確認を、自社の目的や実施内容のイメージに沿って行っておきましょう。



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