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コラム【教育体系構築】

OJTの成否は、制度でもなく、研修でもなく、そもそも〇〇が有るかどうか。

 新卒採用、中途採用、パートアルバイト採用にいずれにしろ、新たに採用された人材で、担当業務をこなす知識・スキルがない場合には、OJTが有効です。


 OJTを成功させるために、一般的にOJT制度構築やOJT担当者向け研修が行われますが、成功するかどうかに影響するのは、制度や研修ではなく、その前段階である「職務における業務タスクと業務フロー」そして、「教え方」が明確になっているかにかかっています。


1.OJTの段階で求められる育成スキルは「教える」



 人材育成には、成長ステージに応じて様々なコミュニケーションが必要です。

 成長に寄与するコミュニケーションと言えば、「教える」「元気づける、勇気づける」「考えさせる」「引き出す」「任せる」といったことが挙げられますが、成長ステージが異なれば、良かれと思って行うコミュニケーションが逆効果につながることもあります。

 これらの中で、OJTで求められる中心スキルは、相手は知識・スキルがないという状況なので、「考える、引き出す、任せる」ではなく、「教える」が適切ということになります。


2.制度、研修のみでは、OJTは成功しない



 OJT担当者を決め、部門としての方法や運用を決めて、OJT計画シートに落とし込む、育成に対する考え方やスタンス、コミュニケーションスキルのトレーニングを行うことも大切です。

 しかし、OJT計画シートでは、「一人で営業ができるようになる」、「一人で広告対応ができるようになる」、「〇〇スキルを身に着けている、資格の取得」といった「ジョブ」「結果」単位での記載が中心になります。

 そのジョブや結果に到達するための、業務タスクや業務フロー及びそれらを身に着けさせるためにどういう指導が適切なのかが明確になっていなければ、育成として関わる内容も曖昧な結果論となり、結局OJTを受ける本人に任せるということにしかなりません。

 例えば、「一人で営業ができるようになる」というジョブを業務タスク、フローに分解してみましょう。

「自社のことを説明できる」「商品サービスを説明できる」「リストアップ」「電話アプローチ」「アポイント獲得」「アポ先企業リサーチ」「訪問(提案)準備」「訪問(提案)、次回訪問(提案)のための宿題獲得」「訪問(提案)後のフォローアップ」「次回までの準備」「先輩や上司への協力依頼」・・・「クロージング」

など、細かく分解されます。

 これらの業務タスク、業務フローを一人前にできるようになるために、「何を教える」「どのように教える」「どういうスケジュールで教える」という教え方を明確にしておく必要があります。

 つまり、制度や研修の前に、業務タスク、フロー及び教え方をまとめた『育成の型』を作っておくことが大切になります。


<育成の型イメージ>




3.「育成の型」のメリット



「育成の型」があることは、OJT制度の確立を実施していなくても、研修を実施していなくても、採用者にとっても受け入れ側にとっても有効です。

 例えば、下記のようなメリットがあります。

・入社/異動直後の「何をすればいいか分からない、することがない」と停滞する時間を排除
・「とりあえずこれやっといて」という思いつき、いきあたりばったりの非効率な育成を排除
・体系だった教える内容、手法、スケジュールで育成することで新人・中途社員の最速最短成長


 更に、組織においてよくある下記のような課題を根本から解決することができます。

・採用した後に短期間で辞める人が多い、一人前に成長するのが遅い
・その人しか知らない、できないという仕事が多くあり、対応に困る
・同じ仕事を行っているのに人によってパフォーマンスの差が激しい
・異動で担当者が変わったらパフォーマンスが落ちたまま回復しない


御社には、制度、研修の前段階、組織課題の根本解決につながる「育成の型」はありますか?



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