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コラム【教育体系構築】

一律 1on1面談はもう古い!目的や成長ステージに合わせた面談制度とは

1on1制度を取り入れる企業は、業種、企業規模問わず増え続けています。
特に、テレワーク増加に伴い、オフィスで共に働く中で自然にコミュニケーションを取るということができなくなったことから、オンラインでの1on1面談を実施する企業も増えています。

 しかしながら、あまりうまく機能していないという声も聞こえるようになってきました。その理由と対応法はどういったものがあるでしょうか。

1.1on1面談制度とは



 まずは、1on1制度について確認しましょう。

【取り組み内容】

 上司と部下、先輩と後輩が1対1で30分から1時間程度、定期的に面談を行う制度
 目的に応じて期間を設定してもいいし、特に期間を定めなくても良い。企業によっては、同じ部門ではなく、全く関係ない人と実施しても良いとしているところもあり、目標に対する進捗管理や実務に対するアドバイス、支援から人間関係構築、悩み相談、業績アップなど実施目的も様々。

【効果】

・PDCAを回す仕組みで「経験学習」「パフォーマンス向上」に有効
・部下・後輩の気持ちやモチベーションの変化に気付きやすい。(いい面、悪い面)
・上司・部下、先輩・後輩間の信頼関係が強化される
・自分で考える癖づけができる
・上司や先輩の育成力向上
・個人の業績やパフォーマンスの向上
・離職率低下



2.更に効果的なものにするために、目的や相手の成長ステージで実施面談を変える



 1on1面談制度を実施する企業は増えましたが、一方で形骸化や実施者によって頻度や成果が異なるという属人化が課題として聞かれるようになってきました。

 その要因として、相手の知識やスキル、経験問わず一律で実施していることや目的が不明確なまま実施していることが挙げられます。

 例えば、隔週で30分~1時間程度、実施という形式で制度を定めているとします。

 しかし、知識・スキル・経験の浅い新人や若手と豊富な中堅社員では、頻度や内容に求めるものが異なります。新人や若手は、実務スキルがないため聞きたいことも多く、進捗管理、モチベーション維持のため、もっとやってほしいと思うことが多いですが、知識・スキル・経験豊富な中堅以上は、目的を明確にしておかなければ、単なる進捗管理やコミュニケーションでは特に必要ないと思い、形骸化しやすい、もしくは投資時間に対する効果は低くなります。

 また、目的を定めていないがために、折角の1on1が目標に対する進捗確認や問題解決といった業務に関することのみになり、受ける側がむしろストレスを感じる機会にしかなっていないというケースもあります。


 うちは、不満が上がっていないという組織がほとんどでしょうが、単に、他のやり方と比較していないからということに過ぎないかもしれません。

 目的や相手の知識・スキル・経験といった成長ステージに応じた面談を取り入れることで、1on1面談を受ける側の納得度も高まり、会社側も要求する内容を変えることができるため、組織全体として効果的なものにつながります。

 では、具体的にどういう面談形式があるか確認していきましょう。



3.Daily 1on1面談制度 

 知識・スキル・経験の浅いメンバーの実務スキル向上を中心とした頻度優先の1on1面談です。知識・スキル・経験が浅く、個別に聞きたいことや進捗管理の優先度が高いため、1on1の面談を短時間でもいいので頻度高く実施します。



■目的:実務スキル強化、モチベーション維持

■対象:新入社員~実務に関する経験の浅いメンバー

■実施頻度:毎日もしくは2日に一回

■期待効果:

「互恵性」「返報性」(上司や先輩が自分のために時間を割いてくれているという事実に応えたいという思い)がメンバーの本気の努力につながります。頻度高く確認を行うことで、行動目標に対してできていたことへの承認機会が増えることになり、メンバーの自己効力感を高め、モチベーションを高い状態で維持できます。
 また、当日うまくいかなかったことを翌日改善して活かすといった短時間でのPDCAを繰り替えすことで、PDCAの効果を認識し癖付けにつながります。

