研修会社を選ぶ判断材料の一つとして、迷った時に有効なディシジョンマトリクスについて確認していきましょう。
明確に機能やできることが決まっている設備や器具、サービスと異なり、研修会社の選定は検討項目が多くあること、更に、各検討項目も抽象度が高いところから、意思決定がしづらいという特長があります。
検討項目をざっと確認すると、どんなプログラム、カリキュラムなのか、どんな講師が登壇するのか、依頼した場合の総費用はいくらかかるのか、当該研修を実施することで、どのような結果、アウトプットが出てくるのか、実施後の対応、フォローアップはどうなのか、といったことが挙げられます。
各企業ごとに特長が出てくるので、各項目も判断がしづらく、複数名が決断に関わる場合は、なかなか結論が出ない、全員が納得しづらいという事態がおきます。
そこで、納得度を高めるために、ディシジョンマトリクスを活用します。
ディシジョンマトリクスとは、意思決定要因に対して選択肢毎に点数をつけ、各意思決定要因の重要度に合わせて点数に重みをかけることで、判断を数値化し、決定につなげる手法です。
数値であらわされるため、迷うことなく客観的に判断が可能になります。なんとなく、でもなく、好みや感情でもないため、周囲の納得感も高まります。
試しに、確認してみましょう。
まず、意思決定要因を明確にします。
その上で、選択肢毎に意思決定要因に対する評価を行い、点数をつけます。
点数は、1~3、1~5、1~10など設定は自由です。選択肢毎の評価にあまり差がない場合は、点数の幅を広げた方がいいでしょう。
ここでは、選択肢となる研修会社を3社、A大手、B中堅、C小企業と設定し、それぞれを比較しながら点数をつけます。
例えば、料金はCの小企業が一番安いので、3点、大手が一番高いのでA大手は1点、プログラム内容はB中堅が最も良かったので、Bが3点、といったようなイメージです。
重要度を設定しない場合、素点の結果だと大手企業が最もいいという結果になりました。
ここに、自社が考える選定における重要度を検討し、合計が100%になるように重みをつけます。
例えば、最も重要なのはプログラムで、次が料金と講師、その他はさほど重要ではないという感じです。
すると、今度は中堅企業が最もいいという結果になりました。
重要度を変えてみましょう。
今年度は予算がないので、最も重要なのは料金で、次にプログラムといった感じです。
すると、今度は小企業がいいという結果になりました。
素点は変わりませんが、自社が重要視する重みによって、どの企業を選択するべきかが決まるということです。
もちろん、ディシジョンマトリクスのみで決定しなければならない、ということはありませんし、他の要因も関わってくるでしょうが、判断に迷った時や、経営者を納得させる必要がある場合には、有効です。
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