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個人の成長をアシストする仕掛け1「自己教示法」

育成につなげる「仕組み」と「仕掛け」 どのようにすれば、個人の成長をアシストできるのか日々悩んでいる人は多いだろう。その「仕掛け」はどういうものがあるだろうか。
 
 心理学に認知行動療法というものがある。その理論や技法は、うまく活用すれば、メンバーが成長するための育成の「仕掛け」として活用できる。
(心理学でいう認知とは、対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程をいい、意識と同義に用いられることもある。)

 認知行動療法にも様々な技法があるが、今回は「自己教示法」を紹介する。

  同じアクションを行うにも、すぐに行動できる人とそうでない人、成果につなげられる人とそうでない人がいるのは、なぜだろうと感じることはないだろうか。

 理由は様々考えられるが、その一つに、アクションに対する認知(意識)の持ち方の違いがある。
 例えば、営業が新規アプローチで、全く接点のない企業に初めて電話する場合を考えてみよう。その際に、「これはいい商品だからお客様も喜んでくれるはず!」と捉えている人と「突然知らない企業から電話かかってきたら迷惑だろう」「ニーズないだろう」と捉えている人であれば、アクションスピードや結果は変わってくるだろう。シンプルに言うと「自分ならできる」と「どうせ私なんか」の違いと言える。

  自己教示の影響を明確にした実験を一つ紹介する。
  大学生に協力をあおぎ「スピーチを行う際に自己教示がどう影響を与えたのか」を確認した実験である。



 まず大学生に「これから200人を前にスピーチをして頂きます。その前に、これからお渡しするカードに書かれた
 言葉を自分に言い聞かせるようにゆっくり読んで下さい」と依頼した。
 そしてカードを読む前、 1回読んだ後、2回読んだ後、3回読んだ後に、シャイネス(恥ずかしさ)と不安に関する
 心理テストを実施した。
 この実験では、肯定的自己教示、中性的自己教示、否定的自己教示を書いた3種類のカードを用意して、ランダム
 に分けた3つのグループに3種類のカードのうちの一つを渡した。

 <カードの内容>
  肯定的「うまく話せなくたって大丈夫。話すことに集中しよう」
  中性的「日本の首都は東京、今年の干支はいのししだ」
  否定的「どうせまた失敗して、みんなから笑われる」

 結果、肯定的自己教示は読むたびにシャイネスの得点を下げ、不安の得点を上げずに維持していた。それに対して
 否定的自己教示は読むたびにシャイネスと不安の得点を大きく上げていた。スピーチの前にどのような言葉を自分
 につぶやいているのかは、実はストレス反応に大きく影響するのである。
 興味深いのは中性的自己教示で、シャイネスと不安の両方で最初の得点をほぼ維持していたことである。この結果
 は、否定的なことを考えるくらいなら、全く関係ないことを考えるほうがよいということを示している。もちろん
 最も良いのは「うまくやらなければならない」という考え方をせず、課題に集中することを助けるような言葉かけ
 である。例えば、「大丈夫だ。上手下手は問題ではない。私が伝えたいと思っていることに集中しよう」と口に出
 して自分にいい聞かせることは役に立つ。
 適切な認知を自分にいい聞かせている間は、不適切な認知が意識に占める割合が少なくなるので、不適切な感情は
 弱まっていき、課題に集中しやすくなるのである。

 参照:「心理臨床の基礎」抜粋



 マイナス思考、自信のないメンバーは、無意識に、マイナスの自己教示を行って活動をしている可能性がある。それが、行動や結果につながらない、マイナスの結果につながるという悪影響を及ぼす。

 そうなっていそうな可能性があるメンバーには、アクションをどう捉えているのか、どう思っているのかを確認した上で、その認知を肯定的なものにスイッチさせる。

 個人的に、自己教示で肯定的教示を後押しすると考えている要素が一つある。
 それは、徹底的に事前準備を行うことである。「事前準備ができていない」と「あそこまで準備したんだから」の状態では、肯定的自己教示の効果も変わってくるだろう。肯定的自己教示に根拠を持たせるということだ。

 さて、肯定的自己教示が必要なメンバーはいないだろうか。いるとするならば、その自己教示を肯定的に変える「仕掛け」を考え、実践してみて欲しい。

 また、あなたがメンバーにかけている日常の言葉が肯定的か否定的かについても、意識して考えてみよう。




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