<YouTubeで確認>




4.業績向上面談

 個人の視点・視座拡大と組織成長に目的を絞って四半期に一度実施する1on1面談です。実務面、モチベーションから離れ、社外に対しての視点、組織に対しての視座を引き上げ、組織改善に結び付ける面談で、それぞれの階層毎に得られるものが異なるため、階層問わず実施します。



■目的:確実な行動変容、組織改革

■対象:不問

■実施頻度:四半期に一回

■期待効果:

 視点・視座を個人から社外や組織に向けさせることで、意識が高まります。個々に眠る暗黙知としての現場での気付きや知見を形式知とし、組織に活かすことに有効なため、時代や環境の変化に即応ができます。また、現場から吸い上げた意見のため、組織で取り組むとなった場合に、当事者意識が高まり、確実な成長や変革を実現することが可能です。
 面談を行う側も、普段、見ることができていない視点でコミュニケーションを行うことで、メンバー個々の視点や視座、普段どれだけ考えているかが明らかになり、逸材発掘にもつながります。

<YouTubeで確認>
 



→ 業績向上面談シート
 

 
5.相互育成を行うピア・メンタリング

主体的な成長、相互育成を目的として、同じような立場や職種で利害関係のない3,4名で定期的に実施する面談です。ふぃ
目的、目標・ゴール、取り組み内容、実施しての気づきや反省、今後について振り返るシートを用意し、面談前にそれぞれが記入。簡単に共有し、参加者からフィードバックを受けます。



■目的:従業員の自律成長、継続成長

■対象:中堅、自律人材

■実施頻度:週一回もしくは隔週一回

■期待効果:

 取組みに対するフィードバックや相互アドバイスを複数名から定期的に受けることが、取り組みへの強制力にもなり、モチベーションにもつながります。自身では気づくことができない様々なヒントや内省につながり、実践、ブラッシュアップの効果が高まります。
 上下関係や利害関係がないメンバーで実施することで、本音で率直なコミュニケーションを取ることができ、アドバイスも素直に受け止めることができます。

 

6.書籍からのPDCAによるリアルケーススタディ

自走型組織の構築を目的として、4,5名で実施する面談です。自ら読んだ書籍から設定したテーマを実務や組織で実践し、結果と今後どうするかをまとめて共有します。



■目的:自ら学び、試し、改善する組織づくり

■対象:不問

■実施頻度:四半期に1回もしくは半年に一回

■期待効果:

 研修といった与えられた機会ではなく、自ら学んだことを実務に活かし、その結果をふまえてブラッシュアップ、PDCAサイクルを回していく自律成長のトレーニングとなります。
 また、同階層や同職種で同じ書籍を読み、取り組み結果と改善案を共有し合うことで、自社におけるリアルケーススタディとなり、研修実施と同等もしくはそれ以上の効果につなげることが可能です。 





7.ガス抜きから組織改善まで幅広く使えるオープンドア

 管理職や上司と自由に話せる機会を提供する面談です。
管理職、上司は、日程、時間、場所をメンバーに共有し、設定した時間は誰かが来る来ない関わらず会議室(もしくはオンラインで)で待ちます。メンバーは一人で行ってもいいし、複数で行っても構いません。メンバーは何を話してもいいし、管理職、上司は、原則として聞くのみ、求められればアドバイスなどを行うというルールで実施します。



■目的:ガス抜き、組織への提言、チーム力向上

■対象:不問

■実施頻度:隔週に一回もしくは月一回

■期待効果:

 管理職や上司が気づいていない様々なことを吸い上げることができます。挙がってくる内容に耳を傾け、必要に応じて解決していくことで、信頼関係強化、チーム力強化、組織改善につながります。 



動画で学ぶ「部下後輩の成長を促進する育成コミュニケーションスキル動画」は  こちら

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