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「エース、○○○○」

人材育成、社員研修の考え方 「エース、木村沙織」 私の好きなフレーズである。

 「木村沙織」とは、元バレー選手の木村沙織さんのことである。以前のコラムで管理職や育成者の異動について、書いた。

 それを実現するためには、当然、後継が必要なので、今回はその点について書く。

 コンサルティングに伺う企業で、マネジメントできる人材がいない、とよく言われる。
 「マネジメントできる人材がいない」 は、何を基準に出た言葉だろうか。 過去の実績?管理能力?人柄?コミュニケーション?周囲の評価?期待さ れる発揮能力に達したかどうか?なんとなく?

 PM理論と呼ばれるリーダーシップ理論がある。
 目標達成機能(Performance function)、 集団維持機能(Maintenance function)の指標で掛け合わせると、「成果も出せるし、まとめる力もある」「成果は出せるが、まとめる力がない」「まとめる力はあるが、成果は出せない」「まとめる力もなく、成果も出せない」の4タイプに分けられるというもの。シンプルに考えると、こんな基準もあるだろう。
 
  大きな組織になると、昇進昇格要件(年次、経験、受けた研修数、周囲 の評価など)が規準になっているところもあるだろう。
 いずれにしても、何をもってマネジメントできる人間として判断するの か基準がないと、いつまでたっても「マネジメントできる人間がいない」 の声は消えない。

 そこで一つ提案がある。 「できるようになったから、(要件を満たしたから)管理職にする」のではなく「管理職になってもらうために育成する」ことである。

 ここで、木村沙織さんに関するエピソードを紹介する。
 2012年8月12日の日経新聞に、バレー銅メダルを受けて、「エース木村、 抜群の存在感」という記事が掲載された。私もテレビで見ていて、同じように感じた。「ここぞ」という時に決める力、拾いまくるレシーブ力、サ ーブで狙われてもはね返す力、点を取れるサーブ、周囲を鼓舞する声出し、安心できる笑顔。 カメラが積極的に追っていた、というだけではない存在感があった。
 記事には「躍進のきっかけになったのは、北京五輪後に真鍋監督が、まだ若手だった木村選手を新チームのエースに指名したこと。『木村の出 来が勝敗を左右する』と厳しく指導。過去2回の五輪では先輩に隠れた 存在だった木村選手の意識を高めた。国際大会で重圧のかかる場面を幾度も経験して精神的にたくましさを増し、地道な練習で技術を磨き、今回の五輪でエースの実力を開花させた。」と書かれてあった。

 これだ。できるようになったから上にあげる、のではなく、上にあげるために育成するのである。できるのを待っていると、いつのことになるかわからない。本人に意思がなければ、努力もしないし成長もしないからである。ほっといてもエースが出てくる場合はいいが、今やそれを待っている時間も惜しく、上司や組織体系がかたいところだと、出てこないままというリスクもある。

  特に、昨今は、仕事よりもプライベートや社会貢献に意識が向き、上昇志向を持つ人間が少ない、と言われている。そこで、上にあげたいメンバーを早々に指名し、本人と周囲に認知させる。そして、意図的に時間、力、機会を注ぎ育てあげる。
 選ばれたメンバーは自覚を持つことで、周囲の人間が納得できるように努力して実力をつける。周囲もそういう目線で見るので要求度も高くなり、それが更に当該メンバーの成長を促す。
 そして、周囲が名実ともに納得し、当該メンバーを全力でサポートしようと動き始めた時、組織の力は一気に強くなる。

 上司にも依頼をしておく必要がある。折角成果を出して上にあげるチャンスが来ても、よく見てなかったから分からない、と言われあがらないケースがでてくる。 特に上司が遠隔地にいる場合は、都度、メールや電話で対象メンバーの動きや成果を共有しておく。 こういうアクションも大事だ。

 ちなみに、指名したのに本人に断られたらどうするのか?と聞かれることがある。
結論、あきらめずに、言い続けるしかない。 私が福岡・広島を兼務していた際、広島のメンバーに「マネジャーを目指そう」と数年間、言い続け、断られ続けた経験がある。 曰く、「興味がありません。私には無理です」 結局、私が退職するまでメンバーのままであったが、退職後、数年して、そのメンバーから「マネジャーになったので、色々教えてください」と飲みに誘われ「え?あんなに断ってたのに?」と驚いたことがある。 それからまた数年たって、「マネジャーになってどう?」と聞いてみると「楽しくて仕方ないです!」という回答が返ってきた。 ここに全てが集約されている。

 未知のものに対して、通常人間は分からないから不安になる。しかし、実際にやってみると、嬉しいことや楽しいこと、やりがい、そういったものが見えてくる。 見えない、分からないからこそ、避けているということがあるので、管離職の業務を視覚化する、一緒にできることは一緒に行う、困ったことを相談をしてみる、と管理職業務のイメージを沸かせる努力を行うことや、定期的に打診を続け、背中を押すのも、上の役割だろう。
 
 横並びの育成ではある程度までいくと組織は伸びない。 突出した人がいなければ「これでいいや」となってしまい、低いレベルで安定が保たれるからである。 突出した人、見本になる人がいて初めて、あそこまでやれるんだ、やるんだと組織全体が引き上がっていく。

 従って、育成に関しては、意図的に不公平、不平等をつくり育てあげることも大切なのである。 環境が人を育てる、という言葉もある。 できるようになったから、ではなく、やってもらうために育成をする。そうすれば、「マネジメントできる人材がいない」という発言は、出てこないはずである。

 こういった発想と行動が代々引き継がれていけば、人は育ち、育成文化も醸成されていく。 さて、あなたにとっての「木村沙織」は誰だろう?


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